BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

秋アニメチェック3

何も調べず観たらショートアニメ、というのがいくつかあったが、フル尺(一話20分前後)でないものは元々観る気のない対象外。なのでそれらは割愛。


呪術廻戦

超人的な運動能力を持つ男子高校生がオカルトな現象に巻き込まれて得た呪術とかいう異能力で、「呪い」と称される化け物と戦う話らしい。他作品と同じく下調べなしだが、何かの記事で放送前から話題になっているらしきことは知っていた。
印象としてはビッグヒットした「鬼滅の刃」の路線を追う、和風 or 東洋風の能力者モノなのかなと。で、これまたやや子供向けな感触は、やはり週刊少年ジャンプ連載作品だと。制作は MAPPA で当てに行こうという気満々、子供や大きいこどもたちから金を毟り取ろうという関係各社の息の臭さがプンプン。
まあでも、そうは言ってもジャンプ × MAPPA 、作画脚本声優よしでちゃんと観ていられる出来。おまけに良作の保証書たる諏訪部順一が出てきた。「ユーリ!!! on ICE」で覇権経験済みの諏訪部 on MAPPA なら大丈夫、観ておきなさいと言われたようなもん。観る。


ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rhyme Anima

ラップが社会の常識となり、誰もがマイクを持って暮らし、事件を起こすも解決するもラップバトルがすべて、という世界でぶつかり合うラップチームたちの話。
何年か前から噂程度には知っていたコンテンツ。なんなんだろう、音楽モノ? ラップ? よくわからないけど良い機会なので観て知っておくのも悪くないかもと思った。
キャラは美男子ばかり、声優もそっち向けな方々多数で、内容語り口もまあ腐女子向けと考えてよかろうというものだった。ラップについては、ライム?韻?いやただのダジャレ繋いだリズム早口じゃん、という感じ。
全体構成は、アニメなりのストーリー部分があって、何か事が起こるたびラップバトル。歌詞表示と共にヒップホップのグラフィティ風に彩られたミュージックビデオのような映像になる。1話は多数いる登場人物の紹介目的もあり度々そんなラップ映像が入る。
要はこれ、ミュージカルみたいなものだろうと思った。故に腐女子向けという点を差し引いてもストーリーはたぶん二の次。見せたい描きたい話があるわけじゃなく、ラップをやらせたいがための添え物の話なのだろう。
どうせやるならもう全編、台詞を発する部分はラップにすりゃいいのに。「シェルブールの雨傘」のラップ版みたいなやつ。それなら見入ったかも。

昨今、いや古くはスマップや嵐以降か、ジャニーズなど男性アイドルでもラップを取り入れる傾向はあり、最近でも富豪刑事の OP を歌っていたやつなんかも同様だろうが、その手の客層にもラップ需要があるんだろう。だからこういう企画が成立しうるんだろう。しかしこんなのに A-1 Pictures はもったいない。
アメリカのひとが観たらどう思うのだろう。ニューヨークやデトロイトで演歌のアニメをやるようなもんだろうから。しかも歌詞は英語で。どんなに真面目に一生懸命つくっていても、その文化の母国人にとっちゃ滑稽にしか映らず、侮辱的に捉えられたりもしかねないと思うが。
自分の許容範囲外のコンテンツだとわかったので、もうどうでもいい。


最響カミズモード!

何も調べずに観たら選別対象外のお子さま向け作品だったパターン。お子さま向けと指定が付いているわけではないが、絵柄、作風にしても、バンダイのカードゲームが原作ということからも、明らかにターゲット視聴者の対象年齢が低そう。
それでもそこらのろくでなしアニメに比べたらしっかり作ってある感じがした。ドラム(太鼓)で力士風の式神的なやつを操るという、かなりの荒唐無稽な設定をちゃんとひとつひとつ筋立てて説明してあって明快で、強引なところも大いにあるが、それはそれでお子さま向けゆえの面白い点だと思った。
ベーシックな部分は勧善懲悪タイムボカンなものだろうから、もういい歳してそんなのは必要ないので、1話切り。子供でもいればいっしょに観るだろう。


100万の命の上に俺は立っている

何者かの思惑によって突如 MMORPG 風のゲーム世界に転移させられた高校生男女三人、全員が死ぬと元の世界でも死ぬ?という状況の中、能力値も装備も貧弱デフォルトの低レベル帯から生き抜いていく話、のようだ。
別冊少年マガジン連載作品とのこと。どちらかといえばラノベ原作でよくあるタイプだが、そういう異世界転生転移ものがアニメでも何でもある程度の実績を上げてきたので、漫画界にも波及してこんなのが出てくるまでにもなったんだろう。自分が知らないだけで他にもあるのかも。
作風、感触は同期の「呪術廻戦」と同レベルの少年誌らしいもの。ゲーム世界の概念、UI をバーチャルに扱う表現は盾の勇者や防振りと似た感じ。鍵を握っていると思われる謎の存在「ゲームマスター」、若本規夫が声を務めるそのクセの強い話し方が可笑しかった。
全体的にかつてかなり気に入った「灰と幻想のグリムガル」と似ているところがあるので、有りかも。



つづく。