BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

「たまこまーけっと」

全 12 話、dアニメストアにて。
先頃より久々に女性声優趣味がほんのわずかばかり再燃して、「洲崎綾の7.6」というニコ生番組が始まっていることを知り、それを観ていたら 洲崎綾 主演作であるこれを観ておこうという気分になったので、観た。
京都アニメーション 制作、2013 年放送作品。どっかの下町染みた商店街の一角にある個人経営の餅屋の娘と、そいつのところに転がりこんだ人語をしゃべる奇妙な鳥、を中心に、商店街の方々や娘の友達や鳥の関係者らがわいわいやって織り成す、餅と恋と人情とかの日常系。
主人公 たまこ の家族構成および父娘の関係とか娘を嫁にやる云々のエピソードとか、「餅屋は餅しかつくらねえ」とか、中年・老人主体で六十〜七十年代くらいの昭和感に満ちた商店街の人情味とか、全体的にうっすらと 小津安二郎 作品へのオマージュが含まれているように見えた。うっすら、本当にうっすら。入っているかな、そうでもない、偶然かな?ぐらいのうっすら。ウィキペディアで監督の 山田尚子 のことを調べたら、影響を受けた映画監督に 小津 の名があるので、あながち気のせいでもなさそう。
で、小津作品が好きな自分としては、そういう点に注目していればそれなりに楽しんで観ていられた。でもなかなかはっきりとわかりやすいオマージュっつうのは無いもので、加えて鳥 = デラ・モチマッヅィ っていうのが 小津 云々と全く相容れないアニメ独特とも言える要素であり、洲崎綾 の声も完璧にアニメ声でその他周辺キャラ含めみんなアニメキャラらしい口調でそれについては 小津 も人情味もへったくれも無いっていうくらいアニメ感バリバリで、だからまあその、要するに、楽しめる点は大して多くはなかった。つまらないとまでは言わないが。監督含めスタッフが「けいおん!」をつくった方々らしいので、「けいおん!」を満足に楽しめなかった自分であるからこれもそりゃそれなりそれくらいの評価にもなるかな、と。
肝心の声優・洲崎綾 については、なんというか、他作品で聴ける役の演技とどれも変わらないな、と思った。シドニア の 星白&つむぎ、シンデレラ の 美波、艦これ のあのへん、と思い出してみてもどれも同じ声同じ役柄に思えるのだけど、たまこ は特に『洲崎西』の 洲崎綾 役の 洲崎綾 とそっくり。そんな感じでも引っ張りだこの人気声優ということは、要するにこの声が今のアニメに求められる必須のやつのひとつなんだろう。
他には、メインキャラの女の子四人組、というのが少し、今の ユーフォニアム の四人組とかぶって見えた。『みどり』ってコがいるし。大工の娘のコはおもしろかった。
劇場版はそのうち機会があれば観るかも。