BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

「ジャングルはいつもハレのちグゥ」

バンダイチャンネル見放題、全 26 話。
水島努 監督作品の未視聴作を古いやつから観ていくことにした。2001 年放送、監督デビュー作とされるこの作品から既に、シリーズ構成は 横手美智子。ということを知りまずびっくり。
少年誌連載のギャグ漫画原作のアニメ化作品。
どこの国なのか謎でいて荒唐無稽が溢れかえるジャングルで暮らす元気で明るい小1くらいの小さな少年 ハレ と、
その母で若きシングルマザーの ウェダ、奇怪な行動を起こす謎の少女 グゥ、の三人を中心とした、ジャングルの人々のゆかいな日常ギャグアニメ。
ブッ飛んでる。こんなんあったんだ。エクセルサーガ がこの方面の極北かと思っていたけど、負けず劣らず。ブッ飛ばし方が強烈すぎて、テンションもかなり高くて、結構疲れる。エクセルサーガイカ娘 同様、何話も連続で観ることができない。もっと若い時、それこそ エクセルサーガ の後、本放送時に観たかった。
主人公の ハレ がツッコミ役で、その他の登場人物は全員ボケというのが特徴だけど、それだけじゃなくて、周りの環境、シチュエーションもすべてボケた存在になっていて ハレ のツッコミが追いついていないところがあって、そういう部分を自分で脳内ツッコミしながら観るから疲れるのかも。
そんな主人公だけツッコミ、その他全部ボケっていう構図は恐らく「クレヨンしんちゃん」あたりの逆転的発想なのかな、と思った。絵柄や作風、放送枠的にもそんな意識でつくられているように見えた。
キーパーソンである グゥ は・・・なんなんだろう。必要性は不明なんだけど、この作品世界の無茶苦茶の象徴でもあり、居るだけでおもしろい反面、なんとなくいつも、こわかった。存在感がこわいし、あの体内世界の果てない幻覚感というか厭世感、なにか見てはいけないものを見ている感覚がうっすらとあった。
他のキャラもお当番回で発揮する暗黒面が病気っぽく、ギャグアニメなのに変に大人の内面をつねってくる感じが気色悪かった。中でも マリィ の抱える闇が笑えない感じで参った。
キャラや話とは別に、作画の動きが毎回無駄に細かいのも、びびった。そのためにこんなに手抜きみたいなデザインなのかー、と思ったり。
毎回エンドクレジットに注目していると、絵コンテ・演出:山本寛京都アニメーション制作の回が結構あって、水島 × 横手 × 京アニ、って考えると字面からすごすぎて笑う。京アニ回では動画に 高雄統子 の名前があったり、他では 関口可奈味 が原画にいたり一話だけ既に作画監督をやっていたり。今現在の自分の興味対象の方々が一堂に会しているようなもんで、なんか不思議な感じがした。辿り着くべくして着いた所だったのか。
あと、自分が好む回はだいたい、水島監督 が自ら脚本や演出をやっている回だった。近年の作品同様に、名作映画のオマージュがたまに見られ、ニヤッとした。気のせいか、ボケの角度、切れ味も他の回とは違う感じがした。
疲れるので二度は観ないけど、続編 OVA を観る機会があれば観たい。