BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

METAATEM

メタアーテム。METAFIVE の 2nd アルバム。
昨年発売予定だったがなんらかの事情で発売直前に一旦中止となり、その後配信ライブのチケットの特典として数量限定リリースされた作品。を仕様変更して、「ラストアルバム」と肩書を変え、先日改めて正式発売された一般流通盤。


主に、この「The Paramedics」のライブ映像を観て + TESTSET の音源を聴いて、遅すぎながらも METAFIVE の良さに気づき、熱高まったので予約購入。
届いた品には、帯にでかでかと太文字で「ラストアルバム」と謳われており、やっと届いた嬉しさ沸いた刹那、なんとも言えない気分になり苦笑い。



内容。
先行配信曲「環境と心理 (Environmental)」と「The Paramedics」を含む全 12 曲、57 分。

とても良い。
全曲良い。わけでもないが、そんな隙があるのもいい。
癖があるとも言うか。

Full Metallisch 、Snappy は今や pre-TESTSET といった感じに聴こえる。
でもゴンドウ氏の管楽器があるだけでも全然感触が違う。色気がある。
TESTSET の音はもっとドライで荒涼な感じ。今後も別物になっていくのか。

Full Metallisch の「でえれえ」
The Paramedics の「あれへん」、「高圧断層」、「プロフェッサー、プレイステーション」、「ピーピングトム、ドラクエセブン」
など、 聴き取れない英語歌詞に空耳豊富でおもしろい。

封入ブックレットには全曲英語詞と日本語詞が併載されていて、日本語曲に英語詞が混ざっている曲は対訳英語詞の中で該当部分のみ日本語詞になっていてこれまたおもしろい。

Ain't No Fun 、ソウルフルでとてもかっこいい。

Wife 、そんなに好みではないけどとても耳に残る。

The Haunted と Communicator はかなり好み。歌やトラックに哀愁があってなにかどこかにしみる。
Communicator はしかし、YT 氏の語りのトーンがそうなのか、ちょっとたまの「学校にまにあわない」みたいに聴こえる時があり、良い曲なのにへんに笑える。

最後の See You Again は、昔のコーネリアスっぽいと思った。ファーストクエスチョンアワードしか聴いたことないけども。


感想はだいたい以上。



ラストアルバムとは残念。
だが、アルバムがラストと言うだけで最後の作品とは言っていない。シングル出せばいい。ミニアルバムだっていいし、ベスト盤でもいいし。METAFIVE の名で新曲を出せないことはない。BD 特典とかで付けることだって可能。
なんならもう一枚作る前に一旦解散しておいてすぐ再結成、次作リリース時に「前作は解散前のラストアルバム」、「今作は再結成後初のオリジナルアルバム」などと宣えば嘘はない。アーティストの姿勢としてはかなり格好悪いけど。

METAATEM (Deluxe Edition) (特典なし)



騒動前のメンバーインタビューが載った昨年のサンレコも買った。アマゾンが抱き合わせのおすすめをしてきたので。
表紙を飾り、濃厚なアルバムだからさぞたっぷり語っているのだろうと思ったら、巻頭10ページかそこらでおしまい。そのうち半分くらいは楽曲データを開いた DAW 画面の写真。そういう雑誌だから写真はそれでいい。インタビュー内容も楽曲制作についてそれなりに語られている。が、やや物足りない。
その後に続く最新プラグインソフト云々の特集が何十ページも続くのに比べるととても少なく感じる。DTM やめて久しいからひとつも興味沸かないし、語っている業界人も全く知らない人だらけ。最新っつっても一年前の雑誌だし。
それに比べて 1st アルバムとミニアルバムのインタビューは公式サイトでみっちり語られていて無料で読めて・・・。ラストアルバムなのに、色々あったからやむなしとは言え、それ故のラストアルバムではあるが、この扱いの差は、なんとも。
そういった意味でも重ね重ね残念でならない。

サウンド&レコーディング・マガジン 2021年9月号