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ゾンビランドサガ リベンジ

全 12 話。
駅前スタジアムという大バコに果敢に挑むも、乏しい集客に大失敗を喫したフランシュシュ。莫大な開催費用の借金を抱え、不貞腐れた幸太郎に一度は見捨てられるも、自ら動くことでやり直すしかないと思い改めた7人は再び奮起。触発された幸太郎は秘めた誓いか宿命かなんかを思い出し、メンバーに新たな試練を課したり、次の展開を画策したり、再度の駅前スタジアム公演でのリベンジに燃える。
そんな折、大嵐が佐賀を襲い、大水害に見舞われ離散した県民は避難先で途方に暮れる。ゾンビ7人も棲家の邸を失い、幸太郎は地下のバーに閉じ込められ危機的状況に。誰もが苦難の中、それでもフランシュシュはライブを予定通り決行することを宣言する。といった話。

1期はよかったが続編はあまり期待していなかったし、ちょっと不安ですらあったけども、観たらばしっかり「ゾンビランドサガ」で、その面白味は変わっておらず、どこを気に入っていたのか忘れていたけど2期開始によって思い出した。
やっぱり1期同様、「アイドル × ゾンビ × サガ」というB級カルチャー三すくみの組み合わせの妙。そして MAPPA というトップブランドでありながら王道をへんにひねってくる会社の力。あと巽幸太郎 = 宮野真守のふざけきったコント演技。それらを繋ぐ脚本のパワー。そのへんが佐賀の方言と共に若干狂った笑いを生み出しており、その面白さが魅力なんだと思った。

しかし前半話数は1期からの内容と似たようなもので、過去に1期を三度見直しているせいもあってかややマンネリ感があった。白竜とかスキャットとか刺激的な異物も混入してはいたが、1期を踏まえるとまあ有り得る範疇でインパクトはいまひとつ。

最大の興味は明かされてこなかった謎の部分で、そこが語られることに期待していた。一応その期待には応えてくれて、1期では無かった山田たえ当番回、ゆうぎり当番回がそれぞれあり、ゆうぎりについては概ね納得できたが、山田たえについては明確に真相が明かされることはなく、大いに笑えた一方でモヤッともした。
明かされた結果でがっかりするよりはましだし、山田たえというキャラクターの性質を考えるともうむしろ謎のままでいてくれた方がおもしろいかもしれない、という気もする。

あと今回2期は、主人公のはずのさくらよりもやけに2号サキの方が目立つ回、場面が多かったように思う。というよりさくらの出番は多くても語るシーンが少ない気がした。
アイドルとしてのどうのこうのを言う時は3号愛が出てくるし、グループとして決めの言葉はリーダーだからとサキが長々語ることが多かった。さくらにはまともな当番回らしい当番回がなかったために歌でもソロがフィーチャーされることがなく、エースポジションの脇役みたいに見えることもあった。
なぜだったんだろう。魔女とかなんとかとスケジュールがカブったのだろうか。もしくは今後7期ぐらいまでやるつもりの壮大な計画になっていて、今期は2期=2号の当番クールだったとか。ないわー。

でも「リベンジ」ってのが果たせたのかどうなのか、唐突な水害のインパクトもあって終盤はうやむやな感じに見えて、終わり方もちょっとふわっとしてカタルシスにはいまひとつだったし、最後の最後に何か出てきたし、これで終いじゃあないだろう。3期はやるだろう。