BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

アストロニーア VOL.3

クルマの先っちょに取り付けて掘りながら走れるドリルができた。

しかし、いたずらに起動すると思わぬ角度に掘り進んで、よろしくない。
使いこなせりゃ諸々楽にもなろうが、使いこなすまでに諸々よろしくない事が頻発しそうで、これどうしたもんかね。


少し考えた後、いや大して考えもなく、とりあえず好きに掘らせて進ませてみることにした。
クルマに乗っていれば基本的に怪我も事故も死もない。どんな高度から落下して反転しても、クルマも操縦者も傷ひとつ付かない。クルマに耐久値とかもない。あるのは動力源たる電力の不足ぐらいだが、それもクルマのどこかに、或いは牽引車両にでも風力発電機とバッテリーを付けておけばほとんど困ることはない。


そんな感じで、行ってみた。
どんどんと斜め下方向に進んでいく。車高よりわずかに高い程度の荒い半円のトンネルを作りながら。
ある程度進むと、ボッと地下空間に出る。
最初は既知の、これまで探検済みの景色と同じような空間。たぶん過去に来た場所と遠からず繋がっている階層だろう。
道がなくとも進んで落下し、その階層を少しだけ物色したのち、さらにクルマのドリルで下へ向かう。
また地下空間に出る。

三階層も進むと見たこともない景色が現れた。
うーわーなんじゃこりゃーと思いつつ、ろくに物色もせずさらに下へ掘り進む。
やがて、土を掘るガロロロロなんて音が、岩を削るようなギュイイイイン音に変わる。深くなるにつれて地質が変わったらしい。

それでも掘れるなら進めるならと、さらに下へ下へ。
底の底はどうなっているのか。何があるのか。
そこに着いたらどうなってしまうのか。
マグマとかで溶けてしぬのかと思ったら



謎の空間だった。ゲーミングなんちゃら。
解除された実績によると「星の核」だと。

天地が逆転? 重力反転?
なんかそんな感じにぐるぐるしたのち、来た入り口を見失って別のどこかに降り立った。


ここはどこなのか。
だが、まあ、問題ない。
どこであれ、帰るのは簡単だ。
コンパスを開いて、拠点のホームマークを確認。
その方向に向かって進み、壁があるなら斜め上方向に掘って上り坂を作り、一直線に行くのみ。

来た道は知らない。
階層ごとの空間に出たならば、尚もまっすぐ、道をならし、さらなる上り坂を作り続けて、根気強く進む。
途中、素材の溜まりに当たって、意図せず掘り出した素材が持ちきれなくなり、作ってきた坂を次々転がり落ちていったり、なだらかな坂を作っているつもりがじわじわ壁同然の急角度になっていることに気づかなかったり、した。


やがて拠点のマークに辿り着いた。
が、状況はまだ地下空間。つまり拠点の真下で、まだ出られない深度。
どこともわからぬ所から真っ直ぐに長々、長い坂を作って進んできたが、拠点からの直線距離は大したことなかったらしい。

そのまま無視してさらにまっすぐ上り坂を作り進む。
次の階層空間に出たら、折り返して再び拠点に向かう。
必然的にヘアピンカーブとなる。

そういえばこの旅の出立時に、長い深い鉄道を敷こうと考えたのだった。
このヘアピン、楽しみだ。
などと思いながら進んでいったら、その次に出た空間は、すぐ近くにテザーの青線が見える既知の場所だった。
しかも既にテスト的に作った鉄道が近くにあった。
これを地下最下層まで繋げよう、ということで、拠点帰宅後すぐに次の仕事に取り掛かった。



まずレールポストを適当に3つ4つ(中身は x10)作る。
それを持ってクルマに乗って、切り拓いてきた超ロング坂を下る。
ちょっとしたジェットコースター。これは楽しかった。

最下層に着いたら、1時間以上かけて掘って登った坂道、1分で下ってきたその道に、レールを敷設しながら、また1時間くらいかけて登る。途中レールが尽きて一回帰ったりもした。
ヘアピンも特に問題はなかった。良く言えば、ゆりかもめのレインボーブリッジ前の大回りみたいな感じになった。いや、そうでもない。



で、中略。
できた。

電車で下ってみる。

スタート


無駄に二三往復、乗るだけ乗った。
なかなかすごいゲームだ。


この後部車両、三両目に取り付けた「ウィンチ」。
これがまたすごい。何でも引っ付けて何でも引っ張れる。何でもは言い過ぎ。
牽引、引っ張っている最中の物体は重量ゼロなのか、物理法則とか無視してウィンチの紐を軸に乱雑に暴れ回る。

鉄道で行った先でクルマに乗って探検したいと思い、ウィンチにクルマを取り付けてみたらしっかり運べて笑った。
それがおもしろかっただけで、結局探検はせずにそのまま復路でも笑って帰った。



なんだこれ。