BINTA

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オルタンシア・サーガ

全 11 話。
一国に起こった国王殺害の叛乱劇。実は王は禁断の秘術で亡き妻=王女を復活させようとしており、叛乱はその秘術の力を発現させるついでに悪用して王家を破滅させることを目論んだ者の仕組んだ罠だった。
叛乱後、次いで命を追われた姫は側近の知る領地の領主宅に身を隠す。同じく叛乱の際に父を殺された若領主青年は、正体を偽って少年として振る舞う姫の実情も知らぬまま彼女を守りながら暮らす。
彼らは近隣を捜索して叛乱が起こった原因やその首謀者を探っていくうち、事件には正教会が関係していることを知る。色々あって正体を明かした姫は、姫を慕い集まった味方兵士たちを得て教会騎士たちと対戦、そしてついに真相にたどり着く。王がした過ちと向き合い、死んだはずの身内たちと剣を交わし、討つべき本当の敵との最後の戦いに挑む。

西洋風ファンタジーだがチャンバラ時代劇みたいなもん、と結論。「隠し砦の三悪人」かと思ったら深作欣二の「里見八犬伝」だった。犬要素が無いだけで全体的にまんまな感じと言ってもよさそう。モンスターやら魔人やらの悪霊的パワーは要するにタマズサの呪い。
特に終盤、集った強豪剣士たちが敵方の剣士や大量雑魚の処理のために一人また一人とパーティーを外れて主役カップルを先に行かす流れ、死んだ身内が敵の手先となって現れるくだり、ラスボスが蛇ベースのモンスターっぽいところも、もろに同じ。ああ、ヒロインが序盤は男を装っていた点も同じだ。全部たまたまかもしれないが、なんか考えれば考えるほど相似点が出てくる。

「サーガ」だけあって安易には終わらず、歴史は繰り返すかのごとく不穏な終わり方だった。そういえば池田秀一騎士もサイコパス双子も最後の獣人もみんな死んでいなかったような。殉死シーンを静かにかっこよく決めた津田健次郎のおっさんも最後は生きていたし。あれも姫の例の力か。
作画も声優も演出も良かったが、べつに続きが観たい話ではないな。