BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

DVD 付分冊マンガ講座「ジャンプ流! vol.22 まるごと浅田弘幸」

を買った。
先日アマゾンのおすすめに上がってきて、こんなもんがあること自体をその時初めて知った。
http://www.jumpryu.com/

冊子。
数ページ程度のうっすいやつに、ご本人への経歴インタビューと創作にまつわる云々かんぬんが載っている。表紙の通り、基本的に「テガミバチ」関連のことが主。悪くない。でも、こんなもんか、と。
DVD。
再生するや、作家紹介や DVD 趣旨説明なども無いままに、「テガミバチ」ラグ の絵を色鉛筆で作画する映像がいきなり始まる。20 分くらいにわたって、先生と思われる方が机に向かいその手がひたすらスケッチブックに色鉛筆を走らせる様を映すのみ。顔は一切映らない。前半は言葉を発することも少なく、後付のフリー素材っぽい BGM がうっすら入っているのを除けば、他は色鉛筆が素早く走る音が終始絶え間なく、たまに別色の色鉛筆に持ち替える音や鼻をすすったりする生活動作音があるくらい。なるほどマンガ馬鹿が作ってマンガ馬鹿に送る映像はこんなことになるのか、と思った。大変おもしろい映像だった。それが終わると、制作スタジオ紹介とインタビュー。ここでも顎から上は映さない。べつにいいけど、映っているのは先生ご本人じゃない可能性もあるな。
この DVD においても「テガミバチ」以外の作品についてはほぼ触れられていない。「アイル」の名がわずかに挙がった程度。アイル ももう一昔前の作品だし、今や世間的には 浅田弘幸テガミバチ 、だからしかたがないけれど。
以上が、収録時間約 40 分中の 30 分くらい。
残りの約 10 分は 浅田弘幸 関係無しの漫画講座。パースをつけて物体を描く技法の初歩をナレーション付きの実演で教える映像。白い紙に線で立方体を描くだけ。そのパースを人間体のキャラクターの描き方に応用したり、という映像はない。そしてこのコーナーだけナレーションが 中井和哉。なぜ、と思ったら「テガミバチ」のアニメで ジギー・ペッパー 役だったらしい。
以上。
税抜き 1,290 円。価格なりには楽しめるものだった。買って損ではなかった。でも初歩のマンガ講座なら、大昔に出た 鳥山明のヘタッピマンガ研究所 一冊で事足りると思う。だから結論として、各巻ピックアップされる漫画家のファン向けの商品であって、漫画家を目指すひとに向けたものではない、と思った。どちら向けにしても中途半端な商品だとも思う。

ジャンプ流!DVD付分冊マンガ講座(22) 2016年 12/1 号 [雑誌]



自分の ジャンプ 歴は、古くは ジョジョ の2部くらいの頃。小学生の頃で、アニメ化された八十年代の人気作は大半連載終了後で、週刊 においてしっかり読んだ記憶があるのは、ゆうれい小僧がやってきた、サイボーグじいちゃん G 、アウターゾーン、瑪羅門の家族、サイレントナイト翔、と人気作家のヒット作後の大コケした短期連載作品が多い気がする。この辺り以降は読まなくなったので知らない。
好きだったのは 月刊 の方で、わたるがぴゅん、あばれ花組、ライバル、ふたば君チェンジ、Doubles 、ミストストーリー、とかをわりと好んで読んでいた。あと、どっきりマイクローン やら 瞳ダイアリー やら。
そんな中で 浅田弘幸 作品は、「BADだねヨシオくん!」のわけのわからないハイテンションなギャグと未来バイクレースのそれなりに真面目な展開に魅せられてはまって以来、いちばんの目当てであった。以降、「眠兎」、「蓮華」も好きな作風で、「I'll」連載開始時にはもう 月刊ジャンプ どころか漫画雑誌を読む習慣が無くなっていたけども全部単行本で読んだ。「テガミバチ」を知った時にはもう漫画というメディア自体に興味が無くなっており、既に3巻か4巻まで出ていたけど、やはり単行本で読み始めた。最初の画集「骨の尖」は買わなかった。欲しくなった頃には既に絶版となっていた。イラスト集「Shine」と「Water」が出た時は テガミバチ で熱が再燃していたのですぐに買った。
浅田作品の漫画は好きだけど、それ以外はあまり興味がない。イラスト提供作品とか、「I'll」の OVA とか、「テガミバチ」のアニメも二、三話観た程度でやめた。そういえば「PEZ」は買っていない。でも 柴山薫 追悼の同人誌は買っている。
ああ、そういえば テガミバチ、まだ最後まで読んでいない。その程度のファン。ファンではない。