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「BLACK LAGOON」

ニコ生一挙配信、1 期全 12 話、2 期「The Second Barrage」 全 12 話、3 期 OVA「Roberta's Blood Trail」 5 話、の計 29 話、数回の休憩を含めぶっ通し 13 時間超、観た。例によって、合わなければ 1 話で、どこか途中で切ろう、と思いつつ、眠くなったら寝よう、と思いつつ、観続けた。観ていられた。観続けられるほど、ちゃんとおもしろかった。
運び屋、逃がし屋といった黒めの仕事を生業とする ラグーン商会、そいつらが住まう悪の巣窟 ロアナプラ という街の四大マフィアを中心とした、ガンアクション豊富な悪どい世界の話。
ざっくりと、カウボーイビバップ みたいなもんだな、と思った。主人公 ロック は アイン、レヴィ は スパイク、ダッチ はそのまんま ジェット、ベニー は エド、という感じに見えた。最初はそんな使えない犬程度だった ロック が 2 期に入ると徐々に自律を意識しだし、3 期では別物に変わる。ので、3 期が最もこの作品のオリジナリティを感じられる話だと思った。が、3 期は レヴィ と ダッチ があまり活躍せず影も薄く、ラグーン商会 の団体としての動きも小さいので、1 期 〜 2 期と比べると「BLACK LAGOON」らしさは薄いのかもしれない。
ハードボイルド、薄汚く酒タバコ臭くもかっこよさが同居する絵や全体の雰囲気も、ビバップ っぽいと思った。最新アニメの「GANGSTA.」も似たような作風だけど、自分が知らないだけでその他、ビバップ 以前にもそんな作品があるのかも。
面白味の肝は、えげつなく容赦無い殺戮描写を含む激しいアクションと、洋画譲りの洒落た皮肉を効かせた、ともするとクサすぎるくらいの台詞、そのやりとりと見せ方のうまさ、かなと思った。ナレーションや説明的台詞が要所以外ではほとんど入らず、シーンやカットの切り替わりも早いところが多い上、いくつかの勢力が絡み合い、他国語が交じって複雑な場面もあるのに、ほとんど混乱することなく観られたのは、脚本か演出が良かったのか、或いは原作がよっぽどしっかりしているんだろうな、と思った。ぶっ続けの 3 期はさすがに疲れたけど。
また、監督も原作者も相当の映画好きなんだろうなとも思った。特に戦争もの、ガンアクションものが。そういった作品のオマージュ的模倣と思われるシーンが多々あり、また台詞に絡めてきたりして、といった点でも楽しめた。
敢えて ビバップ と比べると、やや遊びが足りない気がするのと、やっぱりちょっとクサすぎるところがあるので、はまるほど好みとは言えない作品だったけど、続編がいつかあれば観る。