BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?

2019 年放送、全12話。
ファンタジー RPG 世界への異世界転移モノ。ただし母親同伴。冒険のすべてに母親が付きまとい、タイトル通りにそいつの攻撃アクションが強力なためにおいしいところをすべて持っていかれて、やり甲斐なく嘆き呆れつつもなんだかんだ憎めず同伴を許してしまう息子少年たちの冒険話。

本放送時に1話か2話だけ観て、続きを観るのを忘れて以後、後追いもしていなかった作品。異世界転生・転移系ということで改めて観ておいてもいいかと思って観た。
が、結論から言って、忘れていても問題なかった。観る必要のない、最後まで何もない作品だった。異世界転移モノで、母親同伴という点が特徴的なだけ。あとはその特徴を誇張したコメディが続くばかりのよくあるもの。
強いて言えばシラセさんネタを繰り返す天丼は悪くなかった。

母親やら家族やらにちゃんと愛情を持てる、感じられる人間であればもっとそれなりに楽しめるんだろうな。自分はそこらへんが著しく欠如しているのでこの「母親の母親ぶりに呆れつつも憎めない」という感覚がわからず、母こと大好真々子というキャラクターに全く好感が持てなかった。
或いは熟女好きだの他人の母とか若妻に惹かれるような性癖でもあれば、また違った意味で愉しめたのだろうが、そういう感覚もなく、むしろどんなに若い女でも子持ちとか人のものというだけで萌え的な情欲が萎えてしまうので、なんかもう、とにかく全然だめだった。声優が茅野愛衣だったからギリギリなんとか許容して観ていられたところはある。

母親って大概は、後半に出てきたモブの母親軍団みたいなのがイメージ通りであって、もっと極端なところでは同じマー君繋がりで連想するダウンタウンの「おかんとマー君」の おかん であって、コメディとして楽しむならそれくらい極端に性対象としての『女』を感じさせないものであってほしくて、この大好真々子のように、若くてきれいで出るとこ出ていてというのはそのありえなさも含めて気持ち悪いと思うばかり。
もちろんラノベ市場や深夜アニメ的なリアリティで言えばこのキャラデザでなければ成立しない、売れないのだろうけど、なんかなー、そもそもの話、こんな作品を書くなよ作るなよと言いたい。いやうるせえよ文句言うなら観るなよ観る方が悪いという話だろうけども。
だからこそ観ないのが正解だった。という結論に至ったのだった。

ED の替え歌も寒かった。聴くに堪えず2話以降は毎回スキップした。
あと、自分の名前が「マー君」と呼ばれるようなやつじゃなくてほんとよかった。ちょっと前に観た某作品でヒロインから呼ばれるのでさえ結構きつかったのに、こんな母親モノで常々自分の名前を呼ばれるのは苦痛でしかなかろう。
それで今思ったけども、この母親の名前が現実的にありえない「ママコ」となっているのは、例えば「かずえ」とか「ひろこ」みたいに母親に有り得そうな名前だったとしたら息子目線で今作を観る視聴者の感覚を考えた場合、このきれいな母が現実の自分の母と同じ名前だときっつい = 人気・視聴率もきっつい、ということになるからだろうな。


やはり1話切りなり、一旦途中で切る判断をした作品というのは、きっかけが何であれ無理して観るものじゃない。
またひとつ勉強になりましたありがとうおかあさん。