BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

Sonny Boy サニーボーイ

全 12 話。
ある高校が一校まるごと謎の空間へ漂流。それと前後してなぜか生徒の中には各々様々な超能力を得た者が何人もおり、その能力を頼ったり頼らなかったり頼りにならなかったり晒すことなく秘めていたりしつつ、元の世界に戻る手段を探るが、事あるごとに彼らは別の世界へとまた別の世界へと漂流し続ける。
何ヶ月もの漂流生活を続けるうち、その原因およびきっかけとなった人物が判明するが・・・といった話。

まとめるにもまとめきれない話。
世界観は壮大といっていい、のかな。わけわからんようでもあり、誰でも人として知恵をつけ始めて様々な悩みを抱える十代には、この片鱗くらいのことを一度は考えるものだろう。その片鱗を極限まで突き詰めていった想像や妄想、それを具現化してみたかたちのひとつがこういうものだろう。
似たような作品は過去にもいっぱいあった。この監督、夏目真悟が「スペース★ダンディ」のひとなので、自分の感触としてはダンディ風に感じられた。あとは、異世界とか世界線とか、昨今無駄と言っていいほどやたらに使われるそういう要素を持った作品。しかしそういうのに対して、ファンタジーだのタイムリープだのそんな生易しい使い方してんじゃねえやるならこれくらいやれもっと行けるとこまで行けとでも言いたげな、なかなかぶっ飛んだものを作りなさった、と思った。ダンディで既にかなりのところに行っていたので大して衝撃はなかったが。

それでこれ、なんだったんだろう。と考えると、まあタイトルと、最終回の締め方ですべて言い切っていたんじゃないかな。あと主題歌と。要するに少年の話。ほかに言いようがない。それについてくどくど説明は不要だろう。

おもしろかったのかと問われると、物凄くとは言い難いけどかなり引き込まれたのは確か。特に終盤の突っ走り方には、ついていけなくなりかけたけどもそれもそれでよかった。なにしろ最終話がとてもよかったなあ。
しかしそれについても、どこがどうと書けないこともないけど、書き出して文字にしてみたらつまらなかったので消しておく。

ED 主題歌「少年少女」。
これもよかったなあ。良いと思ったのは 10 話くらいで、口ずさむほどハマったのはユーチューブやプライムミュージックで聴けることに気づいて何度か聴いたつい先日のことだけど。
よかったけど最終話最後のアコースティックバージョンみたいなのはいまいちだった。壮大な漂流ののちに変わらない日常に戻ってしまったのなら、変わらないいつもの主題歌を聴かせてほしかった。それともいつも流れていた方が漂流世界の主題歌で、元の日常は最終話バージョンが正しいってことなのか。
漂流世界は憧れ。本来の日常はいまいち。そんなもんかもな。

あと作画とか輪郭線の有無とか声優についてとか、異質で目を惹く点は多々あったが、まー「多々あった」ということで語るには十分かな。