BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

くまクマ熊ベアー

全 12 話。
株式投資で悠々自適、VRMMORPG をやり込んでいた少女ユナは、ある時ゲームの運営者かなにかの計らいでゲーム内世界に転移。クマの着ぐるみ装備一式、召喚獣として白&黒二頭の巨大なクマ、クマ魔法なる特殊スキルを与えられ、冒険者としてこの世界で暮らすことに。
ふざけた出で立ちやスキルながらそのちからは強力で、難敵と恐れられる様々な魔物を次々討伐。一方で倒した魔物をアイテム化する解体を苦手とするため、行きがかりに出会った解体能力を持つ幼女と知り合いに。その子の協力もあり、見た目になめられながらも徐々に名声を広めたクマ少女は、国の領主などえらいひとにも珍重されるようになっていく、といった話。

同期作品「神達に拾われた男」と大筋はだいたい同じ。あっちはクリーニング屋だったが、こっちは料理屋。話数を重ねるごとに肉、鶏卵、チーズ、魚、米を順に入手できるようになって、最終的に異世界転移系のお約束的に『ファンタジー世界で日本食』にまで到達。主人公が日本人だからこそのお約束なんだろうな。日本アニメがガラパゴス化しているとかいう言説にも納得。

「神達に拾われた男」同様に、まともに目指すべき巨悪というものがおらず、デフォルトで最強キャラなので危機的状況などはない。こんな世界には珍しそうな曲者がいたりもするが、そんなのが襲って来ても顔色一つ変えずにワンパン撃退。
これまた「神達に拾われた男」と同じになるけども、こういうのは何がしたいのかわからない。劇として、声優同士が演じるお芝居としては楽しめるけども、作品自体には結果として残るものが何もないので、なんなんだろうと思ってしまう。

何も考える必要はないんだろうか。ただ1クール、アニメを観せるために作られたアニメ。それだけのものなんだろうか。何か汲み取るべきことがあったのではないか、とも思う。自分はそれを汲み取るだけの感受性が欠如している。ということかもしれない。そうなんだろう。
しかしね、毎度のことながらおまえこの作品に何を求めていたんだよ、って話だ。もちろん何も求めていない。厳密には何かあって観ているはずだけど自覚はなく、よくわかっていない。

わからない時はタイトルに立ち返る。
この作品は、つまり、熊だ。クマのアニメだ。いや、でも最後なんなんだよ。クマどうでもよくなってたじゃないすか。クマである必要がなかったじゃないすか。だから、何がしたかったのか、ってなるでしょうよ。
もう、これ以上は適当に書くにも無理がある。

概ね、クマのアニメだった。