BINTA

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慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~

これも異世界かるてっと参加作品とのことで、気は進まないが観ておこうと。2019年10月期、まだ一年も前ではない。のみならず、当の いせかる 2期と同クールに放送中だった作品らしい。そんなこともできるのか。いせかる 3期が来たらさらなる参加作品の追加がありそうなのでそれに備えてカドカワ系の異世界云々系で見逃しているやつを予想して予習しておこうかとも思ったが、同期のものでも登場しうるのでは予想も不可能。
さておき。
なぜオンタイムで観ていなかったかと言えば、この題名。頭の悪そうな言葉の並びに脊髄反射で視聴選別対象から外した。実際観たらば、恐らくオンタイムで観ても1話切りしていたに違いないものだった。
攻略の難しい救済難度S級という世界を救う命を受けた一人の女神。そいつの手により異世界から勇者として転生されたのは、何事にも準備を重ね、完遂させるにも執拗に念を入れる、度が過ぎるほど慎重な男だった。そんな女神と勇者が世界を救うために戦う話。
1話目だけ、設定だけを観れば完全に このすば の二番煎じ。真似しただけなんじゃないかとすら思える。が、全体的には 盾の勇者 や ワンパンマン みたいな話だと思った。慎重勇者が慎重なことには理由があり、色々と伏線も仕込まれており、物語としてはそれなりにそれなりだった。良いとは思わないが、好きではないが、その理由とか真相とか薄っぺらいとは思うが、タイトルから受けた最初の印象を覆し、意外にちゃんとしていた。
1話切り必至だと思ったのは、主にギャグ要素。このすば 路線ではあるが、似て非なる、自分の好きなコメディセンスにそぐわないもの。勇者 聖哉 は良いとして、他がどれもいまいち。原因はたぶん監督。迫井政行は「装神少女まとい」以来その名前を目にする度、このひと合わねえなといつも思う。この作品でも主役の女神 リスタルテ のわちゃわちゃしたノリが苦手だった。豊崎愛生の他作品では見かけない壊れかけた怪演と、キャラデザ無視してデフォルメにも劇画調にも変幻する作画によって、苦手もクソも知るかという勢いで笑いを取りに来るのでそこそこ楽しめたが、半分引いていた。
でも結局これギャグアニメで、勇者の過度な慎重さっていうのは要するに毎度毎度何事か起こる度に発生するボケであり小ネタギャグであり、そこを女神が空回り気味に過剰な勢いで突っ込む、それをさらに周囲のキャラクターが(または視聴者が)冷めた目で突っ込む、というのがお約束で、大半はそれで成り立っている作品だと思った。終盤の展開はそういったギャグが鳴りを潜め、話をまとめるためかシリアスな方向へ。最後の最後は勇者を出すことなく終わってしまい、ちょっと意外だった。
あとは、潘恵子とか三石琴乃が出てきて笑えた。
続編がありそうな終わり方だったが、この続きはどうやら敵も勇者も世界も強さがインフレしていくばかりのようなのであまり楽しめなさそう。あったら観るかもしれないが無くてもいい。この全12話できれいに完結していると思う。