BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

「輪るピングドラム」

バンダイチャンネル見放題、全 24 話。
今月で見放題終了とのことで、気になっていたので観た。
駄目だった。楽しめない作品だった。他ユーザーの感想に、好き嫌い別れる作品的なことが書いてあった。まさにそういうことなんだろうと思った。前半クール途中でしっくりこない感じがあり、しんどい回があり、12 話でつまらないのかもと思い、15 話でもういい、と思った。残りの話数は流して横目で観たのみ。
具体的には、色々と エヴァ っぽい感じがあるように感じた。しかし エヴァ 的な、抽象的な、概念的な作品は、エヴァ だから観られたのであって、エヴァ 以外は辛い。
脚本が合わないタイプ。複雑な伏線を張る都合で煮え切らない言葉のやりとり。それに合わせて演出も意味深なカットが多く、情報量も多く、展開も早かったりもたついたり、観ながら考えるテンポが合わない。デフォルメ化したり少女漫画調になったり、というコメディ演出もやはり笑えないものだった。
良かったのは、エンディングテーマくらい。ARB のカバーと知って、ARB の原曲を調べて聴いたら原曲もまたすごく良かった。「魂こがして」でのテレビ出演の映像など、今更ながら衝撃的だった。

ARB、なぜ今まで聴いていなかったんだろう。自分が音楽をまともに聴き始めた時期は、ちょうど ARB が解散するタイミングだった。当時の雑誌「CD でーた」でその記事を読んだ覚えがある。その後再結成以降はリアルタイムだけども、再結成時の曲をテレビ出演の演奏で聴いてもなんとも思わなかった。でそのまま今に至る。かつて解散記事のその時点でメジャー第一線にいたのは、ユニコーン やら ブルーハーツ やら ジュンスカイウォーカーズ やらで、そういうのをそこそこ好んで聴いたりしていたけど、そこらへんみんな全部 ARB に影響を受けて出てきたやつだったということを今更知った。そういえば今だに古い作品を聴き続けている パーソンズ も当時は ARB の事務所所属だったはずで、考えたら パーソンズ の音楽性も全くもって ARB フォロワー的な感じで、それはほぼ同期の BOOWY 的なものなのかと思っていたけれど、その BOOWYARB の影響からのものということで、つうことはおいおい日本のビートロック、パンク系のバンドのほとんどは ARB がルーツになっているんじゃないか。少なくとも自分が気に入って聴いてきたそれ系のバンドは、ARB を通った形跡らしきものが窺える曲をつくっている気がする。ただ、例えば エレファントカシマシ なんかは二十歳過ぎるまで良さがわからなかったのと同様、十代の中学生時分にいきなり ARB を聴いてはまれたとは思えない。あと今の時代、くそ軟弱貧弱な音楽しか耳にしない時だからこそエネルギッシュで気骨筋肉隆々のド真剣ロックが逆に瑞々しく聴こえる、というのもある。
トリプル H の曲が良いのは、ARB の原曲が良いから。それがまず第一、ではあるけども、トリプル H バージョンもそれはそれで良い。「魂こがして」、「灰色の水曜日」など、聴き比べても別物として良い。それは 橋本由香利 によるアレンジの力なんだろう。
とても良いけど、今更買うほどではない。便利な時代でよかった。ああ、その昔、ユーチューブ的な検索試聴メディアがあれば当然 ARB などもそれなりに聴いていただろうな。聴いてこなかったのはそういうわけだ。



視聴対象の作品数を増やすとはずれも掴みやすくなる。当たり外れの判断は、1 話、かかっても 2、3 話で決定できる、らしいと最近わかってきた。合わない作品を観続けるのはしんどい。時間の無駄でもあるので、1 話切りは今後もどんどんやっていく。見放題だからと無理に最後まで流すのはやめる。