BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

お金を

OP-1、買ったとうとう。
九万円。思った以上に小さく、思った以上に重い。九万円。その額が恐ろしく、購入手続き最後の決済ボタンを押すのをニ三度躊躇、決意を固めるのに二日ほどかかった。注文後たった二日で届いた。開封のしかたがわからずしばらく困った。よく見ると「Operator-1」と書いてある。それが正式名称なのか。知らなかった。
を経て、早速ひと通りさわった。だいたいわかった。二三日少しずつ触り、マニュアルを読み、なんとなく曲っぽいなにかを作れるようになった。

シンセサイザー
ちっこい画面で音の変化を絵で観ながら音をつくる。おもしろい。Logic や DS-10 なんかのシンセよりもわかりやすい。操作はちょい複雑。

ドラム。
ドラムセットではなく実態はサンプラー。生音っぽいのも入っており、ロック系もできなくもない。別の音も入れられるらしく奥が深そう。難しそう。

シーケンサー
アルペジエーターと呼ぶべきものに近い。ステップシーケンサーは1小節16ステップのみ。しかし開始場所やステップ数をリアルタイムに変えられ、進行方向を逆にしたり、行ったり来たりできて楽しい。アルペジエーターなので、押すキーによって打ち込んだパターン全体の音階が変わる。ドラムパターンでもピッチが鍵盤ひとつで次々変わる。再生させたままシンセやドラムの音色をいじればそれも反映される。ただし記憶できるパターンは1つのみで、いくつも保存して切り替えたりできないのが残念。

テープ機能。
メインで曲全体をかたちづくっていくところ。ここに一般的なシーケンサーらしき、打ち込みのできるシステムは無い。実物のテープレコーダー同様に、録音の赤ボタンと再生の三角ボタンを同時に押して録音をしていく。
シンセを鳴らして1トラック。先頭に巻き戻して別トラックにドラム録音。先頭に巻き戻してまた別トラック、なにか録音。というふうに4トラックの録音を行う。テープには通常のシーケンサーにおける拍グリッドみたいなものは無いしクオンタイズ機能も無い。演奏タイミングのズレなどは録音済みのテープデータを細かく前後にずらしたり、切り貼りしたりして調整するしかない。これは買った直後、触り始めの現在、とても楽しい作業だけれど、ゆくゆくは恐らく面倒くさく感じるに違いない。アンドゥ/リドゥ が無いのも厳しい。一手でも戻せればいいのに。
しかしそれでも、すばらしい。再生後、停止する時にいちいちギュゥンとピッチダウン。リバースや速度アップ/ダウンも楽しい。

ミキサー。
ボリュームとパン調整がメインのわりと大雑把なもの。マスターエフェクトというのは曲の全体処理に使うものだけれど、どちらかというと誰かが動画でやっていたように、生演奏においてブレイクを入れるような使い方の方が効果的であり適切なように思える。

テープに録音できる時間は最大6分間ということも含め、どうやらこのマシンについて多少勘違いをしていたようだ。その6分間に、各トラック音を変え楽器を変え、フレーズやパターンを細かく作りこんでいく、というのじゃあなく、いくつかの短いパターンをテープのあちこちに貼り込んで、再生箇所を切り替えたりしつつ、別の録音機材に生で録っていく、というような使い方の方が向いているらしい。制作、DTM よりも、ライブやパフォーマンスに向いているっぽい。
ただ、スタンドアロンな音楽制作機材としては、自分の持っている機材の中でいちばん手軽でいちばん高機能。高価なのも当然。納得の九万円。




本、『電気グルーヴ石野卓球とその周辺』、読了。
電気、卓球関係の音楽、映像のリリースもののデザインの話。二千円。高いなあと、九万円の悩みを抱えていた頃に買った。読んで納得。フルカラー、凝った装丁、そこそこ濃い内容。デザインやイラストの話メインながら、その作品を生み出すに至った経緯、リリースにまつわることや、その当時の考え、状況解説などがそれなりに具に語られており、なぜか元メンバー砂原良徳のコメントも随所に入っており、とてもおもしろかった。

電気グルーヴ×アイデア―電気グルーヴ、石野卓球とその周辺。 (アイデア特別編集)




ハロプロ離れ加速するなか、なぜか気が向いたのでいくつかのミュージックビデオを視聴した。
℃-ute。つまらない。曲に惹かれるところが一片も無い。
スマイレージ。がっかり。受容しがたい。
Juice=Juice。密着映像は良いけれど、やはり曲がつまらない。
Berryz工房。「ゴールデンチャイナタウン」はギリギリ、ダンス映像があれば聴ける、観ていられる。でも買う気はしない、ぐらいの良さ。両A面のもう一曲、曲名すら覚えていない方は、他のグループ同様つまらない。メロディー、音、楽しみ方が全くわからない。
視聴しなかったあと一組については、もう全く興味がもてない。



Berryz工房 は、ぎりぎり良い。一応まだ好意的に観ていられる。
そんなわけで、観る気になったので観た。
Berryz Kobo Concert Tour 2013 Spring in Bangkok
三月に行われたタイでのライブ、およびそのための来訪模様、現地メディアへの出演、取材現場の模様を収めたもの。
おもしろかった。Berryz工房 は、ぎりぎり良い。いやまだまだ結構良い。楽曲もライブの実演映像で観る分にはつまらないとは思わない。海外ライブながら七人の各ソロ歌唱曲があるのが良かった。特に「Shy boy」がよかった。残念なのはほぼ全曲が1コーラスのみの短縮版だったこと。10曲20曲とやったところでタイのお客さん方もこれじゃあ消化不良なのでは。
それと収録音声の音質もちょっと劣悪に感じた。ステージ上バックのスクリーン裏に収録マイクを置いて録ったような、客席後方でステージに背を向けて聴いているような、妙にこもったような。メインの歌音声がセンターに集中しておらず逆相にあるような、画面で歌っている口の動きは音とちゃんと合っていて、口パクではないことはわかるのに変に違和感がある、そういう感覚が気になった。ヘッドホンで聴いたからなのか。
海外での収録となると国内とは勝手が違うんだろうけど、それを差し引いてもちょっと満足しかねるものだった。三七百八十円。あの九万円がお買い得に思えてくる。ハロプロ離れを加速させている一因に、そういう作品クオリティを二の次にしがちな商売の姿勢もある。