BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

春アニメ終了1

全話観終えた感想。以下、観終えた順。


球詠

女子高校野球の話。主人公らが運命的に出会い、廃部寸前からのメンバー集めに始まり、練習試合を経て県大会、全国レベルの優勝経験校と対決する二戦目の決着まで。タイトルにもなっている投手の詠深(よみ)と捕手の珠姫(たまき)のバッテリーによる投手戦を中心にしつつ、その他メンバーは攻撃側で特徴を出し、全体的にはマネージャーで監督役も務める芳乃の采配によって試合運びがなされる流れ。と見えることが多かった印象。当然そいつ一人の力で試合が決まるわけでも物語が展開するわけでもなく、敵の動き方によって試合展開は風向きを変えて、即席のチームであるが故にすぐに壁にぶち当たる。が、落ち込みがちなそんな時、詠深がいつもすぐに空気を変える。全話を通して全く凹むことがない強力メンタルな主人公。単純に投球バカなだけなのだが。自分の視聴者目線は芳乃に寄りがちなだけに、行き詰まってどうしようと悩んだところにその詠深の笑顔がいいタイミングで来て空気が変わるのは、毎回25分ほどの中での山と谷をつくることにも繋がっていて、うまい演出であり良いキャラだと思った。
話も絵柄も2020年にもなってまだこんなスポ根やるのかと呆れる層もいるんだろうが、一方でそういう表面的なクセを除けば王道的な作風であり、時節柄もあってか作画は悲痛なほど不安定になりがちではあったけども、なかなか良い作品だった。
甲子園どころか県大会すら終わっていないけど、野球漫画ってのは得てして一試合を描くのに実時間の数十倍数百倍かかるものなので、その中からアニメ化のために切り出したところが良い終わり方をしたのならば、アニメはそれでいいんじゃないかな。


本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません

分割2クール後半。自らを蝕む強大な魔力を抑えるために、魔術具のある神殿に入り、その力に着目した神官らの目論見などもあり、町民よりも位の高い神殿の青色巫女という職についたマイン。神殿に書庫があることもあり、本づくりのための探索クラフト話や商売話は大幅に減り、青色巫女の側仕えたちの反目~和解、神殿に暮らす孤児たちの救済~子供用の聖書制作、そして貴族の騎士団とともに巨大植物退治など、青色巫女としての対人トラブル話がメインに。前半クールでマインと行動を共にした人々も登場の機会がガンガン減り、ルッツすらも神殿に入れず出番少なめ。マインと相対するのは神官長フェルディナンドばかり。事あるごとに隠し部屋。幼女と二人きりで。設定二十歳とありながら声優五十代で何事にも表情を変えず落ち着き払ったこの青年が一体何者なのか気になった。マインと同様に異世界転生者ならわかりやすいと思っていたが、最終話ではそうではなさそうなことが描写されており、ますますわからなくなった。
などあり、この作品、飽きるところがない。とてもおもしろいというわけでもないが、もっと観たい。続きが観たい。とても観たい。


乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

どうやらこの作品は世間的にも今期の当たり作品だったらしい。内田真礼が演じるカタリナのキャラクターが魅力的だとか、タイトルとは裏腹に悪い人が出てこないだとかどこかの記事で読んだが、たしかにそこらへんも良い点だとは思うが、個人的にはカタリナの農業趣味の部分が最も気に入ったところだった。破滅フラグ回避のために破滅フラグの発端となる人たちとの関係をうまいことやっていこう、というのがカタリナの行動の主旨でありそういう話が中心なのだが、「回避できなかった場合」の対策が常に優先的に立案~実行されて何かにつけて庭の畑で農耕スタイルの頬被り姿になるのが面白かった。要はただの毎回のツカミ程度のギャグでしかないので、それが面白いって言うこの自分のセンスはかなり幼稚なのだが、それを証明するように最終的にその農業趣味が反映される場面は全く無く終わったわけだが、でもそれでいい。ストーリーもキャラクターも作画もそれなりにしっかりつくられた作品の中に、そんなしょうもない感じの要素が盛り込まれているということ自体が好き。
あと声優もよかったのかな。後半話数に入る頃に気づいたけどわりと好きな声優ばかりだった。2期決定とのことだが、きれいに終わったのにこれ以上何を続けるんだろう。蛇足にならなければいいが。最後にヘビ出てたし。