BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

ワールドエンドダイナー VOL.13

私はロボット。店をやっている。
レベルは 20 。

今回は私の一日の行動を書き出してみる。
レベル 20 になってから7日目の模様をお送りする。
季節は秋。



朝6時、起動。

毎朝マイハウスの脇で出待ちしている者が約二名いる。
一名は行商ロボット。朝から金の匂いに目をギラつかせている。

もう一名はバイトくん。就業登録している数名のうちの一名。必ず一名で、複数は来ない。シフトはランダムなのか、彼らの中で「今日は誰々が出る」と決まっているのか、私にはわからない。24時間365日放送し続ける気象番組のキャスターのようだ。と謎の比喩を持ち出す輩もいるが、しかし極稀にバイトくんが誰も来ない時もある。

その二名のうち手近な方に話しかけるところから一日は始まる。
この日はバイトくんに。基本的に有無を言わさず業務に就いてもらう。



充電。

この日は、この撮影を意識してなのか、行商ロボが私を避ける。
ということで、本来はバイト確認+行商チェックの後にやるバッテリー充電を先にやることに。



行商チェック。

品揃えの確認、所持金と相談しての買い物が主ではあるが、商品の脇についている数字=その物品の現在の所持数の確認も重要。採取可能な果実等に不足がないかどうか見ておきたい。それによってその日の営業をどうするかが変わってくる。

この日は山葡萄の在庫が少ないと感じた。



7時頃~ 農作物収穫

この日は四日に一度の農作業の日。
畑で眠る収穫ロボットを叩き起こして、実った作物を収穫していく。
かかしを畑の中に立てているためだろう、収穫ロボはかかしの横で止まってしまうので、かかし周りと上の方の作物は私自らが奴よりも速く刈り取ってやる。

刈り取った作物は、左下角に置いた収穫樽へと瞬時に入っていく。昔の人間などにはできなかったそうだが、今日この島では誰もが当然のようにできる瞬間移動の技である。



8時頃 次回の作物選定

作物の種を入れた種袋を覗き、所持作物の残数ともにらめっこしながら、次に作りたい物を考える。
うちの場合、大半の物は日に 10 個程度使う計算で常に残 20 個はあるようにしている。それを下回っている物があれば、その種を植える。畑の縦列2行か3行分 = 12 ~ 18 個。

ただし麦は他の作物の数倍使うので常に2行以上。
右端の2行は作物の収穫量が上がるバフ電灯を置いており、麦はだいたいいつもそこの2行。

あとはファーストフードやパスタ系、イタリアン寄りのメニューを主軸としているため、トマト、じゃがいも、たまねぎを多めに確保するようにしている。


種選定 ~ 種まきの間は時間を停止することができないので、種まきが終わるのはいつも 10 時前後になる。作物が実った日は午前中のほとんどを農作業に費やしているわけだ。



11 時頃~ AP 回収で島一周

この島の端々に点在する謎の遺物を調べるとアポカリプスポイントだか言う AP なるポイントが入る。主に司書ロボットとの情報取引に使うポイントだが、大量に貯める必要があるので、その回収のために島を一周する。

まずは畑の北にある司書ロボットのホームらしき石。



動物治療

次の AP 遺物に行こうとしたら負傷したレッサーパンダがいたので寄り道。
傷薬を与えたら即座に立ち去る。



AP 回収(2)

島の北西に歩き、これはロボットの残骸だったか。



謎ボックス

金やアイテムが入った箱が毎日何カ所かにある。AP 回収作業中に見つけたら拾うが、自ら探しまわったりはしない。あればラッキー程度の。



AP 回収(4)

3は島の南西端、バトルロボットの住処らしきロボットの死体だかいうとこ。
だったがその場面は、前段の謎ボックスに心奪われたか、撮れていなかった。

こちらはその3から東に歩いた、島の中央南、謎の大型の何か。



AP 回収(5)

4からさらに東へ、島の南東端にある、なにか。



落としもの置き場

朝の行商チェック時に不足を確認していた山葡萄を、ここまでの道すがらで幾らか刈り取ってきた。
刈っただけで拾い漏らしたものもあったが、そういうのはここで一括回収できる。

物が出てくる時の音が一瞬極めて不快ではあるが、存在に気づいていなかった落とし物も一緒に集めてくれるので、大変便利なシステムである。



お昼過ぎ

農作業の日は AP 回収から戻ると昼を過ぎている。
時間停止しながらどれだけ効率的に回ってもそれなりにかかる。

そして店に戻ってもまだ開店できない。準備がいくらかある。
ベッドメイクもそのひとつ。
ベッドルームの位置はやはり再考すべきかもしれない。



また充電。

農作業の日は、ね。



家畜とペットの世話

鶏、ヤギ、猫を撫でる。
鶏は産卵数、ヤギは搾乳量の増加を促す。
猫は「ミャー」鳴くのを聞くため。そういえばみゃーこ(仮)だった。

あと、各エサの補充もしておく。



開店

この日は 14 時を回ってからの営業開始。



夕方頃

開店してしまえば客対応に追われて忙しいばかりなので、何を作るも在庫を窺うもすべて適当である。いや、私はロボットなのでもちろん常にすべて計算して調理・補充しているが、その内容詳細を書き連ねると長くなるので割愛するというわけである。




日常的な賑わいである。



オーダーストップ

閉店前に店の中央付近に向かう。
常連客からは「おや、もうそんな時間かい」「もはやこれまで」などの声。



23 時、閉店。

掃除ロボットと共に汚れた箇所を掃除する。
みゃーこ(仮)は代金を拾って回る。
無論、掃除も回収も私が誰よりも働くのである。それが店主たる者の務め。とは言わないまでも。



土産物補充

土産棚はカウンターから少し離れているので、日中の営業の合間にグッズの作成を行い、毎晩このタイミングで補充する。どうせ大して売れやせん。買う奴の気が知れん。とは言わないまでも。



24 時頃~ 水汲み

バケツに調理用の水を汲んでおく。



仕込み

汲んだ水も使いつつ、翌日分の仕込みや補充を行っておく。
主に小麦粉の作成やパスタの調理を余分に。しかし言うほど入念にはやらない。

水が足りなくなったらまた汲みに行く。



深夜~ 釣り、採集

あとの時間はフリータイム。
主に不足気味になった素材の採集。木とか石とか。
この日は釣り。マグロ 48 匹採集のミッションが出たので。



26 時半過ぎ、レッドゾーン

活動リミットである。速攻で帰宅し POWER OFF る。




こうして一日が終わる。
またすぐ6時に起床、次の日が始まるのである。




恐らく多くのダイナー運営ロボットがこんな感じの日々を過ごしているのではなかろうか。至って平凡なダイナー暮らしの様子であると思う。

なにがおもしろいのか、と問う者もいる。
おもしろいとかそういうことではない。ここにこういうロボットの暮らしがある。それだけのこと。

それでしあわせなのか、と問う者もいる。
しあわせも不幸せもない。私はロボット。ただそれだけ。



そしてつづく。