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かつて神だった獣たちへ

このクール替わりで新作盛りだくさんの折りも折り、やっとそれらのチェックが終わったのにまだ観るか。そんなにアニメ好きか。たまたま寝つけなかったので観ただけ。


昨年夏に放送された作品。当初ネット配信は FOD 限定だったため、無料で誰でも視聴可能だった1話2話のみ観ただけで止まっていた。このたびdアニメストアで配信開始になったので観た。
調べたところ、フジテレビオンデマンドなのにテレビ放映はフジではやっていなくて TOKYO MX とか極小規模だったらしい。FOD が独占したせいで埋もれたアニメと言える。

中世あたり、剣や大砲が主力の世界、架空の国パトリアにて大陸内で南北に別れた国家内での戦争が勃発。劣勢となった北軍は、兵士に特殊な手術を施し様々な伝説の神獣に変身できる能力を得た「擬神兵」を作り出し、これを戦場に投入したのを機に南軍を圧倒、戦争を制した。
それからしばらく、元擬神兵だった者たちが理性を失い獣として暴れる事案が多発。元擬神兵部隊の隊長であったハンクは、彼らを自らの手で葬るために各地を回るが、擬神兵だった父をハンクに殺された少女シャールは仇討ちをきっかけに彼に着いていく、といった話。

漫画原作とのこと。
わりとよくある能力者バトルものみたいな感じかと思ったらそうではなく、テガミバチのごとく亡くした者への弔いを込めた美談風だったり、進撃の巨人のように目的のために正義を見失った仲間を葬っていく覚悟やら業やら苦渋と悲痛の繰り返しだったり、また正義とは自由とは人としての有り様とは、みたいなところまで問い掛けるような、結構骨のある内容だった。なんとなく、この作者はファーストガンダムが好きか富野イズム入っているような気がした。それはおまえ。

アニメ制作:MAPPA 、だった。去年1話を観た時には気づいていなかった。なるほど堅実でそつのない手触りはらしいと言える。
しかしその放送ネット局の少なさ故か、あまり制作費が潤沢でなかったのか、作画面は残念な回が多かった。美麗な作画を求めるわけではないけれど、やはり話の理解への集中力を削がれるような残念作画は気になる困る。今作はそのボーダーラインを下回ることが少なからずあった。何度か「おい作画、おい」とツッコミを入れたくなった。

声優がよかった。
前半は各話オムニバスの構成っぽくもあり、一話ごとに葬られる元擬神兵がおり、その担当声優が各回ゲストみたいな感じになっていて、1話ほか時々回想でそのひとらが共演しているシーンもあったりしておもしろかった。
特に津田健次郎は寡黙な男の役柄で台詞はいまわの際の一言のみ。そのたった一言で、あーツダケンだと分かってしまうのも可笑しかった。他回での共演もなし、本当にその一言のみというキャスティングもすごい。
あと重要キャラのエレインとナレーション担当の能登麻美子。それはいいとして、のちにセイレーン役で出てくる早見沙織。この二人の声が大半聞き分けられない者としては、同じ作品に出てこないでほしい。うそ。出てくるのも全然有りだけど、とにかく耳が困る。

ほかには ED の横パンで見せる一枚絵がかっこよかった。神獣たちがだいたい各話登場順で描かれているのが、一話ごとにわかってくるのが良い。
OP も適当にキャラを並べているのかと思ったら全員主要キャラだった、って後々わかるのも昔の「聖闘士星矢」の初代 OP とかを彷彿させて好き。


原作がまだ連載中らしく、アニメの方は無難におれたた的エンド。結末は知りたいがアニメ続編は可能性うすそう。もしやるとなっても、その頃には忘れていそう。