BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語

全 12 話。
村民全員が物理&魔法共に超人的能力を持つ村で自分を最弱の未熟者と思い込んで暮らしていた少年が、国の兵士になるために上京。居候先の魔法使い女、少年を見守る見た目幼女の祖母村長、少年の力に惚れ込んだその他女子たちに囲まれながら、自分の脅威的な力に自覚なしで都度立ちはだかってくる強敵を振り払う、日々を描いたコメディ。

久々に出てきたハイテンションたたみ掛け系のギャグアニメだった。街で暮らし始める序盤はレギュラーキャラが出揃っていなかったり、各キャラが本領を見せていなかったりで、そのギャグ度合いがどれほどのものかわからなかった。茅野愛衣の過激なキレキャラでその兆しは見えていたが、全体的に本領発揮 100 パーセントに至ったのは中盤になってからだった。

脚本のノリと、テンポと熱量によって時に落書き並みに崩される作画の変幻ぶりは 80 年代か 90 年代アニメのにおいを感じさせるものがあった。それを生かす芝居もキャラ同士の掛け合いがとても良く、よく笑えた。

主演の花守ゆみり茅野愛衣は同期作品「裏世界ピクニック」の主役二人でもあったが、その点で比べるならこちらの完全勝利。こちらの方が作品の世界観、役柄共に掴みやすいものであったので、面白さの差は演技云々ではなく作品性の違いに他ならないのだが。