BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

スチームネクストフェス 2023OCT その1

Steam の発売前ゲームの体験版放流祭り、春期に続きまた漁った。

ネクストフェスのページ上、「すべてのタイトルを閲覧」という一覧リストをだらーっと眺めて、マウスオーバーで流れるわずかなデモ動画を観て気になったものは一旦ウィッシュリストに入れ、画面下の「もっと表示する」で次のリストをローディング。を繰り返して選び抜き、その後さらにウィッシュリストから各個別ページを確認。ノーウィッシュとせずデモ版をダウンロードし、実際にやってみたのが以下。
春期に書いたのの冒頭より


「すべてのタイトル」、恐らく本当にすべてと思われる、「もっと表示」が尽きる最下段までひと通り見た。たぶん 500 ~ 600 くらいあったんじゃなかろうか。もっとだろか。
基本的に FPS または一人称視点のものやホラー系ゲームは内容の如何を問わず即座に却下。明らかにド素人の試作品みたいなのもすっ飛ばし、一次選別でウィッシュリスト入りしたのは50作ほど。
そこからデモ版インストールに至ったのは20ちょっと。デモ版といえどその数を一気にやり倒すのは疲れるので休み休み。
馬鹿も休み休みで今回はまず半分程度。

以下、プレイした順。
インストールした順でもあり内容確認した順でもある。


The Crust

月面に工業コロニー的なものを作って貿易しようなどというコロニーシミュレーション。だが、序盤はまず資源豊富でなんでもできそうに思わせるチュートリアルの途中、作業エリアに唐突に小隕石が直撃、すべての施設が鉄くずと化す。なぜかエレベーターと作業ドローンだけ残っていて、わずかの資源を駆使して発電設備などの初期施設からやり直すというシナリオ。

そこそこ壮大っぽいオープニング演出があったり、ゲーム中もボイス入りで説明が入るなどストーリー面にもこだわりがあるっぽい。とはいえ正直そんなの邪魔。手触りは "Surviving Mars" とかの斜め俯瞰タイプの惑星開拓シミュレーションと似たような感じ。日本語はないがそういった前例に経験があれば操作感には問題なさげ。でも結局じっくり進めるなら言語の壁はでかいよねストーリーがしっかりあるなら尚更ね、と。

先々壮大なわりに序盤の展開 = 地下採掘して特定資源を掘り出してそれを上位資材にクラフトしていく、その加工施設を拡張しつつ、日照時間が限られる中ソーラーパネルでの電力需給にも配慮したりして、月面経済基地に仕上げていくまでには相当に時間がかかりそうで、これはもうデモ版では本スタートにさえ到底辿り着かない。
日本語が入ればとも思うが、しかしゲーム性としては既知のものを恐らく三千円や四千円くらいになるであろう価格を払ってやるだろうか。うーん、否。


Cursorblade

カーソルを操作して画面上に溢れる敵キャラを抹殺するローグライクアクション。カーソルは剣のキャラクターになっていて、マウス操作によってマウスカーソルそのものの挙動をする。要するにマウスで体当たりして敵にダメージを与えるという、斬新なのか捨て身なのか、とりあえずその発想が気に入ってやってみた。

敵はウェーブ制で、つまりは面クリア型で襲ってくるっていうかウェーブの開始時に溢れて、一掃するとウェーブ終了。三つ提示されるアップグレードのうち一つを選択して次のウェーブ。要するに恐らくバンサバ的な大味サバイバー系の亜種だろうが、プレイヤーキャラがマウスカーソルでデフォルトでは飛び道具がなく、自らの体当たりが主たる攻撃手段とあっては、アクションゲームの不得手な人間 = 自分にとっては厳しい。
最初の敵、スライムらしきマルっ子は攻撃して来ないので自機カーソルをぶつければ倒せるが、彼らが時折口を開けて牙をガシガシやるその時に自機が触れると被ダメージがある。口を開ける前に予告点滅モーションがあるので避けるのは楽だが、如何せん彼奴ら密集しているので適当にカーソルブンブンやっているとピンチが足早にやってくる。

ウェーブが進むごとに敵の種類は増え、追尾弾を撃ってきたり電撃バリバリ放出したりなど攻撃パターンも変わってくる。こちらもアップグレードで色々できるようになるものの、いやしかしバンサバのオート攻撃というのに慣れていると基本が体当たりというのはどうにも。まあ要するに下手すぎてウェーブ5くらいでもうさじを投げましたという話。


ACRES

簡易農場シミュレーションゲーム。デモ版から日本語あり。
チュートリアルもあるものの翻訳が不完全なため多少戸惑う。最初に収穫物を入れるボトルみたいのを建てさせられる。デフォルトで用意された農場の雑草マスを耕し、種を植え、水を与え、所定の時間待つと作物が実る。実った作物を収穫する。以上が基本的な作業。
画面左上には常に依頼っぽい収穫必要タスクが表示されており、それを満たすと報酬金が入り、農場や作業ツールを拡張していける。そうやってゆくゆく広大な農地を築き上げましょうという流れのようだ。

最初はニンジンとキャベツしか植えられない。耕作~収穫をいくら繰り返しても種類は増えない。どこかから別種の種を掘り出すこともなく、種ショップみたいな購入画面もない。どうするのかと模索したらば、最初に建てた収穫ボトル。それと同じ物を建てる時に、画面右の作物一覧から未所有のものを選択して建てると種が手に入る。そうやって栽培可能な種類を増やしていくようだ。

畑を耕すにも水を与えるにも金がかかる。チュートリアルではコンバインだか便利機械を使うよう促されるが、知らずに使っていると一気に金欠になる。実った作物の収穫にも金がかかる。手作業でさえ$1。おまえの手は誰の手だ。
やむなくチュートリアルでできた収穫物の余りを売却して換金。その過程でこういった概ねの作業工程を把握し、ニンジンとキャベツの栽培を繰り返し立ち直ることができた。新種をどんどん増やし、金も増えてさあここからだーと思ったところでデモ終了。
わかりにくいところもあったが手触りは悪くない。面白味も感じられた。だがこの作業、さて正規版を買ってやり続けたいだろうか。何か味気ない、もう一つ足りない。早期アクセス開始は間もなく。


Heroes of Eternal Quest

結論から言えば "Loop Hero" である。デモ映像ではカメラアングルが回っており気づかなかったが、実際のゲーム中のアングル移動はプレイヤーが意図してそうしない限り変わらず、俯瞰見下ろし一画面のマップ中サーキット的冒険道を戦いながら周回し続けるそれは、紛うことなき Loop Hero 。
開発は中華系スタジオらしい。デモ版ながら日本語もあるが、何語かの原語から翻訳したそのままっぽい、日本語だけど話の通じない風わからなさ。でも Loop Hero なのでやり方はすぐさま理解できる。

ただし Loop Hero そのままではなく、色々と追加要素がある。例えばプレイヤーキャラには任意に発動可能な特殊スキルがあるとか、レベルがあって上がるごとにアップグレードが選択可能とか、プレイヤーキャラをアンロックで変更可能とか、アイテム合成ができるとか。中華で安易なパクリで、と思ったが意外と考えられている、ところもあると感じた。いや、それも元々 Loop Hero の出来を模倣してのものか。或いは Loop Hero +バンサバ的な発想か。

いやしかし悪くなかった。Loop Hero の物足りない何かを補完できている、ところもあると思った。和訳さえなんとかしてくれれば。あとは価格次第。


WitchHand

結論から言えば "Stackland" である。驚いた。Loop Hero は一時話題になったけれども Stackland の方は知る人ぞ知る程度のマイナー優良ゲーかと思っていたら、パクリゲーが生まれるほどだったとは。
カードを重ねて新種カードを増やしたり強化したり財を成したり、それで新しいカードパックを買ってまた増やして、という基本のゲームプレイはまさにパクリそのもの。というか元ネタの独自性が強すぎるが故に真似るとパクリな絵面にしかならない。
しかしサバイバル要素はないのか、毎日のノルマ的に必要となる収穫作業はないっぽい。というか英語のみなのでよくわからない点が多くあまりやりこめなかった。
Stackland は良かった、続編や類似作があればやりたいとかつて思ったものの、今はその思いも失せ、ましてやパクリとなると。


カード時代

驚くことにこれも Stackland 。こちらは見るからにまんまなコピーぶり、古式ゆかしい中華なパクリぶり。そして操作性や UI が本家以上に悪いというおまけ付き。10分でやる気が失せた。WitchHand は許せそうだが、これはひどいっつうか下衆。本家知らずにこれを褒めたりあまつさえ買う人がいるとしたら不憫でならない。


Beacon Patrol

格子状グリッドの海上に船が移動できるパネルを置いてマップを作っていくパズルゲーム。船の移動にコストがかかり、パネル間移動方法やパネルの置き方もルールによって制限される。敵とかバトルとかそういう要素はなく、ただ広大な海のマップを作って大きければ大きいほど良い、というそれだけのゲーム。
ゆるいグラフィックとのんきな BGM のわりにルールの縛りがきつい、というかできることが少なくて、これという正解もないゲーム性に、はてどこを楽しんだものやら。ならばルールを緩くしてマップ拡張が楽にできるようにすれば面白いのか。否。


ラッキーヒーロー

戦闘行動がスロットの出目で管理されるターン制の RPG ? なのかどうか。出目のパネルは購入したりレベルアップで所謂デッキ構築の要領で増やしたり交換したりできるが、攻撃武器や回復アイテムの他、ショップや行動力のコストも出目に入っているので、運任せである一方それなりに考えて戦う必要もある。とはいえ序盤は出目パネルが少なく毎ターン似たような行動しか取れない。その割に進行の仕方にもよるが敵の攻撃パターンが単調ではなくやや嫌らしい。そしてスロットのチャラさに反して思考を要するためテンポが悪い。

要はスレイザスパイアに代表されるデッキ構築型カード RPG のカードゲーム部分をパチンコに変えたりするような亜種のひとつだろう。そういうのって発想や見た目には面白くとも刺激的なのは最初の手触りだけで継続して長時間遊んで尚楽しいと思えそうにないものが多く、デモで触ってハイもう結構となる。幸運の大家様にはハマったのでスロット部分に惹かれたが、残念グッバイヒーロー。


You Must Become A Lich

Steam を日々眺めていると古銭プッシャーなんたらという昔懐かしい絵面のメダルゲーム風ゲームを見かけることがあり毎度気にはなるがやっていない。そのゲームが局地的であれ話題になり多少売れもしたのだろう、そこに需要か商機を見出した変人がいたのか、これはそういうコインプッシャーと呼ばれるゲームをベースにしたもの。わたしゃ昭和っ子だから当然実機の方が馴染み深いがそれはさておき。

ただデザインや雰囲気のガワをダークファンタジーなコミカル風味にしただけのコインプッシャーかと思いきや、デモ映像の後半に全く違うものが見て取れて気になったのでやってみた。
たしかに導入は、基本はコインプッシャー。操作感というかコイン投擲位置の狙い方にはクセがあり慣れが必要。まったりしばらくやってしまう程度には中毒性もある。しかしこのコインプッシャーはゲーム筐体シミュレーションのようなものではなかった。

プレイヤーキャラに対してプッシャー盤は巨大で、そのサイドには通路があり、裏には部屋がある。書いていて既に荒唐無稽。コインプッシャーでコインを稼ぐと画面下のメーターが右に向かって伸びていき、規定量貯まるとプッシャーの盤上に宝箱が降ってくる。それをさらにプッシュして落とすと、中からなにやらモンスター人形みたいなのやらパーツやらが出てくる。プッシャー裏の部屋ではコインをモンスターパーツに交換できたりする。
集めたモンスターパーツを組み合わせてモンスターを生み出せる棺がある。最大で5匹を作れる。で何するのかと思えば、部屋というか城らしきそこから出られる所があり、外に出るとモンスターを率いてどこぞへ移動して探索する別ゲーが始まる。モンスターたちには各々 HP や LV があり、ということは敵もいて、モンスター人形同士が敵味方接触するだけの大雑把な戦闘もあり、その先・・・よくわからない。
さらにゲーム開始地点とは別のコインプッシャー部屋があって、そこは設計からクセがあって、画面上部になんか別のメーターがあって、それが貯まると・・・よくわからない。

日本語はないがゲーム中に言葉が表示される部分も少なく、操作もWASDとスペースと稀に Enter ぐらいで簡素。デモにおいてはコインプッシャー部分以外は物凄くもやが掛かったようなゲームだが、妙な魅力がある。いいもん見つけた、けど、なんだこれ。




つづく。