続、角倉志二夫(かどぐらし・ジョー)のサバイバル生活。
36日目。
食糧豊富、体調万全、油断大敵、先行不安。
無難に無難に。石橋は叩き壊して渡るべからず。
38日目。
憎きウミヘビを久々に討ち取った。
いいぞジョー。運だぞジョー。調子に乗んなジョー。
そらみたことかジョー。
39日目。
荒天一過。少し足を延ばして西の草原を散策。
用途不明なものを幾つか発見する中、料理に使える唐辛子も発見。だが、唐辛子以外の食材具材が大して無いのでとりあえず放置。
40日目。
また嵐かよジョー。
午前中は小屋に籠もって繊維ひも作り。
を経て、午後は天気が落ち着いたのでビーチの先の岩場を探索。エビを発見。小ぶりで腹を満たせるものではないらしい。
手にしたエビを観察しながら歩いていたら(歩きスマエビ)、ウニを踏んだ。ココナッツのサンダルのおかげで怪我はしなかった。そして拾った。
帰って焼いて食った。
うまいが大して腹が膨れるものではなかった。飽食社会の中でこそ重宝がられるものだろう。空腹という最強スパイスの常時バフ(またはデバフ)が効き続けるこの世界で、美味は無意味。と悟る。
41日目。
悪天が多く出掛けづらいので糸紡ぎ系作業が捗る。
紡錘器というのを作った。手のみでは繊維2→ コード1を紡ぐのに対し、これを使えば繊維3→ コード2ができて、わずかに生産性が良い。
小雨の中散策に出掛けたら、初めましての方に遭遇。
一見して危なっかしいので一目散に逃げた。
逃げた足でマングローブ林は回り尽くした。
その夜
また嵐。
寒すぎて死にかける。
対策の打ちようがない。ナムサン、寝る。
42日目。
凍死することなく無事活動し、石の斧を使い尽くした。
新たに火打石の斧を作った。
超低速で進歩していけている気がする。
43日目。
ジャングル奥の湿地を回り尽くした。
44日目。
湿地から持ち帰った泥から粘土を作り、粘土で窯を作った。
焼ける物を入れて火を入れてみたが、火力が弱い上にしばらく燃し続けなければならず、そのための燃料などまだ準備不足っぽいので、一旦放置。
46日目。
前日にまたも到来した嵐が吹き荒び続け、出掛けづらい。屋外作業も厳しい。小屋内で糸を紡ぎ、機織りで布にし、シャツを作ることができた。しかし前日に葉っぱのスカートが綻んで散って、下は丸出し。
日暮れ、フルチンで外に出たら風は止んでいた。
物は編みカゴの中に入れておけば風に飛ばされることはないと思っていたが、カゴ自体が飛ばされるとは。予想外、いや考えてみれば当然有り得ることだった。
家畜を飼えるらしい「囲い」を以前作ってしかし家畜がいないので手に余っていた。嵐の前にやけくそ気味に失いたくない資材を適当に囲いに放り込んでおいたら、被害はなかった。ということで編みカゴ類も囲いに運び入れ、その他大半の資材や野外利用アイテムも入れ、クラフトや調理など拠点活動は囲いの中で行うことにした。
嵐がこんなにしょっちゅう来るなんて。
47日目。
またも嵐の中、レザーグローブを作ったら皮製品を色々作れそうな気がしてきた。
50日目。
一日置きに嵐に見舞われる。
住処の海辺だけではなく、他の周辺地域にも嵐の被害があるので、天候が少しでも回復した日にはソリを引いてあちこちに放置したままの物資を回収してきてこの囲いの中に運んでいる。
今のところ囲いの中に嵐の被害が出たことはない。
52日目。
嵐のたびに凍える夜を越えつつ、少しずつ活動領域を広げている。
55日目。
本当に一日置きのペースで嵐が来る。
水には困らないが、小屋の屋根が頻繁に壊れ、ヤシの葉の調達に追われる日々。調達に出掛けづらい日にはやはり糸紡ぎと裁縫作業。で、皮靴ができた。歩くにはいいが暑いようだ。
またも嵐でまたも屋根が壊れ、資材は足りたが暗くて修復作業が不可能。
空いた穴から吹き込む風に凍えて寝るに寝られない。
囲いに移動してたき火で暖を取る。
兼ねて作っていた松明にも初めて火をつけて、これを小屋に持ち込み、その後なんとか寝付くことができた。
57日目。
久々に雨の止んだ日、遠出した先で負傷。
サンダルがもう壊れかけでウニ針にやられた。
ガッツリ踏んでどっさり刺さった針を一時間ほど掛けて抜き取ったのち、ソリと足を引きずって住処に戻り、長い悪天続きの日々の中で作り置いた布を使って包帯を作り、ウニ傷を手当てした。
しばらくは激しい運動は避けることだな。とは主治医の言(妄想)。
59日目。
歩き回れないので住処内での作業と休養を続ける。
とはいえ動いて、畑を開墾した。種はあちこちで収穫したのがあって、使えるかどうかわからないままに蒔いてみた。水さえ与え続ければいいらしい。降水が多いのは幸か不幸か、降水頼りで手ずから水やりするのを忘れてしまいそう。
うっかり傷のことを忘れて出掛けて気絶しかけたりもしたが、なんとか治った。
60日目。
二ヶ月。生き延びたなー。
水は相変わらず雨水で事足り、食糧については不思議なことに囲いの中に入ると毎回のようにカモメがいてデイリー鶏肉を恵んでくださる。ほか、魚、ウミヘビ、カニと海産物が中心。サルはたまに得られるごちそう。
生き延びたなジョー。まだいけるのかジョー。
つづく。