BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

いわかける! -Sport Climbing Girls-

全 12 話。
壁登り女子高生たちのスポ根もの。インドアゲーマー女子だった主人公・笠原好は高校入学と共にスポーツクライミングの楽しさを知り、学校のスポーツクライミングに入部。同期や先輩らにいろはを教わり、ゲームで鍛えられた思考力を活かして瞬く間に上達。初めて出場した大会で並み居る強豪選手にも肩を並べる活躍を見せ、その壁読み能力の高さは「マーダーオブザベーション」の異名が付けられるほどに。
しかしキャリアの浅さ故に欠点もあり、その克服のための練習、周囲の挫折と再生、などもあり・・・といった話。

まーほんと、スポ根もの。
スポーツクライミングに関する技術や関連アイテムのレクチャーなんかは最低限に抑え、そういうのを題材にしてのキャッキャウフフなんてのもなく、見た目こそ扇情的な絵が多かったりするけども、根本はわりと硬派な作風だと思った。
スポ根、スポーツ&根性ではあるものの、精神論で非現実的に乗り越えるようなところはなく、ここでこの流れでこれは無理だろうというところでは誰であってもだいたい負ける。そうでない場合は事前に、勝てる話になるように特殊ルールを用いる。フィクションのずるい面であり、アニメの悲しい面だと言える。放映期間、放送時間が限られているのだ。期限内に終わらせなければならないのだ。
最終的に負け終わりを選ぶ方法もある。そこは作品のテーマによるだろう。この作品は最終的に大団円を選んだ。スポ根だしね、深々と個人の内面を掘り下げたりとか全体で哲学的なテーマがあったりとかしないしね。壁のアニメで壁に阻まれて終わりましたでは救いがないしね。

そうそう、それ、壁。
壁登り、壁を越える話なのに、登場人物が挫折した時、苦難にぶち当たった時、困った時、その後乗り越えた時、再起した時、それぞれに語るわけだ、この困難がどうだったとか、これからどうするとか。
そこでよ、壁の話なのによ、壁で例えないんだよこの作品。なんでだよ。ふつう言うじゃん「私たち、やっと登れたね(カメラ目線ドヤァ)」とか。ここ上手いこと言うとこじゃん、ってとこで「よし、がんばろう」程度のことしか言わないのはなぜなんだよ。いやもちろん寒いさそりゃ。だが寒くても言うべきだ、壁の作品なんだから。

その他。
登場人物、キャラクターが濃かった。主人公チームは薄味だったけども、全国の強豪たちが、皆うら若い女子高生であるはずなのに気持ちの悪いやつばかり。中には人間離れが著しい妖怪まがいもいたり、最大のライバルに至っては本人が発する通りにくるくるぱー。冷笑冷笑。
スポーツクライミングをやる女子はこういう変人ばかりなんだな、と誤解しそうなほどだった。或いは実際そうなんだろうか。ナントカと煙は高い所を好むと言うが。

テーマがテーマだけに万人受けする作品ではないし突出してここが良いというところもなかったけど、駄目な作品ではなかった。記憶には残りにくいかも。