BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

カードサバイバル 七人目 (2)

続、桜花舞上三夫のサバイバル生活。

順調に五十日を超えて、からの。



52日目。

貯水池ができた。
作り方を考え(研究)ながら、恐らく泥のレンガとかが必要だろうと予想して素材集めに奔走。作り方の思考が極まった後すぐに作り上げた。
しかし雨が降らなければ無用の長物。



54日目。

さらに泥を集めて粘土をこねて、クーラーボックス的な土器を作る。



55日目。

一晩窯焼きしてクーラー土器完成。

外層に水を入れることで冷却し、内層に入れた食糧の腐敗を遅らせることができるらしい。

のちのち分かったことだが、冷却に使う水は真水でなくとも海水でもいいらしい。つまり飲み水の残と冷蔵効果は切り離して管理が可能。良心的。



56日目。

しかし保存を要するほどの食糧が無かった。
編みカゴなど保管アイテムが充実しており食糧を野ざらしにしないせいか、カモメがやってこない。そうなると食用の植物や果実を採集するか釣りするかしかないが、植物は有限だし釣りは空振りも多く、なかなか在庫を増やせない。

そんなわけで遠出して別の手段を探った。
幸いコブラに遭遇して仕留めることができたが、これだけでは全然不足。


ところで海水から塩が取れるんじゃないかと、新たに考える(研究)。



57日目。

塩床を作った。
どう使うのかよくわからない。
とりあえず塩水を注ぎ込んではみたものの。



59日目。

ジャングル深部まで探索。
蜂の巣を見つけたが、どう考えても危険であり、即スルー。



60日目。

ジャングルから持ち帰ったジャスミンを湯に入れてジャスミン茶。
魚介ばかりの口に一時の安らぎ。



61日目。

海の岩場にあった洞窟に少しだけ踏み込んでみると、奇怪なものを見つけた。
気のせい気のせい。スルースルー。


この三日、雨が降らない。
貯水池ができた直後に降ってひとしきり貯水できて以来。
気温も高く、どうやら乾季とかそういう時期に入ったようだ。

兄はこの季節の変化に戸惑い、血迷い、心の隙を突かれて傷を負い、倒れた。
ここでテンパってはいけない。貯水池、小瓶、ゴミボトル、水の備蓄はそれなりにある。落ち着け落ち着け。


兄のことを思い出したからか、なんとなく・・・。



63日目。

野草をむしって薬草学スキルを上げて畑がやっとできた。
が、乾季。水を撒こうにも明日の飲み水すら危うい状況。何も育てようがない。


安定した食糧のために日々釣りを繰り返した。



64日目。

乾季のおかげで塩水の蒸発がはかどり、塩床から塩が取れるようになった。が、用途の必要量には全然足りず、数度、しばらく繰り返さねばならない。



67日目。

乾季が続く中、兄ジョーが果てた65日を過ぎ、生き延びた。
だが喜ぶべき状況とは言えない。


曇ることはあれど雨降らず。
雨を待ちながら、海へダイビング。カキが捕れた。
カキも乾季もいらん。雨季が恋しい。




つづく。

カードサバイバル 七人目

桜花舞上三夫(さくらのはなまいあがる・みつお)

謎の無人島からの五人目、六人目の死者として報道され世間を騒がせた角倉志兄弟、その二人の弟である三男。三十代、企業取締役。
大学を出て象県鹿島市の某一流企業に運良く就職。数年後、会社の経営陣である一家・桜花舞上家の娘に見初められ婿養子に入り改姓。妻の力で出世コース、役員の座を得たが自身に大した手腕はなく、その座に甘えて職権乱用。会社の金を適当に使い込み、妻を呆れさせ、社長である義父にはすべての権限と地位を剥奪され、遠方に左遷される。
「警察沙汰にしなかっただけでも有り難く思え」という義父の言葉を右から左へ聞き流し、その時社長室に流れた無人島調査の報道に兄弟の名を見つけるや、「あ、これチャンスじゃね?」と直感し、足早に左遷先に旅立つフリをして兄弟が消えた無人島へと向かったのだった。
兄・二夫(ジョー/出生名:ふたお)の死から一年後のことだった。



1日目~7日目。

省略。
二夫の遺品として受け取った無人島生活の日記に書き残されたノウハウに素直に従い、特記すべき出来事もなくそれなりに暮らした。



8日目~14日目。

葉っぱは放置しておくと強風に吹き飛ぶ&乾燥して枯れ葉になると使い道が限られてしまう。といった注意書きに習って、周辺探索で見つけたヤシの葉は極力住処に持ち帰り、枯れる前に編み込んで織物にした。
そうすると必然的に必要な材料が貯まっていたので葉の小屋を難なく作ることができた。



20日目。

食糧と水は常に危なげながらも必死にやりくりする間に二十日が過ぎた。
あと長い棒がなかなか見つからず、クラフトのために数を揃えようと思うといちいち木を切らねばならず、やたらと体力と手間がかかってしまい困っている。



30日目。

何度かウミヘビに噛まれて毒に悩まされつつ、ひと月生き延びた。
ソリや火打石の斧など、それなりに便利なものも作れている。



35日目。

ヤギを狩った。
兄ジョーは将来的な家畜化を見据えて殺さず逃がしていたそうだが、明日すら不安なこの世界で将来を見据えるなど馬鹿げている。首が飛ぶっつうのに髭の心配をするのかってやつだ。いや、ちがう。

とにかく背に腹は代えられん。
なんでもいいから一旦狩っておこうと思った。
葉や枝や棒を集めに出てきたが、ヤギの亡骸は一体ソリに乗せたら他はろくに乗せられないほど重くて、持ち帰るにも一苦労。



37日目。

持ち帰って一旦放置していたヤギを捌いた。
ヤギ肉すごい、量がすごい。これまでの鳥や猿の三倍が取れる。脂肪も取れる。ジョーが入手できず困っていたという脂肪が、今この手に。兄を確かに超えた瞬間。


そして脂肪を使って水筒ができた。




41日目。

40日経過。
この一週間ほど前から嵐が頻繁に到来するようになった。
これが記録にあった風水害の季節か。



44日目。

雨降り止まず、嵐もまだ来る。
凍えて寝付けなくなるのを防ぐために小屋の中にもキャンプファイヤーを置いた。さらに、荒天しのぎの室内作業のために、脂肪からろうそくを作った。が、数は無いのでもったいなくて使えない。洞窟探索の時のために取っておきたい。



46日目。

窯ができた。
兄はそこ止まりだったようだが、俺は違う。



48日目。

続けざま土器をこねて、火力上げのふいごも作れたので、窯を稼働させた。

三つともちゃんと焼けて、取り出す時に火傷などすることもなく、ちゃんと使えるものになった。これで水の保存に少しだけ余裕ができるかも。
窯はしかしキャンプファイヤーと違って、炊いた火を一旦消すってことができず、燃料が尽きるまで放置するしかないようだ。焼き上がり時間を逆算して燃料を入れるべきなのか。そんな高度なことができるわけ。



50日目。

粘土器が作れたことで貯水槽も作れそうな気がしてきた(研究)。
これは兄の記録には無かった新たな展開だ。

50日。
少しずつ兄の経験を超えた未知の領域に進めそうな気がしてきた。



つづく。





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うつつ雑感 244月

ゲーム近況。あれ以外。

おうちつくったり


おさかなつりしたり


しかさんおいかけたり


にもつごそごそしたり


ベルトぺたぺたしたり


パズルしてまわったり

色々手を付けてはみるもののあまり長時間はやっていない。

デモ版をやりつくしたオートホージは買わず。
やりゃあ楽しいが結局ファクトリオーな工場ライン設営のみのゲームでは、やりたい衝動やり続けるモチベーションとしてもう一つ足りない。




終末トレインどこへいく?1話2話観た。
水島努監督のオリジナルテレビアニメーション。音響監督も兼任しておられる。
1話はよくわからず、舞台が田舎っぽい所であることから、Another やマヨイガと同様の問題作になるような気がした。1話でピンと来ない作品は先々観てもきっとそんな。なんて予感。
2話を観たらそれなりに面白いところもあった。が、この監督ならではの台詞を詰めに詰めた会話劇、芝居として面白いのであって話は全然わからない。ガルパンの脇役チームのスピンオフでも観ているような感覚。それにしても飛田展男好きだなーこの監督。自分もだが。




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画像で一目惚れ。
このような商品の存在を知り、速攻買ってしまいそうになるほど欲しく思ったが、次の瞬間まったく使いようがないとも思い、すごく欲しいけどすごく要らねえからちょっと欲しい。

カードサバイバル 六人目 (3)

続続、角倉志二夫のサバイバル生活。

嵐に見舞われ続けた日々のあと。



61日目。

暑い。
危うい暑さのために靴と手袋を脱いだ。葉っぱの帽子が壊れてしまったが、資材をケチって代わりを作っていない。
暑いぞジョー。



62日目。

あんなに続いていた嵐が去ったかと思えばきつい日照り。もしや水不足に悩まされるのではと予感し、新たな水源を求めて遠出。西の草原の先に進んで怪しい穴を見つけた。
怪しいものは祟りある神、触れぬが仏。
大した収穫もなく、汗ばかりを流して帰った。


日照りならかえって干物を作るに持って来いだと乾燥ラックを設けて適当に干した。が、そう簡単にどうにかなるものではないのね。



64日目。

予感的中。
雨季が去ったのか四日連続の日照り。容器に貯めていた水が涸れた。あとはビーチで拾ったゴミボトルに貯めたのとココナッツの汁、そして万一の保険の瓢箪の分のみ。

ジャングルは探索し尽くしたが新しい水源は見つからなかった。湿原の水たまりもすくい切った。雨が恋しい。この際また嵐でも構わない。



65日目。

雨は来ず。いよいよやばい。
藁にもすがる思いで未開の土地へ足を伸ばす。

保湿に足るものはろくに見つからない。
コブラに遭遇しうまく仕留めたが、連続でもう一匹出てきて嫌な予感がして逃げた。


やっちまった。
コブラから逃げ、場所を変えた先の探索で大トカゲに遭遇。暑さと渇きに冷静さを忘れたか血迷ったか、無難を忘れて考えなしに槍で先制一突き。ヒットアンドアウェイ、と退きかけたところを猛烈にやられた。兄と同じ轍を踏むとは、なんて馬鹿な。

すぐに帰宅し備蓄のわずかな水で消毒、包帯で手当てをしたが、傷は深い。


夜になって体調を崩し発熱。包帯づくりと傷の手当てに精一杯で解熱の薬草の採集を忘れていた。夜が深まると共に熱は上がり、寝ようにも寝られない。


動悸が激しい。

薬草が要る。

採集に行かねば。

松明に火を。

小屋を出て囲いに入った。




やれやれだジョー。
いや、がんばったジョー。兄の5倍生き延びた。
あのあと日照りが何日続いただろう。傷が無かったとして、あと何日生きられただろう。どんな選択も間違いではなかったさ。毎日が未知の日々はいつ終わったっておかしくなかったさ、ジョー。


二夫「ジョーって言うな。」


カードサバイバル 六人目 (2)

続、角倉志二夫(かどぐらし・ジョー)のサバイバル生活。



36日目。

食糧豊富、体調万全、油断大敵、先行不安。
無難に無難に。石橋は叩き壊して渡るべからず。



38日目。

憎きウミヘビを久々に討ち取った。
いいぞジョー。運だぞジョー。調子に乗んなジョー。


そらみたことかジョー。



39日目。

天一過。少し足を延ばして西の草原を散策。
用途不明なものを幾つか発見する中、料理に使える唐辛子も発見。だが、唐辛子以外の食材具材が大して無いのでとりあえず放置。



40日目。

また嵐かよジョー。


午前中は小屋に籠もって繊維ひも作り。
を経て、午後は天気が落ち着いたのでビーチの先の岩場を探索。エビを発見。小ぶりで腹を満たせるものではないらしい。

手にしたエビを観察しながら歩いていたら(歩きスマエビ)、ウニを踏んだ。ココナッツのサンダルのおかげで怪我はしなかった。そして拾った。

帰って焼いて食った。
うまいが大して腹が膨れるものではなかった。飽食社会の中でこそ重宝がられるものだろう。空腹という最強スパイスの常時バフ(またはデバフ)が効き続けるこの世界で、美味は無意味。と悟る。



41日目。

悪天が多く出掛けづらいので糸紡ぎ系作業が捗る。
紡錘器というのを作った。手のみでは繊維2→ コード1を紡ぐのに対し、これを使えば繊維3→ コード2ができて、わずかに生産性が良い。


小雨の中散策に出掛けたら、初めましての方に遭遇。
一見して危なっかしいので一目散に逃げた。

逃げた足でマングローブ林は回り尽くした。


その夜

また嵐。

寒すぎて死にかける。
対策の打ちようがない。ナムサン、寝る。



42日目。

凍死することなく無事活動し、石の斧を使い尽くした。
新たに火打石の斧を作った。
超低速で進歩していけている気がする。



43日目。

ジャングル奥の湿地を回り尽くした。



44日目。

湿地から持ち帰った泥から粘土を作り、粘土で窯を作った。
焼ける物を入れて火を入れてみたが、火力が弱い上にしばらく燃し続けなければならず、そのための燃料などまだ準備不足っぽいので、一旦放置。



46日目。

前日にまたも到来した嵐が吹き荒び続け、出掛けづらい。屋外作業も厳しい。小屋内で糸を紡ぎ、機織りで布にし、シャツを作ることができた。しかし前日に葉っぱのスカートが綻んで散って、下は丸出し。


日暮れ、フルチンで外に出たら風は止んでいた。
物は編みカゴの中に入れておけば風に飛ばされることはないと思っていたが、カゴ自体が飛ばされるとは。予想外、いや考えてみれば当然有り得ることだった。

家畜を飼えるらしい「囲い」を以前作ってしかし家畜がいないので手に余っていた。嵐の前にやけくそ気味に失いたくない資材を適当に囲いに放り込んでおいたら、被害はなかった。ということで編みカゴ類も囲いに運び入れ、その他大半の資材や野外利用アイテムも入れ、クラフトや調理など拠点活動は囲いの中で行うことにした。
嵐がこんなにしょっちゅう来るなんて。



47日目。

またも嵐の中、レザーグローブを作ったら皮製品を色々作れそうな気がしてきた。



50日目。

一日置きに嵐に見舞われる。
住処の海辺だけではなく、他の周辺地域にも嵐の被害があるので、天候が少しでも回復した日にはソリを引いてあちこちに放置したままの物資を回収してきてこの囲いの中に運んでいる。
今のところ囲いの中に嵐の被害が出たことはない。



52日目。

嵐のたびに凍える夜を越えつつ、少しずつ活動領域を広げている。



55日目。

本当に一日置きのペースで嵐が来る。
水には困らないが、小屋の屋根が頻繁に壊れ、ヤシの葉の調達に追われる日々。調達に出掛けづらい日にはやはり糸紡ぎと裁縫作業。で、皮靴ができた。歩くにはいいが暑いようだ。


またも嵐でまたも屋根が壊れ、資材は足りたが暗くて修復作業が不可能。
空いた穴から吹き込む風に凍えて寝るに寝られない。

囲いに移動してたき火で暖を取る。
兼ねて作っていた松明にも初めて火をつけて、これを小屋に持ち込み、その後なんとか寝付くことができた。



57日目。

久々に雨の止んだ日、遠出した先で負傷。
サンダルがもう壊れかけでウニ針にやられた。


ガッツリ踏んでどっさり刺さった針を一時間ほど掛けて抜き取ったのち、ソリと足を引きずって住処に戻り、長い悪天続きの日々の中で作り置いた布を使って包帯を作り、ウニ傷を手当てした。
しばらくは激しい運動は避けることだな。とは主治医の言(妄想)。



59日目。

歩き回れないので住処内での作業と休養を続ける。
とはいえ動いて、畑を開墾した。種はあちこちで収穫したのがあって、使えるかどうかわからないままに蒔いてみた。水さえ与え続ければいいらしい。降水が多いのは幸か不幸か、降水頼りで手ずから水やりするのを忘れてしまいそう。


うっかり傷のことを忘れて出掛けて気絶しかけたりもしたが、なんとか治った。



60日目。

二ヶ月。生き延びたなー。
水は相変わらず雨水で事足り、食糧については不思議なことに囲いの中に入ると毎回のようにカモメがいてデイリー鶏肉を恵んでくださる。ほか、魚、ウミヘビ、カニと海産物が中心。サルはたまに得られるごちそう。


生き延びたなジョー。まだいけるのかジョー。



つづく。