BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

ワールドエンドダイナー VOL.5

私はワーカー、ではなくロボット。店をやっている。
レベルは 13 。からの話となる。


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ある日の昼、ランチ客で賑わう中、みゃーこ(飼猫・仮名)がどこに行ったかと見回すと、リスのお客さんの膝に乗っていた。なんと失礼な。と思ったが、位置関係の都合上そう見えただけだった。お客様がご注文のコーンフレークを与えてくださっているようにも見える。
のどかな微笑ましい昼時であった。



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また新しいバイトくんが来た。4人目になるか。どうということはない、先輩3人と働きぶりはまったく同じ子である。いや有り難い。


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同じ日、王様風のリスのお方がいらっしゃった。たしか以前にも一度来店頂いたが、何者か認識できずスルーしてしまった。今回はたまたまバイトくんの仕事ぶり撮影のタイミングであった。


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王様風さんがお帰りになったあと、黒メガネをした何者かもやってきた。
エージェントかな。



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この島には私以外に、住み着いているかのように常駐しているロボットが何体かいるが、それらとは別にたまに見かけるどこから来るのか正体不明の浮遊物体も現れることがある。
この日はこれまで見たこともない大きな何かがあった。居たと言うべきなのか。これに限らず、いずれのものも基本的にこちらからのコンタクトを受け付けるものではなく、逆に干渉をしてくる気配もない。
どことなく何らか監視や調査じみた気配が感じられなくもないが。


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そうそう、夜はこんなのもいた。合体しそう。



てってれー
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レベル 14 になるダイナーは全体の 16% ほどらしい。
Steam という世界のデータの参照による。

行商ロボットから釣り竿を買い、釣りができるようになったが、魚の用途が無く、やる意味がなかった。もっとも釣れるのは長靴や空き缶など、同様に用途ない不用品ばかりだが。



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ある日、サンティーノ(私が勝手にそう呼んでいる暴れ迷惑破壊ロボ)が、ちょくちょく島の端々を飛んで回っている謎の飛来物体と交戦。ビームを撃ち合い、これを撃滅せしめていた。
やるじゃないか。いや、しかし、謎のあれは撃墜すべき敵対的存在だったのだろうか。この島を何らか保護するためのものだった可能性もある。両者とも謎の存在であるからどうにも推察し難い。
迷惑ロボに軽く消される程度の機械だ、一体ではない可能性もある。過去に見かけていたものにしても、姿かたちは同じでもすべて同じ機体であったとも限らない。

戦闘のその後まで追うことなく、忙しいのですぐに店に戻った。



アイスカフェモカを始めた。
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私はコーヒーが好きだ。だからカフェメニューを充実させたいと考えた。
コーヒーは「コーヒー」なのに、「アイスコーヒー」にはできない。
「カフェモカ」はないのに、「アイスカフェモカ」はできる。
私というロボットは器用なようで不器用らしい。
または私を作った何者かの趣味だろうか。



プルトニウム
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新しい素材を採取できるようになった。それが何かを私は知らない。



まるい鳥
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最近やってくるようになった。それが何かを私は知らない。



鶏のいとなみ
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それが何かをわ(記録回路不良


翌朝
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どうしてこうなった。



キャラメルマキアート
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私はコーヒーが好きだ。
カフェメニュー充実のため増やしたが、好きなのはコーヒーだ。



ある日
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早朝から開店し、普段通り来客対応していたが、ふと見回して異変に気づいた。
厳密にはこの時間はまだ、不可解な気がした、くらい。


やがて
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店内は灰色ウサギで埋まった。
機械のお客が紛れることもあるが、動物は灰色ウサギしか来ない。


お昼過ぎ
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灰色ウサギしか来ない。店の外を飛び跳ねやってくるのも灰色ウサギばかり。


待機列までも
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パチンコじゃねえんだぞ。とどこからか聞こえた気がした。


何時になっても
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ずっとウサギ。大フィーバーである。
この不可思議な日において、バイトくんがウサギでなかったのがさらに不思議。

この日来店した無数の灰色ウサギのうちの一人がバイトくんであった可能性もある。灰色ウサギ族にとってなにか特別な日だったからバイトに出るなど有り得なかった。こんな日ぐらい客としてあの店の料理を味わってみたい、と思った。
そう考えるのが自然だと言えるかもしれない。

のちにグレーバニーデイと語られるのがこの日である。



ババーン
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つづく。