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うすしお

盾の勇者の成り上がり

異世界かるてっと関連、2期で出てきたやつ。オバロ、幼女、リゼロ、このすば、全部ちゃんと楽しめたので、この際これも観ておこうという気になった。
昨年2019年放送作品。これ観てると言っていたひとが周囲に何人かいたが、タイトルに「勇者」とかファンタジー RPG 系の語句が入るやつは何か食わず嫌いだったところがあり、たしかそんなことで内容概要も特に調べず視聴選別対象にすら入れなかった記憶がある。ヒット作に成り上がった後も特に気にしていなかったが、いせかる に参戦したことでやっと目を向けるに至った。などあり、実際観てみたら、端々に胸糞悪くなる展開、エピソードはありつつ、概ねは結構引き込まれて次々先を観たくなり、2クール全25話ありながら、結果的に三日で全部観た。
「波」と呼ばれる謎の脅威が定期的に襲ってくるファンタジー世界に召喚され、異世界転移してきた現代的男子四人。各々別々に「剣」、「槍」、「弓」、「盾」を専門とする「勇者」に仕立てられ、協力して「波」に立ち向かうことになるが、諸々の陰謀により「盾」の勇者は迫害され、他の勇者たちからも疎んじられてしまう。絶望と人間不信で腐りかけた「盾」だったが、諸々の末、信頼し合える仲間を得たりして、自分を蔑み貶める者たちに抗いながら、多くの人々の信用を取り戻していく、といった話。
タイトルの「成り上がり」とはそういうことかとまず理解。それが主題であるだけに、序盤で一度一気に貶められ落ちぶれさせられる、そのやり方がゲスで胸糞。主に1クール目では常々似たような胸糞事件が起こり、一方で救いのある事も発生する、その上げ下げによって各話の盛り上がりと引きをつくっている印象だった。ただ全体の流れとしては「隠し砦の三悪人」風の逃亡劇であり、「何のために戦うのか」とか「勝ったのは誰?」とか「七人の侍」的な裏テーマが垣間見えたり、劇中でも言及があったが「水戸黄門」風でもあり、ファンタジーベースに見せているけど要はこれ時代劇みたいなもんだな、と思った。
2クール目後半、謎の敵キャラの素性と共に「この異世界 VS 別の異世界」という構図が明かされ、え?と思った。ネットで視聴者の感想を調べたら、やっぱり知っているひとは知っている。その構図というか世界観は「ぼくらの」に似ている。残念ながら最終的な結末まで行かず2クールを終えてしまったので、この作品における異世界対戦にどういう経緯と目的があるのかわからないが、2期は制作決定しており、「ぼくらの」風の話になっていくのなら、「ぼくらの」を超えるほどのものにはならない、だろう、と思った。恐らく比較してしまうとだいぶつまらなくなるので別物として観たいが、複雑な感覚。
時代劇的勧善懲悪や圧政抑圧に対する反体制的姿勢と「ぼくらの」的生存競争、といった点で主に楽しめたのだと思うが、要所に入る泣かせ系エピソードがちょっと鬱陶しかった。特に2クール目、ラフタリアの過去エピソードあたりからそんな感動押し付け感が強まってきて、同時に回想やバンク使用による振り返り演出も増えていき、2クール目中盤はテンポが悪かった印象。フィロリアルクイーンの回辺りや対三勇教教皇戦もあまり楽しめなかった。もちろんそれらのエピソードが無いと「盾」とパーティメンバーを強く見せる説得力に欠けてしまうので必要だったとは思うが、まあそういうのがあろうがなかろうが結局は主人公補正やご都合主義的にしか見えないところも多いし。
などと幾らか文句をたれつつも幾らか泣いたのも事実。ラフタリアの両親や友人のエピソードはずるい。故人で泣かせてくるのは駄目。泣くけども。うまそうなマンガ肉で腹が減るのと同じ。性癖を刺激する色な画で欲情するのと同じ。条件反射であって話や脚本云々とは別。
あと、盾以外の三勇者の扱いが、劇中では尊く優遇されていながら、視聴者目線ではただ出番の少ない脇役で肝心の時には役立たず、名誉挽回することなく全25話終了、という不遇ぶりで笑えた。ある意味それもカタルシスだったと言えるかも。
ストーリーについてはもういいや。でもストーリー面以外で特に書くこともないな。演出、声優、作画、いずれもそつなく、文句なく。ステータスとかスキル、経験値とか、RPG さながらな UI 表示なんかは好き。
なんやかんや言いつつ、幾らか観てきたこういった異世界転生・転移ものの中では一番好みに近い作品だったかも。