BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

バクテン!!

全 12 話。
団体で床演技を行う男子新体操をやる男子高校生たちの話。
中学生だった主人公少年がある高校の4人だけでの迫力ある演技を目にして触発され、その高校に入学~新体操部に入部するところから始まり、同じ新入部員にして上級経験者のやつに劣等感を多少感じつつ、持ち前の才能の高さで徐々に上達、ライバル校との合宿などを経てなんとか先輩たちと6人で演技を見せられるまでになるが、インターハイ予選前日に負傷、当日は無理を押して出場、といった話。

あらすじだけ追うとこれもまた王道っぽい、他にもいくらでもあるような爽やかスポーツ青春もの。練習風景はだいたいがダイジェスト的にまとめて、部活外の日常をはさみつつ、本番演技は主に CG による描写でしっかり見せてくれるという内容。そこも謂わば順当というか、真面目につくればそりゃそういう見せ方になる。

真面目ではあった。原作漫画準拠でもあったんだろう。とすると、しばしば見受けられた問題点も恐らく原作からのものだろう。
問題とは、例えば唐突にホラーじみた演出を入れた5話のかくれんぼ回。おかしなことやって投げっぱなしで終わり。ギャグの範疇なんだろうが、大して笑えるものじゃない。
そういう点が幾つかあって、任侠趣味のやつとか、置き物に近いマネージャー、そこそこトップクラスの声優を脇役に配したキャスティング、最終回にまとめの言葉を聞く意識を削ぐ演出など、必然性が理解できなかった。ただ単に新体操部を描くだけではおもしろくないってことなのか。
でも登場人物のキャラクターや台詞回しはわりとよかったし、実技実演や練習の様子も目を惹く動きだったから、そうではないと思うんだがな。或いは自信がないから余計なモノを入れてしまうのか。もっと下世話な話で、売れる作品にするためにねじ込まれた要素だったのか。

何にしろ、無くてもいい無駄な要素に無駄な尺を使うへんなアニメ、という印象が度々付加され最後まで拭えない作品だった。
入れるならもっと思い切りギャグに振って壊すか、無駄でないことを示す何かを見せてほしかった。いや、あったのかも。見逃しただけかも。