BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

スチームネクストフェス 2023JUNE

帰ってきた体験版漁り。
過去数回の開催時は何もやらず過ごしてきたが、此度なんとなく気が向いたので手を出してみた。

ネクストフェスのページ上、「すべてのタイトルを閲覧」という一覧リストをだらーっと眺めて、マウスオーバーで流れるわずかなデモ動画を観て気になったものは一旦ウィッシュリストに入れ、画面下の「もっと表示する」で次のリストをローディング。
三時間ほどその作業を繰り返して(うち二時間寝落ち)、選び抜いた数 20 ~ 30。その後さらにウィッシュリストから各個別ページを確認。ノーウィッシュとせずデモ版をダウンロードし、実際にやってみたのが以下。


While the Iron's Hot

鉄は熱いうちに打て。焼きだんごは熱いうちに食え。(タッタ)

鍛冶屋青年のお仕事ゲーム。デモ版では日本語なし。英語でプレイ。なので会話は漠然としかわからないが、じじいから稼業を継いだらしき青年が、道具やレシピを得て鍛冶業の経験を積んでいく話。
ゲームシステムは複数のジャンルを組み合わせており多少複雑。ベースをどこに置いたゲームなのかも判然としないところがあるものの、始まりは横移動のみの2D舞台形式の会話型アドベンチャー風。主人公がコンタクト可能なキャラクターや物体には随時反応表示が出る親切設計。

肝心の鍛冶ゲーが入り組んでいる。
鉱石をインゴットに精錬するスメルター、インゴットを素材に変えるアンビル、素材を組み合わせてアイテムを作る作業台など。これらは最初から用意された作業小屋にあり、主人公の体力が続く限り自由に使える。が、各作業工程はそれぞれ異なるミニゲームになっており、正直若干鬱陶しい。スメルターとアンビルはタイミング目押しで、うまくできると生産量や質が上がったりするらしい。作業台はパズルで、レシピに書かれた配置通りに素材を置くことでそのレシピのアイテムを完成させられる。など。

アドベンチャー形式の村を出ると、なぜか世界は俯瞰2Dマップになり古典的 RPG スタイルで方方を移動、未踏の土地はすべて雲でマスクされており、主人公が移動するごとに雲が晴れていく。見えない敵にエンカウントして戦闘に切り替わったりはしないが、移動に伴う体力の消費量がアドベンチャー時よりも高く、その点で行動には制限がかかる感じ。

RPG マップ上には洞窟があったりして、中に入るとアドベンチャー形式と似たプラットフォームなアクション風味の探索ゲーになる。序盤は主に鉱石の採取とお宝探し。モンスター的な敵は出ないが、壁が壊せたり仕掛けをいじってルートを作ったりなど、少しは頭を使わせる部分も盛り込まれている。ここもまた、主人公が触れるものには近づくと反応表示が出てくれる親切設計。

アドベンチャー風に会話をして、あちこち行ったり来たりしてクエストをこなし、素材を集めたり道具を作ったりして、鍛冶の依頼で金を貯めてあれこれ建てたりなんだり、といった流れのゲームらしい。
続けていくにはミニゲームと会話が鬱陶しいが、わりと悪くない部類。しかし恐らく三千円前後になるかと思われるが、その値段払って長々やりたいかというと。



Word Factori

文字を生成する工場のラインを組んで単語を出荷するゲーム。
はじめに、「I」(アルファベットのアイ)を生産できる施設だけがある。その隣に、二つの文字を合成できる施設を置く。「I」生成機から合成機に2本のラインを引くと合成機は「V」を生み出す。また隣に、入力された文字を反転(左右 or 上下)できる施設を置く。合成機からの「V」を上下反転機に入力すると「Λ」を出力する。また別に、入力された文字を90度回す施設がある。「I」を回転機に入力すると「ー」を出力する。「Λ」と「ー」を合成機に入力すると「A」を出力する。

こういった具合に幾つもの施設をラインで繋いで任意の文字を生み出し、それらの組み合わせで指定された単語を完成させ、その語を10出荷すればクリア、次のレベルへ。という内容。
自分の知る似たゲームとしては、大好きな "shapez" が近い、と見た目に直感して、たしかに好みのゲーム性ではあったが、べつにこれ工場ライン自動化ゲームの体を成している必要はないと思う。それ言ったら shapez もそうかもしれんが、なんかこれちょっとこれな。ゲーム性に対してのとっつきやすさとして工場ライン系の成りを選んだか、或いは数字計算工場ゲーム "Beltex" と同様のその種の亜流っぽい。と思った。
フィールドが1画面で完結して狭苦しいこともあり、デモ版だけで十分な感じ。あと操作性がやや悪く、少し苛つくところがあった。



Ratopia

擬人化ネズミたちのタワーディフェンス "Ratropolis" というゲームで知られるメーカーの恐らく同じ世界観をベースにした、横2Dのコロニーシミュレーション系。デモ版ながら日本語でもプレイ可能。
地平にある樹木や草花、地面を掘って土、地下に掘り進んで岩などの素材を集め、生活施設を建て、研究したりして、日々増え続ける仲間を労働者として生かしこき使い、やがてやってくるらしい敵にも対処しつつ、地表&地下空間に都市を築いていく。
テラリア風でありつつ、オキシっぽさも濃い。気体や熱の管理概念などはないが、奴隷的仲間たちに指示を出しクラフト&サバイバルという基本のゲーム性が似ている。初日にトイレ作らされたりも。

何も指示を出さなくても採掘した素材をガンガン拾って貯蔵庫に入れてくれるのは有り難いが、その他は操作性がいまいち、細かなバグも見られ、色々甘い。
オキシ慣れした者としては完全操作可能な主人公キャラがいるというのは、煩わしさでしかない。ファクトリオやその系譜のように、主人公キャラが施設の至近距離に居ないとその施設の設定をいじれない。
たぶんそこそこヒットしそうな気はするし、やり続けたくなるようなゲームではある。完成版がどうなるか気にしておく。


Growth

英語をよく読まずにやってよくわからずハマれなかったヘクスタイル環境パズル系。動物の種類がカギらしいが、どうすればどういう効果なのか、書いてはあったが読み飛ばした。そしてどうなればクリアっつうかオーケーなのか全然わからん。だがゲームオーバーはある。


Land Above Sea Below

同じくヘクスタイル環境パズル系。こちらはさらに説明が少なく、わりと雰囲気系。以前、同系統の "Dorfromantik" というのをやはりデモ版でやって数分で「つまんね」って投げたらリリース後に圧倒的高評価が付いて世間との感覚の隔たりに酷く呆れたが、たぶんそれと同じタイプ。こういうのは ”ISLANDERS" で十分。
じゃあハナからやんなよ。いやいや環境系、雰囲気系なら感覚的に適当にやってでもわかるように作れよ言葉でだらだら説明すんなよって話で。無料のデモ版、数分で Esc ~ Exit Game って抜けたゲームに対して文句だけは上等。



Crop Rotation

2分でやめたけども、駄目な例として貼っておこう。おもしろそうなのにチュートリアル開始からの文字説明が多すぎてやる気失せた。万国の万人に極力わかりやすくとっつきやすくしようという心がけがゼロ。
てめえが英語を勉強してから出直して来い、と。はいすみません。



Lucky Island

5x5 マスのスロットで資材や金を稼いで島とそこに暮らす島民の生活を管理する変則シミュレーション。スロットでどうのこうのというので最近ヒットしたなんとかってゲームと同類なのかなよく知らないが。
英語で、やはり諸々よく理解できず、スロットを回すだけ回して二日目で終了。もう一度やって島民が仕入れた物品の売買の方法など少しわかったが、やはり二日目で終了。いらん。



Causeway

道路敷設パズル。空想未来世界のような無菌無機質な街の島を浮かべた海。道のない2点間(または複数点)に道を引き、車が通れるようにする。適切な往来ルートができたらクリア、次の面へ。それだけ。ストーリーなどを語るものはなく、文字説明も最小限、手探りでやってもゲーム性だけはだいたいわかるようになっている。
それはいいが、グリッド状になっているらしきフィールド状での道路設計操作感は良いとは言えない。また、カメラ視点の変更も不可能なため、画面奥の方での操作がさらにやりづらい。色々無駄が省いてあるのは良いが、むしろ説明不足で先々進むとルールの理解が及ばず、適切に道路を繋げたと思ってもクリアできずぐぬぬ



Downtown Dealers

デッキ構築カードゲーム型の都市育成ゲーム。要するにスレイザスパイアのゲームシステムでやるシムシティ的な、要約できた気はしないけどまあそんな感じ。
ベースになる格子状の土地(場)に、民家とかビルとか公園とかのカードを置いていって、人口とかなんとかのメーターを上げていったりしてどうだかなるとクリア、って肝心の部分がよくわからずやめた。
カードには各々使用コストと場に影響する効果があって、選択や順序を考えながら進める必要がある。状況によっては使えないカードもある。ターン制で、コストが切れるとできることがなくなるので次のターン、手札は捨て札に入り新しいカードをドロー。山札が無くなると捨て札が戻ってデッキが一巡。
勝利条件を満たしてクリアすると次の面。ステージ進行もスレイザスパイア風で、マップ上をルート選択で進んでいく。2マス目でやめたので進み続けるとどうなるのか不明。英語がわからず詰んだのではなく、こういうゲームが元来下手だということはスレイザスパイア他類似ゲームたちが証明してくれているので日本語であってもろくに楽しめないだろう。いらん。



漢字インダストリー

俯瞰2D工場ライン設計シミュレーション、つまり shapez 系。上述のアルファベット合成工場 "Word Factori" にも近からず遠からず、こちらは漢字合成工場。日本語タイトル、ゲーム内も完全日本語で、制作者も日本人なのかも。
やっぱりゲーム性そのままただ漢字に置き換えるだけではパクリになるからか、機器の入出力のしかたやラインの置き方などにひと癖ひねりがあって、それがまあ shapez 愛好者にとってはやりづらさになっていて、単独で見ればおもしろい独自性でもあるけども、馴染むには時間がかかりそう。
あと Word Factori 同様に、フィールドが狭い。限られたフィールドでどうラインを組むかっていうところで頭を使わせたいのかもしれないが、これまたどうも馴染みづらい。単に広すぎるとゲームの容量を食うからってだけか。スマホゲーなら我慢するが、PC でこの狭さはちょっと。惜しい。




以上。

開始数分でやめて即アンインストールしたものも結構あった。
相変わらずの殺戮サバイバー系、FPS 系、ホラー系の人気が続く中、コロニーシミュレーションや街づくり、工場自動化系もそこそこ増えつつあるようで、それ系と確認するたびに軽々しくウィッシュリストに入れてみたが、プレイする前にノーウィッシュとなるもの多数。

それ系が好みだけども、それ系っておもしろさの反面面倒臭さも山盛りなので、序盤のシステム把握の面倒臭さ、発展していった先での全体管理の面倒臭さがもうデモ動画だけで想像できてしまって、嫌だなあって。

で、毎回恒例、このスチームネクストフェスでやったゲームは一つも買わない。
やりたいゲームを探すのではなく、やらなくてもいいゲームかどうかを発売前に確認するイベント。消費者にやさしい良いイベントです。