BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

うつつ雑感 239月の3

おえかき継続中。

描く作業の最中、当然映像の類いを観ることは難しい。
ウェザーニュースライブくらいなら流しておいて構わないがそれはほぼラジオ。そして好かないキャスターの時間もあり、ずっとは流していられない。そんな時、何を聴くか。何を流すか。

所有音源。
アイチューンズに入っている一万数千曲。長年繰り返し、ほとんど聴き飽きた。飽きていないものはそもそもそれほど気に入っておらず再生する気にならない。かと言って削除するほど嫌いでもないのだが。

サブスク。
アマゾンのプライムミュージック(無料版)は使い物にならなくなって久しい。先日デスクトップ版アプリを更新しようとしたらダウンロードサイトすらよくわからなくなっていた。
その他のサブスク音楽には興味もない。聴くならそれなりにちゃんと買いたい。と言いつつユーチューブの「Topic」系音源はたまに聴く。あれらもしかし無料視聴についてはじきに対策されるのだろう。

ラジオ。
国内のラジオ番組には興味がない。ラジオと言ってもテレビやネットで話題の事柄を話す者が少なくなく、世間的に有名らしい知らない固有名詞が出てくるとついていけなくなってつまらないのでいつしか聴かなくなった。
聴くなら海外のウェブラジオ。音楽と最小限の放送局ロゴくらいしか流さないから良い。稀に DJ やら MC やらのトークが入ってきても外国語ならはなっからわからないので BGM 無しでラップをやっている人がいるくらいの感覚で聞けば全く問題はない。

しかし音楽のみのラジオもずっと聴いていると飽きてくる。要するに似たり寄ったりのポップ音楽のビートやリズムや音自体に食傷気味なのだろう。全部いっしょやんと。いつもではないけれど、そういう時がよくある。年々そう感じる頻度は増している。


じゃあ今聴きたいのは何か。流していて気にならないのは何か。
ひとつ良いと思ったのは、映像作品 DVD や BD 特典のオーディオコメンタリー。本編を一通り観終えてコメンタリーのためにもう一回黙って観るのはしんどいなあっていうのを、おえかきしながらやはりラジオ感覚で聴くのがちょうどいいと気づいた。
コメンタリーって多くは楽屋でやれ裏でやれって言いたくなる聴く価値のない会話ばかりだし。もちろんそうでないものもなくはないが、オーディオコメンタリーというのは正直なところ嫌いでこれ以上は文句を書き続けるばかりになるので以下略。
だからそういう「特典」を付けたいがために入れられた無駄音声データを流すのには、客のこちらも片手間でいい。

あとは、無音。
正直これに勝るものはない。と思う時もある。無音こそ一番集中できる。一番作業が捗る。という時もある。そうでない時もある。これが自宅でない職場なら無音でも当たり前で作業するしかない。が、自宅だと例えばコーヒー淹れりゃ手元のマグカップに頻繁に手が伸びるし、コーヒーのお供に何かつまみたくなったりもするし、無音の中で余計な考えが浮かんで調べ物のためにすぐスマホや PC のブラウザをいじったりするし、トイレ行き邦題、居眠りし放題、あーこのあとあやちだーりえなんだーとウェザーニュースの番組切り替わり時間を気にし放題、ウェザーミュージックの度にミュートし放題。
忙しい。捗るやら捗らんやら。


もうひとつ、最近見つけた。
ウェザーもラジオも音楽も、無音もなんか違うなという時、ふと小説の朗読でも聴いてみるかと思った。ふと。ふとまでの以前に経緯は色々あるがどうでもいいので中略。
まずアイチューンズストアのポッドキャスト群を眺めた。が、前提として小説というのは他者版権ものなわけで軽々しくポッドキャストのような形式で配信できるものではなく、ろくに数も見つからなかった。
じゃあ、音声読み上げソフトに読んでもらうのでもいいやと思って青空文庫にて適当な作品を探そうと思った。そしたらそこに「青空朗読」なる朗読音声作品があった。いつからあったのか知らないが、こりゃあいいと幾つか聴いた。
おえかき中に聴くのにこれほど最適なものもないと思った。まっさら下描きから始める時には絵に考えがいくので耳から耳へ聴き逃がすことも多いが、描きたいものが概ね決まって線を固めていく時にはとてもいい。手元は集中しながら頭には名作文学が入ってくる。芥川龍之介って良いなあと初めて思ったり。
aozoraroudoku.jp


まだ作品数は多くなく、青空文庫(テキスト)にはあっても朗読音源のない、でも自分で読むのは面倒っていうか描きながらは物理的に読めないけど読破したい、そんな作品もある。
そんな我儘強欲に応えてくれるのが、結局はやはりユーチューブだった。名作版権物を読み上げる動画が、タイトル検索でぽんぽん出てくる。素人の勝手なものもあろうが、それなりにそれなりの方面に許可を取ったと思しきちゃんとしたのもある。



これで当分朗読音声と共におえかきが楽しめる。
と思ったが、いやはやすぐ飽きた。やはり無音こそ至高。