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BOOTSFIGHT IN THE AIR

スチームネクストフェス 2023OCT その3

『Steam Next フェス 2023年10月エディション』の大量未発売ゲーム群から独断厳選したものを試遊、その感想など書く回。の続きの続き。


Mimic Logic

古典的俯瞰ダンジョン RPG 風だが『自動生成論理パズルローグライク』と謳われている。その通りゲームの主体はパズルというか謎解き。デモにして日本語あり。ちゃんとした日本語。
宝箱しかないフロアにて、複数ある箱の中から嘘つきミミックの箱がどれなのか、宝箱たち自身の発言から推理して正解だけを開けよう! 間違ってミミックを開けると食われて即死だぞ! というゲーム。ミミックはともかく、ふつうの宝箱からも発言があるのは謎だが気にしちゃいけないんだろう。

RPG ツクール系で作られた風の簡素な見た目、ゲーム本編は宝箱の発言画面を睨んで沈思黙考する時間が長く、複雑な操作がほとんどない。
正解宝箱を開けると、宝箱なので当然中から金品武器防具アイテムが獲得できる。そんな宝箱フロアを何階か突破すると普通のモンスターが待つ戦闘フロアがあり、宝箱から得た武器防具アイテムはそこで役立つ。戦闘はモンスターに接触したらこちらから攻撃、こちらが済んだら相手の攻撃、というターン制。そのへんのシステムも大変簡素。
ほか、ヒトキャラが佇む休憩フロアや小さな町みたいなフロアもある。彼らはショップでアイテムを売り買いしてくれたり、HP や空腹を回復してくれたり、冒険を手助けしてくれる。

ローグライクということで、ミミックを引き当ててしまったら抗いようもなく一発即死。最初の部屋に戻され、入手した金品はすべて無くなりステータスも最初から。一応アイテム図鑑みたいなのがあってそこに記録は残る。
再スタートすると例によって潜るたびに内容は変わる。フロアは毎度真四角だが、ミミックの配置や宝箱の内容、戦闘フロアで出てくるモンスターがランダムになっているらしい。

繰り返しになるがとにかく簡素で地味。しかし、あんまりやったことないけど逆転裁判とかのようなタイプだろうか。アクションでもなく、経験値とレベルを積んで殴ればいいのでもなく、求められるのは推理力。時には怪しい箱は開けずに進む判断も求められる。
言葉のロジックだけでこんなにおもしろいゲームができるんだな。と感心しつつも、推理力低すぎて大して進められずにやめた。ミミックに食われた時の悲鳴が嫌なくらい耳に残る。


Hero Planter

横2Dアクション風+農作業みたいなデモ映像に惹かれてやってみたが、日本語が無くよくわからなかった。スタート直後のチュートリアル部屋らしき所に居る先生らしき老人が何らか教えてくれるが、少し話したあと肝心の今からこうしろという発言の表示時間が短くて、それが一度消えると二度と口を聞いてくれなくて困った。
とにかく始めればなんとかなるかなと思って適当に右往左往したが、チュートリアルが不完全では農作業関係が始まらないようで、アクション面にしても操作性が自分の感覚と合わず進めようがなかった。Moonlighter を序盤でさじ投げた時を思い出す。



Kill The Climbers

Steam のタグには「クリッカー」、「ローグライト」と付けられており、たしかにその類型だとは思うが、やってみると疑問符がたくさん浮かぶ。ヤバいこれ。
プレイヤーキャラ、主人公は、山。ゲームロゴに描かれている白髪の雪男の方ではない。山肌に地響きを起こし、風を吹かせ、ワラワラとゾンビの如く大勢で登ってくる登山者(?)たちを容赦なく突き落として山頂を守るという、意味不明が山のように盛られた謎ゲー。いやバカゲー

英語しかないので最初はまたわからないこと山積みだが、説明が山の画面上に簡単な英語でちゃんと書かれているのでちゃんと読めば理解できる。チュートリアルなどない、不要。見習え上のやつ。
左クリックで地響き、右クリックで風が吹く。それぞれクールタイムがある。文字にすると本当馬鹿馬鹿しい。スペースキーで山頂から大雪崩を起こし、集った登山者を一掃できるが、使えるのは一度きりっぽい。
これらが操作可能な基本アクション。

ほか、スタート前に補助攻撃手段をセットできる。Wolf(オオカミ)、Raven(カラス)、Bear(クマ)、Yeti(雪男)、あとよくわからないドクロ、氷河? つらら? それら7種のアイコンを山の中腹部の四角の空欄にドラッグ&ドロップして配置すると、ゲーム中に彼ら(?)が自動的に登山者を蹴散らしてくれる。ただし雪崩の如く強力ではなく、あくまで補助。
尚、Yeti についてはセットするのは彼の住処らしき洞穴。プレイ中「E」キーを押すと彼が出現し、プレイヤーキャラクターとして操作可能になり狙った登山者を任意に蹴散らすことが可能。しかし体当たりしかできず、登山者に触れると HP が削られ、HP メーターが尽きると消えて二度と使えない。
また、Yeti 操作時はクリックによる地響きと風の攻撃ができなくなる。だからゲームロゴに描かれる主人公格なんだな。

一定の時間経過と共に別種の登山者が登場する。見た目以外に強さとか何とか違うんだろうがよくわからない。登山者をたくさんやっつけていくとスキルポイントが得られ、スキル(補助の方々)のアップグレードが可能となる。これは恒常アップグレードとして繰り返しプレイ時にもずっと引き継がれる。

山頂には HP があり、山頂まで辿り着いた登山者は HP を削ってくる。山頂 HP が 0 になるとゲームオーバー、リザルトが表示される。その中に「COIN」と書かれた項目があり、どうやらこのプレイによって得られたコインの数らしいのだが、そのコインがどこで使えるのかは不明。幾ら貯まったかも確認できない。なんなの。
あとリザルトには「THE CLIMBERS WON」などとも書かれているので、山頂を取られたら『負け』、なのだろう。プレイ中は画面上部に経過時間が表示されており、バンサバのように時間耐久で勝利になるのだとは思うが、どう考えても初手から勝てるようには作られておらず、勝利までにはかなりの敗北を重ねる必要がありそう。そして何分耐えれば勝利なのかも不明。

以上。
山の一画面がゲームのすべてで、敵の攻撃パターンも毎回ほぼ同じ、これのどこがローグライトかと。その他ツッコミが追いつかないボケ倒したゲームだが、バンサバ風サバイバーゲームもここまできたかと可笑しくてしょうがなかった。めちゃくちゃ笑った。これ流行らんかな。


Doodle Harmony

「Doodle」= いたずら描きの妖怪みたいなまっくろくろすけみたいな奴らを、シルエットの同じやつに重ねて 100 組のペアをマッチさせてねゲーム。これもまた「ポイント&クリック」、「クリッカー」というタグが付いているが恐らく誤り。ドラッグ&ドロップによる探しもの発見ゲームといった方がよさそう。いや、トランプの神経衰弱と言った方が早い。そして 100 組ではなく、ペア 50 組の 100体だと思う。正式リリース版は 100 組なのかもしれんが。
全部のペアをマッチさせたらクリア。それだけで終わった。
日本語対応済みで、クリア時には↓の画面が表示されワードパズルでも始まるのかと思ったが

「プレイし [て] い [た][だ][き]、[あ][り][が][と][う][ご][ざ] い [ま] し [た]

という謝辞が文字化けで表示できていないだけなのだろう。どういうフォント設定なんだろう。つうか多言語設定が必要なゲームかこれ。

これだけではぶっちゃけつまらない。シャドーハウスってアニメとコラボでもして、シャドーと生き人形のペアを合わせるゲームにでもすれば多少売れるかも。版権使用料取られて利益は出ないか。


Parkour Legends

横スクロールパルクールプラットフォーマー、って書いてある。横 2D の街をアクロバティックに走り抜けていくランナーゲーム。日本語あり。文字化けあり。
デモ動画を見て"CANABALT" みたいな単純爽快なやつの発展形かと期待したが、チュートリアルからキー操作の運動神経を求められる大変不得意なタイプだった。回転するとか壁蹴りするとかヘリ(縁)に掴まるとか、いちいち異なるキーを押すなんてややこしい。全部オートで対応してくれよ。チュートリアルでげんなりしつつも本編始めて、あー無理と5秒でごめんなさいした。


Sapiens Craft Puzzle

二つか三つのアイテムパネルを組み合わせて新たなアイテムをクラフトする、これまたペア探し的なゲーム。アイテムを増やしていき、文明レベルを上げていくのが目的らしい。
英語のみ。一応アイテム絵の組み合わせで何がクラフト可能か想像できないこともないが、そう単純には成功しない。英語がわからないのもあるが、どちらかというとこのゲームの制作者の意図が読めないことが問題。これとこれの組み合わせならこうなりそうなのにそうはならない、というような予想外れが多い。
幾らか失敗を重ねると画面中央上部に次にクラフトするべきものの名前が提示される。木と岩とを所有している状況で、次は火を作れ、といった具合。しかしアイテムが増えると組み合わせのパターンも増えるため予想も立てづらくなる。結果として適当なパターンを総当りでやるようなヤケクソ気味プレイになっていく。骨が折れストレスがたまるばかり。
恐らく "Orbi Universo" という文明発展パネルゲームと同類と言えるだろうが、今のところはそれに及ぶものでもなく、出来が悪いと言わざるを得ない。



体験版を実際にプレイしたのは以上。

あと、「自分ではプレイする気にならないけど人がやっているのを見たい」と思ったのが幾つかあったので、そういうのを以下列挙。プレイもダウンロードもしていない。

Make Way

偏屈コースを自作してマルチプレイで戦えるレースゲーム。自作型マリオカートとでも言うべきか。


Arcade Sundown

自キャラが盤上におり、球に手を出して操作できる反則ピンボールピンボールなのかそれは。


Rush On

凄まじい速さで突進していくランナーゲーム。有名音速ハリネズミをもっと単純・先鋭化したようなものだろうか。


Rionag: Survey Fleet

宇宙船建造シミュレーション。外観からクルーの生活空間まで好みに設計可能らしい。似たようなのを昨年末買って今は宇宙気分じゃないので遠慮。


RPG Alchemy / Robinson Alchemy

同じメーカーが制作中の似たような二本。2アイテムの化学反応から新たなアイテムを生み出し、なんらか発展させていくらしい。上に書いた Sapience Craft と同類かも。二作ともデモ動画のみで体験版はなかった。


Run Tank Run

戦車が走っていてゲームロゴには美少女キャラ。これつまりあれでしょ。惹かれたのはそんなパンツアホな要素にのみ。3D グラフィックがヘボくてやる気はしない。


Squiigee

デモ動画からバカゲー感濃厚で笑った。二人協力プレイっぽく見えるがそうは書いていないので一人で2キャラ操作するんだろうか。自分では到底できそうにない。是非ともゲーム配信者がやっているのを見たい。二人プレイで息の合わないのを見て腹よじれたい。




以上。全26作。

捨てたもんじゃない地味ゲー謎ゲー。
まだまだインディーゲームに可能性を感じた。



おわり。