BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

そして気づいた

電気グルーヴ『人間と動物』、聴いた。
付属のライブ DVD が目当てだったので、音はどうでもいい。
と思いつつ、数度聴いた。どうでもいいと容易く切り捨てるほどではない、どうでもよくない、そこそこ良い感じのアルバムなのだった。二十周年記念作『20』と感触が似ており、電気グルーヴ×スチャダラパー の感じもなんとなくあるような。
アマゾンのレビューで誰もが言うように、昔の爆発力というか破壊力というか攻撃力、とかは無いけど、良いおっさんの音楽だなと思えた。あとシングル曲が結構良かった。シングル買っておいてもよかったのかな、とも思った。



サウンドアンドレコーディングマガジンのアレンジ企画の CD、聴いた。
このゆるい曲をチャートに入るヒット曲風に仕上げろ、というのはまた結構な難題だなあ、と思った。まりんのアレンジは、さすがカルトキングな感じ。可笑しい。



iPod 用のヘッドホンを換えた。
二年ほど使ってきた オーディオテクニカ CKM55 というやつが、断線気味なのか、歩いていると左側にたまにブツブツノイズ。まだ使えるけれど念のため予備として、新しいのを買った。CKM55 は生産終了とのことで、後継機種の CKM500。出力レベルだかなんだかの数値が少し違う。グレードアップなのか。試してみたら高音の質感がちょっと良い気がする。
耳穴へのはめ込み具合によって低音の音圧に違和感が出るのでイヤーピースをひとつ大きいのにした。そしたら違和感はほぼなくなった。今までは S を使っていたらしい。そんなに小さい耳だったのか。あと、コードも太くなって、丈夫そう。気に入った。



iTunes で以下買った。

Salley「赤い靴」
ボーカル女性とギター男性、二人組の新人のデビューシングル。ユーチューブの映像で何度も何度も試聴していたのは何週間か前。発売日に至り、正式音源をいざ試聴してみると、おや、早くも懐メロ感。でも、良いと思わされたことに変わりはないので、負けたので、買った。
フル聴いた。残念、良いのはサビだけだった。A~Bメロのとってつけた感が痛々しい。サビとは別の曲のよう。惜しい。サビだけは何度も聴けるけれど、何度も聴かない曲だな。

Salley「call」
「赤い靴」c/w曲。試聴したらこれも好きな感じだったので買った。全体「赤い靴」と似たようなもん。サビメロも似ている。少し力を抜いた感じ。その分、AメロBメロとの温度差は少なく、切り替わりによる違和感も無い。こっちの方が総合的にはまとまっていると思う、けれど、もしこれを A面曲としてデビューしていたなら、こんなに引っかかることはなかっただろうな。「赤い靴」がつくづく惜しい。


THE ポッシボー「全力バンザーイ! My Glory!」
最新の スマイレージ のアルバム、LovendeЯ のカバーアルバム、J=J の 2nd シングルと、ひと通り試聴してみたものの、どれもピンと来ない、フル聴く気にならない、買う気になどならない。
そんなどうしようもないハロ関係において、何か一コあったな、とメモを探り思い出して、買った。三回も聴けば十分な感じかな。最後のリフレインがしつこい。


Aimer「夜行列車~nothing to lose~」
ユーチューブでライブでの歌唱映像を何曲か、何度か観聴きしたり、この前買った曲を何度も聴いたりしていたらまた気になってきて、今一度既発アルバムを試聴してみた。やはりどれもそこそこ。良いんだけど何か足りない。引っかからない。という中で、この曲は好みだった。何度か聴いてわかった。
買ってちゃんと聴いてみて、驚き。これは参った。頭からケツまで、凄まじく好みの曲だった。すばらしい曲だ! とか、天才的なメロディーだ! というのとは違う。たぶん他に探せばざらにあるような凡庸なポップスだと思う。しかし、歌詞と歌声と曲調のマッチング具合が絶妙。絶妙に好み。
このひとのプロフィールを知った上で聴くとよりグッとくる。「ここで私は声をなくした」とか。さらに、それだけじゃあない。その境遇、育った家庭環境までが窺える、なんらか辛い過去も垣間見えて、そこまで書き、歌ってしまえるのか、と思った。
「ここじゃない / 誰も知らないどこかへ」、「新しい名前で」
一見、素人ではなくなる、歌手 Aimer としてデビューする経緯を歌ったものかと思ったけれど、どうもそれだけじゃあないっぽい。深読みしすぎなのかもしれないけれど、その言外に窺える心境に、共感というより、共振するようなものを感じた。
震えた。ここ数年で最も。やっと本当に聴くべき曲をみつけた。もうこうなったらその数年の間は、何も無かったようなもんだ。YUI の「TOKYO」もこの曲と同じような内容の歌で、あれも結構感動したけど、こっちの方がより強い、決意じみた、過去を乗り越えようとする力を感じる。サビで「これでいい」と歌うところが特に。つまり、まだ乗り越え切っていない。「nothing to lose」と言いながら「許してほしい」とも言う。「これでいい」は、言ってしまえば、妥協。そういう吹っ切れていない、振り切ろうにも振り切り難い、振り切れない、もどかしいような感覚が、独特の掠れた歌声と相まって、やたらと沁みる。そんな風に感じながら、夜中、就寝の頃合いも忘れて繰り返し聴いていたら、ちょっと涙ぐんでしまったりした。

こんな曲が半年も前にあったとは。こんな曲がアルバムの一曲に埋もれているのはもったいない。が、シングルとしてヒットした曲だったら、好きになっただろうか。まだ無名な部類のシンガーの、埋もれた曲だから素直に好きになれた。自分の趣向から考えて、きっとそうに違いない。



そういえば、「RE: I AM EP」のうち買っていない一曲
「今日から思い出」

この映像はいったいなんなんだろう。何を語っているんだろう。
「夜行列車」には "ママ" だけ出てくる。この映像では、"パパ" らしきひとが居て、やがて居なくなる。何か関係があるのか。無いのか。無いか。
『パパとふたり暮らしの女の子。ある日突然パパが居なくなりました』みたいな単純な、ただ泣かせたいだけの話なのか。だとすると酷くつまらないんだけど、そうじゃない解釈をすると酷く恐ろしい感じがして、考えるのも嫌になってくる。
いずれにしても、気持ちの悪い映像。
いずれにしても、Aimer、なかなか。