私はロボット。店をやっている。
レベルは 17 の話となる。
17 になっての初夜
なにか現れた。
特殊クエスト端末とかなんとか。依頼を受注できるとかぬんとか。
はーそうですかー、と。
17 からの新規客
アルパカ?らしき種族の方がご来店。
私には過去に来店したお客様方のことを記憶し図鑑のように保存するような機能がないらしい。或いは動物たちの種や生体を解析できるデータベースがないからだろうか。私自身の記憶媒体に無いのはもちろん、遠隔地のデータベースとリンクしたりもできてないようだ。
私に組み込まれたプログラムを隅々まで確認していたら、隅っこの暗いところに「早期アクセス」という文字が浮かび上がった。なんのことだろう。
とりあえず、図鑑機能が欲しい。と、誰に願うわけでもなく思った。
大人気有名店
せやろか。
修正
前回達成不可能だエラーだと言っていたあれ。
「クリプト図書の読書」クエストが急に達成された。
図書館ロボに修正プログラムが施されたらしい。おつかれさまです。
店舗拡張
お金が貯まったので店の敷地をまた広げた。
これが最大でこれ以上の拡張は不可らしい。
私は雇われ店長であり、この店もレンタルスペース。賃料として毎日所持金の何パーセントだかを差し引かれるのだが、「所持金の」というのが曲者で、金を増やせば増やすほど毎日の賃料も増額される。所謂累進課税だ。
店の備品に「貯金箱」や「金庫」らしきものはあるが、それを置いたとて所持金の動きには関係がない。所持金は所持金。持って走り回ろうがどこに貯め置こうが課税対象。
このため、所持金が 10 万を超えてくると一日の営業利益の何割か~なんなら半分とかそれ以上を搾取されるという状況になってくる。
店最大拡張の代金 15 万が貯まる直前の 14 万台がかなりきつかった。また、15 万払いつつもその前後での課税額も考慮せねばならず、ちょっと怖いとすら思った。
私を雇い、搾取する者は、なんなんだろう。
工事ロボット
店を拡張したり畑を作ってくれたりした彼女だが、店も畑も最大限まで拡張した今や、何の注文も受け付けてはくれなくなった。どころか、話かけると「帰れ」としか言わなくなった。
なぜかまた、「早期アクセス」という言葉が脳内に走った。
釣り
パン系新メニュー、ツナサンドを始めた。
いや、始めたいと思ったところ「ツナ」を作るのに「マグロ」が必要らしく、行商ロボが売ってはいるがなんか臭い少々値が張るので、自分で釣ることにした。
ということで釣りをするようになった。
貧弱な釣り竿一本でマグロなど釣れるものかどうか不安だったが、杞憂だった。バンバン釣れる。
マグロ、だいたい顔ぐらいの大きさで丸っこい魚である。
釣り上げると「マグロ」と表示されるのだから、それがマグロで間違いない。
雨降りお宿
そうまでして泊まりたいものですか。
例の名シーン
その日深夜、寝ようと思って帰ってきたら、やっていた。
二人はぴったり抱き合った。山椒大夫のそれですよね。
鶏の方はしらん。
なんとかのなんとか
イタチかビーバーか、なんかわからんそれ系の一族のオンリーデイ。
バタバタしていて閉店間際までそうなっていることに気づいていなかった。
お昼くらいまではいつも通りだった気がするが。
謎の小包
ある日、川原に置いてあった。
よくわからない手紙が添えてあった。なんだったんだろう。
自称
どこか小物臭のする口ぶりでいらっしゃる。
が、従順に待機列に並び、整然と入店なさり、滞在は短時間、お金はしっかり落としてくださる、上客様である。
そんなこんなで
ドーンと。
わりと希少な領域に昇ってきてしまったようだ。陥った、か。
時折営業中に眠りこけ、客のオーダーを待たせ続けながらも
つづく。