BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

ファクトリーシミュレーター

休日早朝、目が覚めてスマホいじっていて、なんとなくゲームを検索していたら、その時求めていたのとは全然違ったけど良いのを見つけた。


Factory Simulator (Android)
play.google.com

工場の生産ライン設計ゲーム。
リリースは 2020 年 2 月とのことで、既にそれなりに知る人ぞ知る良作だった模様。ただし日本語非対応でゲーム内基本は英語。そのため日本人ユーザーはあまり多くない模様。ビジュアル的にももろにインディーゲーな地味さで、派手な演出やアニメ風キャラやらボイス実装やらで喜ぶような若いユーザーの目を惹くものとは正反対にある感じ。逆に言えばこのタイプのゲーム好きが好きで作り込んでいるように感じられ大変好感が持てる。

その数少ない日本人ユーザーからのレビューで「assembly line 風」と言われている。そのようなタイトルのゲームが過去にあったらしいが、自分は知らなかった。
個人的な感覚では、結論から言えば PC インディーゲーム "shapez" や "Factory Town" 風。採掘資源はほぼ無限、生産物を収集拠点に流しコストを稼いで拡張&効率化していくタイプ。戦闘やキャラクター育成とかの余計な要素が無く、ひたすらにライン設計&構築に没頭できる。ここ二年ほど最も好物と言えるタイプ。

スマホゲーのこの手のものによくある、胡散臭いナビゲーションキャラがいたり、かったるい説明ムービーが流れたりとかもない。さらに勝手に挿入される広告もない。

一方で、全部英語で、説明はほぼ英文のみなので、要領を覚えるまでは少し苦労する。が、多くは重要な文言を強調表示してあったり、アイコンを見ればおおよそ察しがつくので、翻訳サイトで調べることもなくだいたいは理解できる。「この手のゲームに慣れていれば」という前提条件を付け加えておくべきかな。



ゲーム画面。

何もないフィールドに、ドリルを設置して資源採掘、コンベアを並べて、[$] の売り場に送って換金。施設を増やし、資源を加工、合成して、より複雑な物を作って収益率を上げて、敷地と設備を拡張していく。基本的にはそんな感じ。
これは既に少し拡張を進めているが、最初は 5 x 5 の範囲しか使えない。

画面上方のナビゲーションは左から
・再生マーク : 時間進行/一時停止をタップで変えられる。
・緑サンダー : 現在の発電(供給)電力の総量。
・赤サンダー : 現在の消費電力の総量。
・黄サンダー : 現在の蓄電量 / 蓄電量の最大値
・青いやつ : 研究ポイント。
・$ : 所持金。
・金ギア : プレミアムショップ(後述)で使う何か。


メインのゲームフィールドにおいて鍵(錠前)がかかっている部分は、所持金を払うことでアンロックでき、自由に使えるようになる。アンロックする場所は任意タップで選べる。一面アンロックするごとに次のアンロックに必要なコストが上がっていく。


画面下方のツールバーは左から

・プレゼント箱 :
左端。広告視聴や時間経過で所持金を増やせるスマホゲーらしいあれ。課金あり。

・ハンマー (Build mode) :
別窓パネルを開き、施設やコンベアを選択、コスト(金)を消費して、フィールド上の好きな位置に設置することができる(この間、時間進行は停止しない)。基本的に最初からすべての施設が利用できるようだが、コストはそれぞれに異なり、上級施設ほど高く設定されているので当然序盤に買うのは無理。(詳細後述)

・十字矢印 :
移動。フィールド上に設置したものを自由に移動できる。コストはかからない。既に施設があるマスに別の施設を移動させると、二つの施設の場所が入れ替わる(スワップできる)。

・右回り矢印 :
回転。フィールド上に設置したものを自由に回転できる。コストはかからない。
施設はデフォルトでは下方向に物資を出力する(初見では大変わかりにくいが下辺が緑色のふちになっている)。回転させることでその出力方向を変更できる。尚、出力先にコンベアや施設が無い場合、正常出力不可ということで出力方向のふちの色が赤になり、出力された物はゴミ扱いになる。
また、コンベアは Factorio のコンベア風で、上下左右の直進方向のほか、縦と横を繋ぐカーブ型にも変更可能。その他、スプリッターやフィルター(いずれも後述)の方向変換も可能。

・赤X (Selling devices) :
売却。フィールド上に設置したものを撤去、売却する。売値は設置価格の半額。

・X本 (Recipe List) :

生産物の全リスト。何がどう作れるか、それを納入すると何がいくら得られるか、全部書いてある。右も左もわからない最初は、とりあえずリストの一番上「Items」の一番目「Lock」を作ることを目指すとよい。
目的の生産物のアイコン絵をタップすると、素材と作り方も表示してくれる。その素材もまたアイコンタップで同様に作り方が表示され、辿っていくと最初に採掘すべきものが何かまでわかる。

・「?」 (Learning) :
チュートリアルおよび基本的な遊び方説明。英語がわからないなら読むよりやって試していった方が理解は早いに違いない。

・顕微鏡 (Researches) :
研究要素。条件を満たして上級生産物のアンロック (Products) 、生産性や収益率のアップ (Improvements) 、施設のレベルアップ解禁 (Blueprints) が可能。

・バッテリー (Energy Storage) :
蓄電状況の確認とレベルアップが可能。

・倉庫 (Warehouse) :

バックグラウンドインベントリとでも言うべきか。フィールド上に設置するストレージとは全く別の、上位概念的に存在する物資収納エリア。生産出力に失敗したゴミはここに入る。また荷降ろし施設(後述)を使ってここに物資を収納することで、研究の条件を満たすことが可能なものもある。
ゴミを含め、収納アイテムはフィールドに下ろすことなく売却して換金可能。

・ギア (Settings) :
いわゆる設定画面。

・銭袋 (Premium shop) :
右端。特殊アイテムが買える。課金要素あり。



建設 (Build mode) の内容

Conveyor
ベルトコンベア。時間単位 1 に対して最大 10 アイテムを運ぶ。
搬送先が何もない場合、運ばれたアイテムは捨てられゴミになる。

・Drilling rig
ドリル。採掘マシン。フィールドマスから鉱物、石炭をランダムに抽出する。
1機導入ごとに次の購入価格が 50% 上がる(最初は上図よりもっと安い)。
さらに耐久値があり、定期的にメンテナンスキットを買って修理しないと稼働しなくなる。そのメンテナンスキットは後述のショップで買うが、そこらの施設やコンベアよりも割高、いやクソ高く、なかなかの金食い虫。

・Coal generator
石炭発電機。
ドリルで採掘した石炭をここに送ることで、石炭を燃料に電気が作られる。
デフォルトの Level 1 では石炭 1 から電力単位 160 を生み出す。

・Splitter
スプリッター。分配器。
施設またはコンベアの出力先のマスに置くことで、アイテムの出力先を2方向に分けられる。
左/下、右/左、下/右の3種類にモード変更可能。またそれぞれの出力比率の設定も可能(左2:下1、とか)。スプリッターを連結していくごとに元の流量は半減していくので、分配先の流量をすべて均等にしたい場合は出力比率を調整する必要がある。

・Filter
フィルター。選別器。
指定したアイテムとそれ以外のアイテムの出力先を分けることができる。スプリッター同様に3種類のモード変更可能。
このゲームのフィールド地面は埋蔵資源の分別がない。ドリルで採掘すると資源はランダムに出力されるので、下流の加工施設に特定資源を送るには必然的にフィルターが必須となる。

・Storage
ストレージ。最大 10 種類のアイテムを収納することができる箱。
施設やコンベアの出力先に置くだけで収納してくれる。インサータなんて馬鹿げている。中の物を出す時は、施設やコンベアの前に置いて中身を開き、出したい物とその数を指定して「Unload」、で一気にガーッと出力してくれる。


・Loading area
積み込み場。倉庫のアイテムをフィールドに下ろす場所として使う。

・Unloading area
積み下ろし場。フィールド上のアイテムを倉庫に送る場所。
単語の和訳ではアイコンの矢印と逆の意味になるらしい。Loading = 客先に出すトラックに荷積みする / Unloading = 仕入れてきた物を自社に荷降ろしする、と考えればいいのか。

・Sales area
売り場。すべてのアイテムを納入し、金に換える場所。
"shapez" の中央のやつと同じだが、このゲームでは中央でなくともどこでも好きなところに移動できる。複数置くのもありらしい。

・Intersection
交差点。異なる2方向の物の流れを交差させることができる。
ラインが複雑化してきたら役に立つ。

・Shop
ショップ。生産活動に必要な資材を購入できる、フィールド上に置く店。
これ自体が「フィールド上の施設」という点がミソで、買った商品を施設に送るにはこのショップ自体を施設の隣に置くかコンベアで送り出さなければならない。出力方向にも注意が必要。

・Macerator
粉砕機。鉱石1つを2つの粉粒に砕く。


・Furnace
炉、かまど。粉粒鉱石を溶かしてインゴットにする。

・Hydraulic press
油圧プレス機。鉱石インゴットから金属板を作る。

Wire mill
ワイヤーミル。鉱石インゴットからワイヤーを作る。

・Electronics assembler
電子組立機。金属板やワイヤー等を組み合わせて電子部品を作る。

・Circuit assembler
回路組立機。電子部品から電子回路とプロセッサーを組み立てる。

・Mechanism assembler
メカ組立機。メカニズムおよびそのパーツを組み立てる。

などなど。以下省略。


何の作成にどの施設が必要かは、前述した通り Recipe List を見れば書いてあるので、各施設の英語説明文は読まなくてもわりと大丈夫。長押しタップでどうのこうのみたいなややこしい操作も求められることはなさそう。直感的で分かりやすい UI だと思う。

言ってしまえば既発先発ヒット作品のパクリである側面は否めないけども、スマホで外国語でそれなりに、PC の同系統ゲーム並に遊べるのは大したもん。
英語に顔をしかめながら初めて使う施設の挙動に難儀しながら生産ラインに試行錯誤している時が楽しい。知らん間にフィールドがぐちゃぐちゃしてきて、でも目的が達成されていくのがとてもおもしろい。ちゃんと良いとこ突いてくるゲームだ。

shapez や Factory Town は好きでやり込んだが終わってしまったので、そっくりの別ゲームがしたい少々相違点があると尚良いその相違点が不快でなければ尚更に良いでも Factorio 風は嫌。などというわがまま極まりない要望に応えるゲームがまさにこんなのだった。shapez2 までの繋ぎにもちょうどいい。