BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

伊集院光のてれび、のブルーレイ

今更買った。
ちょっと前に過去の「ばらえてぃー」の DVD を久々に観たくなって観直したら、改めておもしろくて、新しいやつも去年の発売当時は興味無かったけど今ならちょっと欲しいかも観たいかも、となって、もし満足行かないものだったら即売るなりすればいいか、と思い、購入に至った。
テレビでのオンエアは観ていなかった。観られる環境も無いので。ラジオ、深夜の馬鹿力 も聴かなくなって数年。このブルーレイについてはネットのニュースなどで知った。もう 伊集院、楽しめないしなー、と当時は思い、買わずにいた。どの商品がどういう順番で発売されたかも知らなかったので、この度、大雑把に調べて、とりあえず「真剣じゃんけん」企画の二本のみを買った。


真剣じゃんけん
番組レギュラー出演者候補として、書類選考、伊集院との面談を経て選び抜かれた、無名もしくは一般認知度の低い芸人やタレントたち数人が、レギュラー獲得を賭けて、参加者全員でその場での一回限りのじゃんけん勝負を行う。勝った者はレギュラー決定、負けたものはそこでさようなら。グーチョキパー3種混合のあいこが出たらもう一回再戦。3種のいずれか1種のみの全員同じ手のあいこならば全員が勝者としてレギュラー決定。
じゃんけんぽん!の勝負は全員が場に集められて(出会って)から2時間後。それまでに、全員仲良く勝ち抜くために意思統一を図り同じ手を出すよう相談するもよし、誰か裏切る者がいないか腹を探り合うもよし、誰かと結託して他を出し抜く示し合わせを計るもよし。また完全な意思統一を図った上で最後の最後に裏切って一人勝ちを目論むもよし。
という、伊集院考案による疑心暗鬼&人間不信誘発ゲームのひとつ。
全員あいこで仲良く全員レギュラー! というのが本来理想ではあるが、伊集院 は「それはおもしろいの?」という揺さぶりを掛けたりする。そんなことを経て乱れ動く人間同士の関係性と個人個人の性格の観察が、肝。


「真剣じゃんけん 女芸人編」
基本的に大半の芸人を嫌う自分にとっては、芸人よりも芸人以外のタレントの方がおもしろいに違いない、だからあまりおもしろそうにない芸人編から観ておこう、と思った。こちらの方が第1巻らしいのでそれでよかった。
感想。昔あった真剣じゃんけんそのまま、ゲームとしてのおもしろさは変わらず、番組としても十分楽しめた。過去の真剣じゃんけんが男女芸人混合戦でわりとゲーム性そのものがおもしろさの肝になっていたのに対して、今回のは全員女で女同士が故の性根の意地汚さ、薄汚さ、嫌らしさが一部で露わになっているところがあり、笑えない場面もあったりした。結末を含め、内容全体だいたい予想した通りのものだった。これくらい楽しめればオーケー、というそのくらいの。


「真剣じゃんけん カワイコちゃん編」
変わって、女優、アイドル、マルチタレント、およびそこらへんを目指すタマゴのコたちによる同企画。きっとこっちの方が素の、つくらない一般の女の子に近い表情やぶつかり合いが観られておもしろいだろう、と思った。実際そうだった。とは言い切れない。編集や 伊集院 の解説や煽りによっておもしろく見せてはいるものの、女の子たちの絡み合いそのものは予想していたほど過熱した感じはなく、むしろ淡々と腹の探り合いばかりが続く感じだった。
が、結果的に、良かった。いや、とても良かったと言える。物凄かった。と言いたい。が、これ以上は内容に言及し難い。とにかく過去いくつも行われてきた 伊集院 企画の中で、最高にして究極なのではないかと。たぶん地上波ゴールデンタイムのテレビ番組でこれだけのものを作れと言われても、容易く真似できるものじゃない。どんなに金を掛けても、どんなに凄い台本、業界随一のスタッフ、人気実力のあるタレントを起用しても難しそう。他ジャンルの番組やスポーツなどの真剣勝負でもなかなかない、良いものが、ここにあった。

こういうものが、一流の第一線メジャー分野から出て来ず、一介のおっさん芸人のプライベートに近いマイナー番組から出て来るっていうのが、2010 年代ならではなんだろうな。
一年近く遅れたけど、ああ、買ってよかった。
きっと残り三作はこれに比べるとアレだろうけど、買うことに決めた。



伊集院光のてれび 完全版 ~真剣じゃんけん 女芸人編~ [Blu-ray] 伊集院光のてれび 完全版 ~真剣じゃんけん カワイコちゃん編~ [Blu-ray]