BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

恋と呼ぶには気持ち悪い

全 12 話。
美形有能サラリーマン青年・亮と、そいつの命を救ったことでそいつに強烈に惚れられた女子高生・一花のラブコメ。一花の親友でもある亮の妹が二人を応援したり気を揉んだり、一花たちの同級生男子や亮の会社の同期女性などが横恋慕したりがありつつ、「成人男性社会人 × 未成年女子高生」という関係はいかがなものかという問題にもそれなりに触れた作品。

主役のふたりが、かたや命の恩人、かたや年上という関係性から双方とも終始敬語で話す。その上で互いに繰り出す攻め台詞、防御台詞による言葉の戦い、やりとりが毎回面白かった。そしてどんな言葉を食らっても動じない亮のキャラクターがよかった。さすが気持ち悪い。このタイトルだけあってか、やはり亮がこの作品の面白さの肝だったと思う。
だからこそ、話をきれいに収める方向に動き出した後半は亮の真面目さが描かれることが多くなってコメディとしての面白さは減衰、実写の恋愛ドラマでよくあるようなものになっていった感じがした。

しかたないけどね。キャラクターが壊れ気味で会話がちょっと飛んでいて、さらに恋愛観とか倫理観もぶっ壊れた常識外れでは「気持ち悪い」なんてもんじゃない別物になっただろうから。社会人 × 女子高生の組み合わせが常識的かどうか捉え方は視聴者によって差異はあるだろうが、恋愛話のベースが常識的な範疇に収まっていてこそ笑えるものだし。
そういう意味では非常に妥当な結末だった。途中、一花の同級生=榎木淳弥や亮の同僚=花澤香菜というキャストの強さに、二人とも年齢相応の相手の方に行って終わるのかもと思わされたけど、やはりこのタイトルを考えると、気持ち悪い相手を選んでくれないと気持ちよくない。だから賢明な、良い終わり方だったと思う。

恋愛ドラマとしてもコメディとしても、ほかで見慣れたものであり結構ギリギリのラインではあったけども、意外に飽きずに楽しめた。ED 主題歌もよかった。
アマゾンプライム配信のコンテンツだからなのか、キャラクター音声と BGM のバランスの悪さだけは最後まで馴染めなかった。(だからそれはおまえんちの視聴音響環境のせいだと... )