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転生したらスライムだった件

異世界かるてっと」をきっかけに、「Re: ゼロから始める異世界生活」、「この素晴らしい世界に祝福を」、「盾の勇者の成り上がり」、「慎重勇者」と観てきて、こうなりゃこれら異世界転移モノの類型類似品をもうちょっと観たい知っておきたいという気分になった。のがこの春とか初夏だったかのこと。
そんなことをすっかり忘れていたけど、先日また眠れない夜が来て、なにする気にもならず、dアニ開いて気になる作品リストを確認していたら思い出したので観た。


2018 年放送作品。全25話。
上に列記したいせかる関係の作品群とは異なり KADOKAWA 系ではない。所謂なろう系ラノベ原作ではあるがコミカライズ版を基にしているとかなんとか。

通り魔に刺殺されて死んだ現代的社会人の男が、ドラゴンや魔法の存在するファンタジー世界に転生。その姿、生体はスライムとなったが、転生時に獲得した多数の強力スキルのおかげで、転生地の洞窟に封印されていた強大な魔竜を取り込み、さらにその他様々なモンスターの力も獲得。
ゴブリン族に始まり、大狼、オーガ、ドワーフリザードマン、オークと、目を付けられ因縁吹っ掛けてきた各種族一味も次々に成敗し味方に引き込み、やがて一大多種族国家を形成。同じ異世界転生してきた者との親交や約束を果たしたりもしつつ、たかがスライムが偉大な国の盟主となっていった。というおはなし。

異世界転生ラノベのお約束的に、例によってこの主人公にはピンチというものがほぼ無い。本人は感情的に一瞬怯むことはあっても本気を出せば全く問題にならない。時には力に頼らない方法で事を鎮める機転も。性格的に歪んだところも見られず、嫌味がないことが嫌味なくらい。
物語展開的にスリルみたいなものもほとんど無いが、この手の作品はそれ故の負け知らずの安心感、揺るぎない磐石の上で進む主人公を中心とした世界の発展が魅力なわけで、それがつまらないと感じない限りはどんな流れも楽しく、わりとテンポも良く、どんどん観続けてしまうのだった。
見終えた後知ったが「オーバーロード」に憧れた作品であるらしく、主人公の万能ぶり、配下と領土の拡大ぶり、側近たちの有能ぶり、キャラのバリエーションなど、思い返せばなるほどそのまんま踏襲していると思える事が多かった。
主人公スライムが使う「捕食者」という何でも食べる悪食スキルが卑怯で、さらに2クール目に入ると人に擬態できるようになり、剣を使いこなしたり単独で空を飛べるようにもなったり、もうタイトルにもなっているスライム=ハンデのある存在であるという前提がほぼ破綻しており、タイトルから想像された盾の勇者のような反骨感もいまいちで、ちょっとつまらなく思った。話を色んな方向に拡げるために便利なんだろうけども、主人公が万能すぎるあまり部下に頼る必要がなく、配下の者を増やす意味や必要性がいまいち感じられないのも気になった。

主人公リムル・テンペスト一味の勢力が拡大するに連れてレギュラーキャラクターも多くなり、その分参加声優も有名無名多岐に渡って陰ながら彩りを添えてくれるのは良かった。このへんもオーバーロード譲りか。リゼロも然り、大河ドラマ的なスケールの拡大による必然とも言える。

あと、もう少し何かあったような気がしたけど、観終えてから感想書くまでに日が空いたので何だったか忘れた。シズのエピソードとか、妙に戦後の日本を匂わせる描写が入っているところとか、そのへんで何かごちゃごちゃ考えた気がしたけど、忘れる程度のことだったんだろう。
2期がもうすぐあるらしい。たぶん観る。