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BOOTSFIGHT IN THE AIR

オキシ 051 (v)

八度目のコロニー Verdante 33 話



サイクル 321

余剰酸素処理計画その1、ふさふさスリックスター導入編。始動。

まず手近な地下からスリックスター(プレーン)の卵を盗(ギ)ってきます。お宅のそばで多少温暖化しても構わなそうな場所を探し、断熱タイルで適当に囲って毛づくろい端末を置いて厩舎にし、ギってきた卵を放り込みます。
スリックスターは熱帯環境を好み、35 ℃以下の環境では成体になったあと即死滅しますので薪ストーブを置いて備えます。

都合により一旦これで一晩二晩待ちます。



サイクル 322
配給です。

はい。

野良ピップ集団はオキシファーンの植え替えボイコットを継続中。
政府は余計なものを植えられるいやがらせに対し、作業員による即時抜き取りと共に、再度の植え込み防止として梯子フェンスを敷き詰める対策を実施するようです。地域住民は「最初からそうしろ」などと話し苛立ちを隠せない様子でした。



サイクル 323

こちらは久々に明るい話題です。先頃ごつごつハッチの金属飼育を始めたハッチ厩舎からつるつるハッチの卵が届きました。
やま◯ちさんこれはなぜ厩舎ではなくこんなところに出ているんでしょうか。
はい、ハッチ厩舎内で生まれた卵を自動的に回収しまして屠殺部屋に送るコンベアがこの付近に張り巡らされているわけですが、そのコンベアのルート途中、今出ておりますこのつるつるハッチの卵の上にコンベアシュート、出口ですね、それが設けられているのがわかりますでしょうか。
はい。
その左隣りにある▲の、これは物質センサーなんですが、このセンサーにコンベアシュートが連動しておりまして、センサーに「つるつるハッチの卵」を指定してありますので、つまりメカニカルフィルターとして機能しまして、「『つるつるハッチの卵』が来たらコンベアシュートを開いて落とす」という仕組みなんですね。
あっそ。ここで速報です。

天然ガス間欠泉からのガスの吸気が開始された模様です。



サイクル 324

続ふさふさスリックスターへの道。
厩舎、施設の用意ができました。早速薪ストーブに木材をぶち込みまして、スリックスターの孵化までに部屋を温めておきたいところです。薪ストーブを炊きますと電力が発生しますので、それを放置するのももったいないのでとりあえずバッテリーを置きましょう。
この電力を消費するのにここで最適なのが孵卵器です。温めながら孵化も早めるわけです。しかも孵卵器自体もそこそこの発熱があります。図のように子守歌管理の癖で稼働時間管理用のタイマーを付けてしまう馬鹿もいますが、電力を消費しないと薪ストーブが動きませんので孵卵器は常時稼働でもいいでしょう。
スリックスターの卵を運んできた際の宅配ボックスだった格納庫はそのまま木材保管庫にして、手隙の配達員に自動で木材を運び込んでもらうといいでしょう。

尚、反体制野良ピップ集団の活動のおかげで木材は無駄に貯まっている模様。



サイクル 325
一旦 CM です。

ご覧のそれでお送り致します。

引き続きスリックスター厩舎からです。
孵卵器によって早くも幼生が誕生したようです。
さて、この厩舎の床面ですが、このままではスリックスターは自らが排泄する原油によって溺れてしまいかねません。排泄のたびに即拭き取りをするのも手ですが、一方でこの薪ストーブ、部屋を保温し続けるために稼働率を上げるにはもっと電力を消費しなければなりません。そこで液体を自動的に拭き取ってくれるお掃除ロボット「スウィーピー」を入れましょう。



サイクル 326

さてこの厩舎、急ごしらえで厩舎面積の計算が雑なためにひどく横長なんですが、これでは部屋の左右端で気温差が生じ、右方面は薪ストーブの熱の影響が弱く 35 ℃を下回っています。これはスリックスターにとって非常に危険な状態です。
そこで部屋の真ん中に右側へ行かないよう間仕切りが設けられました。

え、この1サイクル、その縦2マスのを設けた他には何もしてないの?
いやこのくされ原油ムシのガキがよー、間仕切りの建設指示を出した途端に右端に移動してあろうことか常駐しやがってよー、指示キャンセル → 左にフワフワー → 再度建設指示 → 右にスタコラ → 指示キャンセル、を半日繰り返させられさられられてこのサイクル終わりまで来てしまったもんだから、あ゛あ゛ー!!!って話。
なまじっか他の区域への熱移りを気にして拠点の端につくったもんだから優先度「緊急」にしても誰一人来ねえ来ねえ。久々にキレかけた。

にも関わらずよー、こいつよー、2マスの壁は乗り越えやがるんだなー。
ぎゃふん。



サイクル 327

気晴らしに宇宙(そら)を見にいった。
そしたら後ろからデボンに「あのー、余剰酸素のパイプ詰まりの件なんですけどー」って言われて、つまり宇宙廃棄パイプつくるなら早くしろって話らしい。
まだ苛つきが晴れてなかったけど渋々設計図書いて指示出したら、なんか「この距離往復云々」とかぶつぶつ愚痴りながら資材取りに行った。

夢か。



サイクル 328
配給。

誰だ、またキノコとか。黙って食え。

続、続、続、憎きスリックスター厩舎。
縦2マス間仕切りを乗り越えられぬよう返しをつけた。しかしどうせ何匹も飼う予定はないんだから縦4マス塞いで狭くしてしまってもよかったのかも。
それはそれとして、まだ薪電力に余裕があるので自動掃除機を付けた。これで木材の投入に複製人間を面倒かけなくて済む。

尚、気温は薪ストーブの稼働時で、薪ストーブ直下は 40 ℃超、周辺1マスは 37 ℃前後、間仕切りから左の空間は四捨五入で 35 ℃くらいのギリギリ。つまりまだ不足であり危険。
いや、本望はふさふさスリックスターの誕生であって、スリックスターにとって寒いくらいの環境の方がふさふさは生まれやすくなるからこれでいいんだけど、にしても死線が近いのはちょっとな。



サイクル 329

余剰酸素宇宙廃棄パイプ、ひとまず直通ラインのみ完成、開通。このままではとめどなく垂れ流し続けてしまうので、余剰分だけ捨てて最低限で留めるシステムも追加予定。



サイクル 330

色々つくったりキレかけたり黄昏れたり、疲れて経過観察だらだら。

地味に徐々に鋼鉄生産は進み始めた。電力は人力。そら捗らん。



現在の気温

概ね問題なし。
右下に新たにできた赤区が例の薪ストーブの原油ムシ部屋。



現在の空気

満ちておる。
下の方の塩素汚いの、どうしたもんかな。まあいいか。