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2.43 清陰高校男子バレー部

全 12 話。
福井の田舎中学に東京から転校してきた天才バレー少年が、幼馴染みの強力アタッカー少年と再会、紆余曲折ありつつ高校生になった二人は同じ高校に進み、8人のみの男子バレー部で全国大会を目指す。という話。
前半は灰島と黒羽の主役コンビが反発しながらも結束を固めていき、後半は清陰高校チームとしての成長、そして県大会出場、福井県優勝候補の実力校・福蜂との決勝、その後の春まで。
「2.43」とは男子バレーの公式大会におけるネットの高さ(2m43cm)のことだそうな。高校バレーの地区大会では 2.40 の場合もあるが、全国は 2.43 。そこが目標、その高みを目指す話ですよー、と。

骨太。小洒落たような気取ったような、あざとくウケを狙うようなしょうもないところが全然無い、青春スポ根ものの堅実な良い作品だった。それだけにそれ以上の感想にならなくて困る。

登場キャラは東京から転校してきた灰島を除き、福井地元民であるほぼすべてのキャラが福井弁らしき方言と訛りで台詞を喋る。果たしてそれに意味があったのかどうか、外国舞台で日本語しか喋らないアニメも多いのだからべつに標準語でもかまわないとは思うが、原作尊重やリアリティ表現に対するストイックな姿勢だと捉えた。
タイトルからして素人にとっちゃ全く気にならないネットの高さ、わずか 3cm にこだわったものだから、その姿勢に沿うなら方言芝居にまでこだわるのは必然か。そのわりにバレーボールのスポーツとしての表現、技術や試合におけるプレイングの細かい点を語るようなところはなく、心理描写、精神的な駆け引きで見せるところが多かったように思う。スポ根ド直球よりは青春ドラマに寄った感じか。

あと、ほんの少し、なんとなく、男子キャラクター同士の友情交流におけるうっすら BL 臭さが、たまに稀に鼻についた。これはその手の仕事もやっているこの業界の男性声優に付いて回ってしまうものだろうから、仕方ないのかも。気にする方が悪い。