続続、角倉志二夫のサバイバル生活。
嵐に見舞われ続けた日々のあと。
61日目。
暑い。
危うい暑さのために靴と手袋を脱いだ。葉っぱの帽子が壊れてしまったが、資材をケチって代わりを作っていない。
暑いぞジョー。
62日目。
あんなに続いていた嵐が去ったかと思えばきつい日照り。もしや水不足に悩まされるのではと予感し、新たな水源を求めて遠出。西の草原の先に進んで怪しい穴を見つけた。
怪しいものは祟りある神、触れぬが仏。
大した収穫もなく、汗ばかりを流して帰った。
日照りならかえって干物を作るに持って来いだと乾燥ラックを設けて適当に干した。が、そう簡単にどうにかなるものではないのね。
64日目。
予感的中。
雨季が去ったのか四日連続の日照り。容器に貯めていた水が涸れた。あとはビーチで拾ったゴミボトルに貯めたのとココナッツの汁、そして万一の保険の瓢箪の分のみ。
ジャングルは探索し尽くしたが新しい水源は見つからなかった。湿原の水たまりもすくい切った。雨が恋しい。この際また嵐でも構わない。
65日目。
雨は来ず。いよいよやばい。
藁にもすがる思いで未開の土地へ足を伸ばす。
保湿に足るものはろくに見つからない。
コブラに遭遇しうまく仕留めたが、連続でもう一匹出てきて嫌な予感がして逃げた。
やっちまった。
コブラから逃げ、場所を変えた先の探索で大トカゲに遭遇。暑さと渇きに冷静さを忘れたか血迷ったか、無難を忘れて考えなしに槍で先制一突き。ヒットアンドアウェイ、と退きかけたところを猛烈にやられた。兄と同じ轍を踏むとは、なんて馬鹿な。
すぐに帰宅し備蓄のわずかな水で消毒、包帯で手当てをしたが、傷は深い。
夜になって体調を崩し発熱。包帯づくりと傷の手当てに精一杯で解熱の薬草の採集を忘れていた。夜が深まると共に熱は上がり、寝ようにも寝られない。
動悸が激しい。
薬草が要る。
採集に行かねば。
松明に火を。
小屋を出て囲いに入った。
やれやれだジョー。
いや、がんばったジョー。兄の5倍生き延びた。
あのあと日照りが何日続いただろう。傷が無かったとして、あと何日生きられただろう。どんな選択も間違いではなかったさ。毎日が未知の日々はいつ終わったっておかしくなかったさ、ジョー。
二夫「ジョーって言うな。」
完