BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

SSSS.DYNAZENON

全 12 話。
ある日本らしき町の高校に通うふつうの少年と少女、ふたりがある日知り合った「怪獣使い」を自称する男や無職男性ほかが、突如として町に現れるようになった怪獣を倒すべく巨大ロボットを操り戦う話。
怪獣の背後には「怪獣優生思想」を名乗る4人の男女。怪獣使いと彼らは五千年を経て蘇ったと語るが、その目的などは不明瞭。
ロボットの操縦者として知り合った少年たちは戦いの一方で一般的な思春期、各々抱えた家庭の事情、個人の将来や先行きの不安などに悩み揺れ、またはただ遊んだりぐうたらしたりしつつ、異界からの来訪者の助太刀も得て、怪獣のいる日々を戦い抜いていく。

「SSSS.GRIDMAN」と共通の世界観を持つ『GRIDMAN UNIVERSE』のシリーズ第2弾。とは言っても話に直接的な繋がりはない。大元の「電光超人グリッドマン」由来の要素と途中参加してくる助っ人キャラが共通項であり、町の風景の一部にも相似点があったりするものの、今作中で GRIDMAN に関する事柄にはっきりと言及される場面は一切ない。 GRIDMAN を熱心に観ていた人ならわかることがあるというくらいで、観ていなくても、観たけど完全に忘れ去っていても、今作のみでちゃんと楽しめるようにはなっていた。

でも GRIDMAN がそうであったように、元ネタのグリッドマンを知っていないと満足に理解できない部分は多々あったように思う。「怪獣優生思想」とか「姫」とか、「ガウマ」他のネーミングとかは元ネタに由来する事らしい。一部声優のキャスティングもなんかそんな、らしい。
そういう噂や情報を得ると元ネタを知っておきたいとも思うが、「メガロボクス」→「あしたのジョー」と違って気安くすぐに観られるものでもないので、いや観られたとしても、なんかどうでもいいかな。

このシリーズ、ロボットアニメだが、ロボット関係なくとも登場人間キャラたちのゆるい群像劇としておもしろい。GRIDMAN から引き続き、会話における力の入っていない素、平熱加減の言葉のやりとりが、どこを切り出してもずっと笑える。
GRIDMAN ではそのヒーロー「グリッドマン」がベタベタな熱いヒーロー調で通していたので戦闘中だけはだいたいマジな空気になっていたが、今作はロボット「ダイナゼノン」の操縦者が怪獣使いガウマを除いて一般人であるため、戦闘中でも構わずゆるい。テンションも基本は素で、必殺技を「なんとかビーム」と投げやりな呼称&やる気ゼロの声で発したり、時に操縦者同士のその時の関係性によって掛け声が揃わなかったりする芸風も GRIDMAN 譲り。
敵であるはずの怪獣優生思想による敵対的意識が強いとは言えないフワッとした空気、演じるクセの強い声優たちによる団体芸にも毎回笑わされた。


今回 GRIDMAN 全話も再視聴してみて改めてわかったこと思ったこと色々あったものの、例によってうまく文章にまとまらないので以下詳細割愛。
主に「夢芽が人との待ち合わせをすっぽかしていた悪癖の意味」とか、「蓬がバイトを入れる理由」とか、「なぜ怪獣が現れるのか」、「なぜ怪獣と戦うのか」とか、「怪獣を主題にしたいがためのロボットアニメ」とか、いったことを考えたりした。自分なりに答えを導き出したが、言葉をまとめるには脳が足りなかった。

この「GRIDMAN UNIVERSE」、たぶんまだまだやれる、やってくれるに違いない。ぜひ同じチームで継続してほしい。