BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

秋アニメ終わり

以下、観終えた順に。

「SSSS.GRIDMAN」

今期視聴作品選考の対象にも入れていなかった作品。90年代の特撮実写作品を元に、現代版としてアレンジ、アニメ化・・・っていう部分に全く惹かれず無視したのだった。職場のひとの薦めで観てみたら想定外におもしろかったので、その時点で8話くらいだったものの後追いで全部観て視聴対象に追加した。
突如記憶を失って目覚めた少年が、幼馴染の少女の家が営む雑貨屋にて、古いパソコンの画面を通して出会った謎のヒーロー『グリッドマン』。その少年と少女と友人が、グリッドマンと共に、街に現れた巨大な怪獣と戦い、街を守りつつ、街を取り巻く様々な謎に立ち向かう話。
全体的に、エヴァエヴァ以降のエヴァ的ロボットアニメはほぼエヴァしか知らないので、こういう作品を観ると感想はいつも決まってこんな。しかしこの作品はそんな中でも、特に、だいぶ、エヴァっぽさが濃厚だと思った。音楽担当がエヴァと同じ 鷺巣詩郎 だったからなのか。余計な BGM を入れないシーンが多かったり、絵的にも画的にも似た感じがするところがあったり。声優の演技の空気感なども。
エヴァ感とは別に脚本がおもしろいのも良かった。今の学生っぽい言葉遣いがちょいちょい盛り込まれるところとか、内海のツッコミ(おまえぶん殴りますよ)とか、新世紀中学生 の四人の口調や台詞のとぼけ具合や四人同時にそれぞれ発声とか。特に サムライキャリバー はとても良いキャラだった。
調べたら TRIGGER も監督の 雨宮哲 も ガイナックス 出身とのこと。「キルラキル」も「ダーリンインザフランキス」も話が寒くて最後までまともに観られなかったけど、この作品は最後までおもしろかった。原作との繋がりを常に意識させて、最後は原作の流れに帰結したらしき終わり方で、その「電光超人グリッドマン」をちょっと観たくなった。旧エヴァを彷彿とさせる作画節約的テクや実写挿入までやりながら、エヴァのように無茶な放り投げ方はせず安心した。
グリッドマン はともかく、新世紀中学生 の続編が観たい。


ゾンビランドサガ」

佐賀県を舞台に、時期は不明ながら一度死んだものの、どういう理由かどういった手段によってかは不明ながらゾンビとして甦った(甦らされた?)七人の女性たちが、アイドルグループを組まされて、あらゆる面で衰退したと曰われる佐賀県を救うべく、切磋琢磨し、艱難辛苦乗り越えてアイドル活動していく話。
コメディ、ギャグ要素がとても良い、好きな温度感だった。設定の無茶さの上で王道的ストレートなわかりやすい話を適度に盛り込んでくるところもうまいと思った。アイドルアニメとして楽曲も良し、ライブシーンではよく動いていたし、アイマス〜デレマスに匹敵する出来になっていたと思う。
ゾンビ、サガ、アイドル、三つもメインテーマがある中でどれひとつとして疎かにせず、全部が必要だったと思わせる脚本も良かった。その分キャラの掘り下げが犠牲となったのか、山田たえ と ゆうぎり について過去や素性がほぼ一切謎のまま終わったのは残念。一番のキーマンである 巽幸太郎 の謎も大きい。
その 巽幸太郎 = 宮野真守 のバカ演技が聞きたくて観続けたところもある。
あと 二階堂サキ の役柄は、元モーニング娘。田中れいな とダブって見えてしかたなかった。


「RELEASE THE SPYCE」

架空の都市 ソラサキ にて、町で起こる事件に対処すべく暗躍する女子高校生スパイ集団「ツキカゲ」、その一員としてスカウトされた少女、および ツキカゲ と敵対組織「モウリョウ」の戦いの話。
初回の印象通り、画はきれい、動きもいい、声優悪くない、設定や世界観もそこそこ、売れ線狙いだなー、という調子がずっと続いたが、後半になるにつれて広げる風呂敷の規模に対して脚本が負けている感が強まって、声優やキャラクターの個性も空回り。結果的にガワだけが良くて中身のうすっぺらい、よくある美少女グループアニメでしかなかった。あと敵の扱いが雑すぎて…というかメインの女子キャラ以外の描き方が手抜きに感じられて、「戦う可愛い女の子」を描きたいだけのアニメなんだな、としか思えなかった。


やがて君になる

誰かを好きになるという感覚を知らなかった二人の女子高校生の同性愛話。
ユーフォニアム 譲りの 花田十輝 の脚本で持っていたような作品だったかと。正直ストーリーの筋はかったるかったけど、見せる魅せる演出がなされていてギリギリのところでつまらなくはならなかった。
キャラの頭身の高さや顔の造形、全体的に落ち着いた作風が「xxxHOLiC」を思わせるところがあり、妙な不安を掻き立てるところがあったりした。作品本来の演出とは全く関係ないところだろうが。


「ツルネ -風舞高校弓道部-」

タイトル通り、弓道部の男子高校生たちの部活話。まだ最後まで観てないけど、原作付きだし恐らく最後まで安定だろう。最終回後に感想書くのを忘れる気もするし。
弓道の知識ゼロで観ても全然大丈夫な良心的ストーリー。京アニだけあって動きは折り紙付き。腐女子向けの男子メイン作品ではあるけど、男が観てもホモホモしい匂いをあまり気にすることなく楽しめる話ではあった。おもしろさの根源は原作に由来するところだろうからアニメ単体の脚本としては評価に困るところ。
全体的に、NHK で放送されるにふさわしいと言える優等生的作風でありつつ、昔ながらの王道スポ根な面も持った良作だった。ちょっとだけ「ピンポン」のように思えるようなところもあったかと。


「DOUBLE DECKER! ダグ&キリル」

近未来の架空の都市 リスヴァレッタ を舞台に、寡黙にして辣腕のやさぐれ刑事 ダグ・ビリンガム と、女顔で軽薄風の新人刑事 キリル・ヴルーベリ のコンビを中心とした、二人を擁する特殊捜査班「SEVEN-O」の面々の活躍を描く刑事モノ。
初回放送以降注目され覇権レベルまで上り詰めたダークホース「ゾンビランドサガ」とは違い、最後まで注目度も人気も上がらなかったらしい、真のダークホースと言える作品。自分にとってはこの作品こそが今期ナンバーワンだった。ナレーションや毎回の副題のふざけ方など、他に類を見ないと言うほどのものではないけど、そういった要素のゆるさ、力の抜ける加減がかなり好みに適っていた。空気感としては「スペース☆ダンディ」に近かった。特に好きだったのは6話「密着リスヴァレッタ警察24時!」。このタイトルそのままのパロディをアニメでやるくだらなさがいい。
刑事モノ、ヒーローモノとしても王道を踏まえつつ、そこそこ踏み抜きつつ、またナレーションでズッコケさせつつ、各話にちょこちょこ伏線張ったり張ってなかったりしつつ最終回に強引に繋いでいく脚本も、敢えてのご都合主義のズルさを含めて楽しめた。
大衆受けしなかったのは、やはりアメコミなルックスゆえか。
あと早見沙織はミスキャストだったな。それも狙ったものか。


「ひもてはうす」

最後まで何かを期待していたのだけど、何もなかった。
なんのことない、いつものアドリブパート頼りの ダテコー 作品。
アニメ作品ではなく、アニメーションを使ったぬるい声優バラエティでしかなかった。


「うちのメイドがウザすぎる!」

偶然見かけたロシア幼女に惚れ込んだ元自衛官女性が、幼女の家政婦となり幼女に付きまとっては辛辣なツッコミを食らう日々の日常コメディ。
ロシア幼女 ミーシャ の小学生とは思えない語彙を巧みに盛り込んだツッコミがおもしろかった。回を追うごとに言葉が過激になっていくのも可笑しかった。後半話数で唐突に出てくる みどりん や井澤詩織ボイスの 森川さん も、なんならコイツらの方が相当ウザいだろというほどのキャラの濃さで笑った。
時折しんみりしたところや、シリアスな場面もあるけども、そんな時もお構いなしに小ネタやボケが良い間で入ってきて、その度に ミーシャ がきっちりツッコミを入れるのがよかった。
作画もずっと安定していて、とても平均点の高い、減点の少ない作品だった。


青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」

思春期症候群という不可解な現象の数々に苛まれるボンクラ男子高校生と、そいつの妹や友人や恋人の女子数人が織り成す、涼宮ハルヒ 風の偏屈青春モノ。本当に雰囲気が ハルヒ っぽかった。しかし原作者も京アニも無関係。
思春期症候群として現れる色々な症状が興味深く、その点でとても楽しめた。そこに甘酸っぱい青春やら恋愛の要素を適度に盛り込んでいるところがうまい。
これも平均点の高い、減点の少ない作品だった。ここ!っていう好みポイントも残念ポイントもなく、他に印象深いところもなく、故にハマりはしなかったけど。



以上。