BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

見えている

オクトパストラベラー買った。
先日半額セールの時に Steam で。

8人揃えてその先少しのところまで20時間ほどやったが、つまらない。発売当時から評判が微妙な感じだったことに納得。
戦闘は良い。昔懐かしい単体スクウェア時代のスーファミ RPG の楽しさがある。気がする。しかし戦闘以外はまるで楽しくない。特にストーリー。各キャラの旅立ちにまつわる話、それ自体がメロドラマ的というか使い古されたお涙頂戴ものの安っぽいエピソードばかりで寒いということもあるが、それを生かすべき演出がかったるくて参る。脚本に無駄な台詞が多く感じられる。昔のスタイルにこだわっての全編ドット絵キャラなのだろうが、そこに当てられている声優のボイス演出も邪魔。音声は飛ばすにしても、台詞吹き出し自体をスキップするとゲーム進行上攻略の前途に響きそうなので、飛ばしたくても飛ばせない。これが非常に苛立たしい。だいたい最初のモノローグでキャラの立ち位置や状況が説明されると、旅立つまでにどういう展開になるのか読めてしまうので、頭では先に行っているのにストーリーが三文芝居で足踏みしているのが歯がゆくてしょうがない。

そして、戦闘は良いと言ったが、それも戦闘のみに限った話であって、戦闘のエンカウントが発生する場所に至るまでの展開、敵が沸く場所については結構不自然なところがあり、そういうのもちょくちょく気に障る。えー、なんでこの流れでこんなダンジョン必要? 戦わせたいだけじゃん、ゲームっぽく見せたいだけじゃん、なんでここプレイヤー操作なしでボス直行じゃダメなんだろう、などと。
学者サイラスで始めて、そのキャラだけが不自然でかったるいのかと思ったら他もだいたい同じ感じで、8人揃ってここから流れ変わるのかと思ったら、2章と称してまた同じようなドット絵人形劇→お使いイベント→ダンジョン探索→ボス討伐が繰り返されて、しかもボスが無駄に強くて、嫌になってきた。
メジャーメーカーのゲームで半額と言えど安くはないものだったのでちゃんとクリアしたいが、既にやる気がかなり失せている。アニメやドラマなら間違いなく視聴継続を切っている。

昔テイストのこのゲームが悪いのかどうなのか。ほとんど記憶に残っていないが、案外昔のゲームもこの程度だったのかも。ドラクエは2、3、4、8しかやっていない。まともに自力のみでクリアできたのは4と8のみ。FFは2~6までで、自力クリアは3、5、6のみ。サガシリーズロマサガの2、3のみ、どちらも自力クリア。これらのいずれも、覚えているのは戦闘システムやイベントの特殊なミニゲームのことばかりで、ストーリーやキャラクターについてはほぼ記憶がない。試験勉強で即席で身につけた学力が残っていないのと同じように、攻略のために必要なフラグとして得ただけの話についてはきれいに消えているらしい。
また昔は、ゲームの中でドット絵キャラがストーリーに準じて演劇仕立ての芝居をするということがまだ珍しかったし、自分自身も漫画や小説や映画やドラマやアニメなどの作品の知識量にも乏しかったので、そういった他メディアの前例などを気にすることなく受け入れられたのだろう。
翻って考えると、つまりこのゲーム、実質対象年齢があまり高くないのかもしれない。古いスタイルを流用していながら、用意された話はその古いスタイルを懐かしがるおっさん世代に向けられていない。元々 Switch 向けのソフトなわけだし。Switch のターゲット層の中心が何歳くらいなのかも知らないが。

自分が長いことゲーム趣味から離れたのち、今は外国のインディーゲームにばかりはまりがちなのも、納得がいくことかも。