BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

STEINS;GATE

2011年放送作品。ひとの薦めあり、観ることになった。科学アドベンチャーシリーズと呼ばれる一連作品群の代表的な一作であり、話題はちょくちょく知りつつも興味惹かれず、時間操作や世界線云々系だという内容も薄々噂程度に知っており、そういうのややこしそうだし本編以外にも続編等々色々あって面倒臭さそうで敬遠していた。ひとが薦めてくれたのは好機とも思う反面、とうとうここも手を付けねばならんかと腰が重い感覚もあった。が、ともかく観た。図らずも結果的に休日丸一日で、全24話+23話別バージョンまで。
時は2010年、秋葉原の未来ガジェット研究所なる発明サークルに集ったりそこらで出会ったりした男女数人の若者たちが、珍妙なタイムマシーンを作り出したことにより、各々の願望のために過去改変したり、確定した悲運の回避のために何度もタイムリープを繰り返したり、がんばる話。
全体的な印象は、げんしけん系おたくサークルラブコメ+バックトゥザフューチャー or ターミネーターあたりな感じ。またはハルヒ直系的要素を含むタイムリープセカイ系。そして、リゼロはさらにこの作品の直系後発類似作品だと理解。というかほとんど筋は同じ。に見えた。制作も同じ WHITE FOX、脚本にはリゼロのシリーズ構成の横谷昌宏が参加していて、タイムリープ演出や乱れる主人公の感情の起伏表現にも似たところが多少あったように見えた。
作風の印象はともかく、おもしろかったかどうかで言うと、なんとも言い難い。とにかくリゼロをつい先日観終えたばかりで大筋がほぼ同じなので、この作品単体での評価がしにくい。せめてこちらを先に観ていれば、もっと食いついたかもしれない。ゲーム原作ということで、タイムリープで軽々しく世界をやり直したり変えてしまったりするトライアンドエラーな展開はまさにゲームらしいと思ったが、リゼロの死に戻りの方がよりゲーム感は高い。どちらが良いという話ではなく。それよりもたぶん肝は会話劇の方で、かなり複雑な話であるにも関わらず、筋や流れを見失うことなくしっかり最後まで理解できたのは、ドラマとしての脚本が恐らくゲームの段階からよくできていたからなのだろう。ミステリー的な切り口においても方方に張られた伏線や匿名人物の正体などはわりと判断つきやすく、雑に流し見していても話の肝になるキーワードや主軸に絡みのなさそうな人物の配置の意味を各人の会話から踏まえてみればわかるものだった。
声優陣は、主役には宮野真守花澤香菜を据えているがそれ以外だいたいは 5pb/MAGES 人脈のマニアックな感じで、ある種唯一リゼロとの差異を大きく感じた点と言えるかも。各キャラのそれぞれタイプの異なるヲタな口調や日常的に口走る厨二な台詞や飛び交うネット用語ちゃんねる系定型句などは、十年前の時代性もあってうすら寒いところもあったが、これらの声優さん方だからこそ生かせたポイントかもしれないと思った。

好きか嫌いかで言うと、どちらでもない。本放送時に観てもはまらなかったと思う。が、良い機会にはなったので、暇ができたら、その気になったら続編やらシリーズ関連作品も観るかも。