BINTA

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灼熱カバディ

全 12 話。
体に触れたり掴んだりそれをよけたり押さえ込んだりする重量級肉体派スポーツ、カバディをやる男子高校生たちの話。

カバディとはなんぞや、どうやってやるもんか、どんな感覚が思考が体格が必要か、面白味はどこか醍醐味は何か。そういうハウトゥを含めたこの競技のすべてを、入門用としては十分に教えてくれる作品だったのではないかと。玄人向けかどうかはわからん。

スポーツものの物語としては王道のものかな。非凡な素質を備えた主人公が入門してきて、力を示して仲間を得て凄い先輩とかライバルとかに出会って苦戦したり負けたり壁を乗り越えて勝利を掴む。
カバディという競技、扱った題材の珍しさゆえに、単にこの競技を行う様を解説交えながら丁寧に描いているだけでも見応えはあった。初心者向けサービスというかスタートダッシュボーナスというか。
中盤に入ると、概ね競技の基礎はもういいっすよねとばかりにプレイヤーの感情やら心情やらキャラの掘り下げが披露される方向に語り口が変化し、観る方としても作品の空気に慣れて刺激が薄まったか、灼熱感が冷めていく感じがあった。そういう方向性が好きなひとは俄然灼熱継続だったのだろうが。

灼熱のタイトルに負けじとキャラクターも熱く、登場キャラはほぼ全員常に顔汗を湛えている。そして全員ウェイトリフティング選手かレスラーかのように筋肉モリモリ、太ましさゆえに絵も暑苦しい。絶対臭い。
ギャグっぽいデフォルメ表現などの誇張も少しはあったかとは思うが、諸々説明や解説を鑑みるに実際身体をこの競技に最適化していくとこういう人間たちになっていくんじゃあないかと思わせる、或いは錯覚させられるような説得力はあった。
そういえばカバディプレイヤー以外のキャラクターがほとんど登場しておらず、全体に漂う異質な感覚はその点も一因としてあったかもしれない。

練習試合で終わってしまい、本格的なゲームを描くのはこれからで続編もありうるのだろうが、べつにもういいかな。特別好むところはなかった。
息が切れるまで「カバディカバディ...」言い続けるという競技なので、もっとその部分が強調されていたら違うおもしろさはあってより好めたかもしれない。もしくは1話切りしたかもしれない。