BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

スチームネクストフェス 2023OCT その2

『Steam Next フェス 2023年10月エディション』の大量未発売ゲーム群から独断厳選したものを試遊、その感想など書く回。の続き。


Captain Pawsome

AUTOMATON でも記事になっていた。
automaton-media.com

これしかしこの記事はメーカーが出した情報の紹介でしかなさそう。Steam のストアページにもこれくらいのことは書いてある。
実際やってみると、デモ版でも日本語対応しているが原語直訳のダメ翻訳、和語表示しただけの謎言葉が多い。おかげでチュートリアルの説明も雑に感じられ、それとは別に説明不足だったりフォントが小さかったり、まだ全然できていない感じ。

このゲーム、釣りの以前にまず釣り竿で海中のゴミを集めることがメインになっている。とりあえずそのゴミ釣りからニュアンスを掴んでいく。
釣り針を沈めていきゴミに触れると勝手に引っかかる。左クリックで釣り糸を巻き上げるが、左クリック押し続けて糸が黄色くなったら危ない、さらに赤になると間もなく糸が切れて失敗となる。これを回避するためには押し続けるのではなく連打するのが適切だと気づく。チュートリアルはここまで詳しく教えてくれない。
釣り上げたモノを海面より上に引き上げ、モノの色が黄色くなったら「E」キーを押して回収できる。チュートリアル島は開始地点から右へ右へと進んでいくことになるが、ゴミ釣りに失敗したりプレイヤー猫が海中に落ちたりすると開始地点からやり直しとなる。鬱陶しい。

ゴミの他、海中の岩肌に生えている雑草も引き抜いて釣れる。この雑草が雑魚を釣るためのエサとなる。チュートリアル後の本編に入ると海中には大量のゴミが散乱していて、まずはそれを一掃しつつ雑草を回収、あらかたきれいになったら雑草をエサに魚を釣る。
デフォルトで主人公猫の店と家が用意されており、店の中には水槽と展示台がひとつずつある。水槽には釣った魚を入れ、展示台には海中から拾った売れるモノ(かどうかは釣り上げた時にわかる)を設置できる。昼間は客猫が来店し、彼らがそれら商品を適当に買っていき収入を得ることができる。

主人公猫の店から左に進むと会話可能な猫がいたりショップが幾つもあったりする。ショップには服屋などのキャラクターカスタマイズ屋、家や店や船の改築屋、釣具屋がある。いずれも釣りで得たゴミを資材に、店の営業で得た金を払えばアップグレードなどやってくれる。
とりあえず釣具のアップグレードをやっていくと、一度に回収できるゴミの数を増やせたり、釣り糸が切れにくくなったり、より広い範囲に釣り針を取り回せるようになったり、釣り糸の昇降の速さを上げたりと、メインである釣りのプレイがより捗るようになる。
店を改修すれば、デフォルトのゴミ屋敷をきれいにして水槽の設置数を増やせる。水槽は1個につき1尾の魚しか入れられないので、魚売りの収益を上げるなら増やさねばならない。

そんな感じでゴミ回収と魚釣りを繰り返して資材と金を稼ぎ、店や船を拡張していくという流れらしい。序盤では船がどこにあるのかすらわからなかったが。
それなりに遊べてしまうデモ版ではあったが、バグっぽい挙動は多くゲームバランス的にもまだ完成度は低そう。ダメ日本語訳がそう感じさせるのかも。

自分はやっていないけども高評価のデイブザダイバーや DREDGE といった最近ヒットした漁獲ゲーの路線を狙ったものかな。猫のキャラクターがそれなりに可愛らしくカスタマイズも可能なので、正規版として完成度が上がればそれなりに評価されそう。自分はデモ版で満足。


Dungeon Tycoon

騙された。マイクラまんまパクったようなボクセル&タイトルロゴとダンジョンキーパー系らしきデモの絵面から、その手のダンジョン管理魔王ゲーかと思って始めたら、どうも感触が異なる。日本語非対応で英語でのプレイなので確たる理解には至っていないけども、よくよく見直すとストアページの紹介文からしておかしかった。
これは、攻めくる勇者たちを打ち倒すために凶悪なダンジョンを作り上げよう、というのではない。「Tycoon」のタイトルが匂わす通りに、ダンジョンとは名ばかりのアトラクション、テーマパークを経営するシミュレーションなのだった。

モンスターを配置し、罠を仕掛け、というのはダンジョンキーパー(或いはメーカー)的なゲームでよくある。その奥に控えるボスに近づけないようにできるだけ多くの障害を築いていく、というのがその目的。
このゲームは違う。モンスターを配置するのも、罠を置くのも、「より強力で難しいダンジョンこそ冒険者を惹きつける」とでも言いたいのだろう。そうして魅力的なダンジョンで侵入者の滞在時間を引き伸ばし、より多くペイしてもらって金を稼ごう、というのが主旨らしい。
それが証拠にダンジョン最奥にボスなど待ち受けていない。入り口には入場料を取るエントランス像もデフォルトで置いてある。侵入者=訪問者の数によって研究が進む。配置したモンスターが倒されてもソウルみたいのが貯まっていってモンスター育成に使うコストになったりする。

基本はダンジョンを設計したり研究対象を選択したりモンスターをいじったりするビルドの時間があり、金が尽きるとかできることが無くなったらその日は終了。Next Day が始まると冒険者が次々やってきてダンジョン内部を引っ掻き回して出ていく。それがつまりは営業時間。営業終了時にはその日の収支報告が表示され、またビルド、管理の時間が始まる。この繰り返し。
収支報告の下には Tips が付記されるのだが、たぶん「訪問者がより長く滞在するようにせえや。あと入場料もボれ。」みたいなことを言っていて、その意訳がうっすら理解できてきた時点で、当初のダンジョンメーカー的な期待を裏切る、しかしバカなゲームだと気づき笑った。

プレイ感覚としては地味で単調でもあるけども、日本語対応してくれれば結構遊べると思う。ダンジョンビジネスで稼いで拡張して、最終的にどうしたいのかよくわからないが。


Froguelike

カエル世界のバンサバ。大量殺戮ローグライクアクション。
プレイヤーキャラがカエル。敵モンスターは害虫や昆虫。ボウフラみたいな微小のものに始まり、蚊、蝿、大小の蛾や蜂、コガネムシテントウムシ、クワガタらしきものまで様々。
カエルの武器は舌。舌を伸ばしてダメージを与えて倒したら引き寄せて飲み込む。カエル自身のサイズより大きいものでも全部飲み込む。一瞬で丸飲みしてしかし腹は延々全く膨らまない。

ゲームシステムはほぼバンサバそのまま。
攻撃はオートで、広大なマップ上で敵は縦横無尽にわいてきてプレイヤーキャラに向かってくる。時折そうでない、直線的に通過していくものや固定され動かないのもいる。敵を食う(倒す)ごとに経験値が入り、画面上部のメーターが満ちるとレベルアップ。三つのアップグレードが提示され一つ選べる。
武器は舌だが、レンジが短いが速射の Quick Tongue 、幅広で強いが遅い Wide Tongue 、継続ダメージの毒を与える Poison Tongue 、周囲をべろーんと舐め回す Rotatongue など色々あり、単純なレンジアップやスピードアップなどのスキル系も含めて多数ある中から8種まで同時に装備できる。もちろんそれぞれにレベルがあり、上がるにつれて強くなり追加効果も増える。

死ぬなどして1プレイを終えるとリザルトと実績解除が表示される。そしてスタートメニューのショップから恒常アップグレードを購入可能。実績解除によって新たに使えるプレイヤーキャラクターがアンロックされたりもする。と、ここまでバンサバシステムそのまま。

だが、バンサバと違う点も幾らかある。
世界観の違いはさておき、マップ上に地形効果が少しある。草地はふつうに移動できるが、水面上では移動速度が遅くなる。敵においては羽を持ち飛び回る虫は水場も関係なく通過してくるが、羽のない昆虫は水場に入ることもできない。これを利用して水場の中を安全地帯にして一方的に攻撃することも可能。

次に時間。バンサバは30分耐久だが、このゲームは5分。しかし一度のプレイは複数の「Chapter」を連戦するという形式になっており、Chapter ごと5分の耐久を繰り返すことになる。また Chapter にも種類があり、敵の出現するパターンと配置アイテムが異なるぐらいしか違いはわからなかったが、1 Chapter 終えるごとに次の Chapter を二択か三択から選んで進むというふうになっている。
どの Chapter でも最後の1分は敵の攻め込み方が極端になる。それまで気ままにぶらついていた虫どもがプレイヤーカエル目掛けて大量に集まってきてすげえ気持ち悪い。水場を安全地帯にしていたら蛾類が円陣を収束させてきて逃げようがなくなったり。

あと攻撃手段の舌。これは言うまでもなくカエルの体の一部なので飛び道具にはならない。今のところそのようなアップグレードもなさそう。そして「敵を舌で取って食べる」という仕様上、バンサバのように大規模に多数の武器を飛ばして画面内一掃みたいなことができない。攻撃は常にカエルの周囲からほど遠くない範囲に限られ、敵を食べるモーションもあるので、その点でスピード感や爽快感に欠ける。
敵が虫という時点で爽快感もへったくれもないが。

概ね以上。ヘボい見た目の割に遊べてしまう中毒性もバンサバ譲り。何よりカエルが敵を食らいまくるというアレンジに斬新さを感じた。が、大量の敵=虫に四方八方囲まれる絵面は褒められたものではなく不快であり、率直に気持ち悪く、その点で猛烈に人を選ぶゲームだと思う。
ここまでやるなら食べる度に腹が膨らんでいってある程度になったら糞を撒き散らして飛び道具の範囲攻撃、みたいにすればいいのに。
百円なら買う。




大したことないけどネタとして濃いゲームばかりで長くなったので、予定外に延長。またも次回に。

つづく