BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

スチームネクストフェス 2024FEB その3

Steam の未発売ゲーム体験版祭り24冬の陣
からの厳選プレイ記録、続きの続き。


Infest

チープで古めかしいアナログテレビ時代を思い出させる8ビットファミコンソフト風ビジュアルのデッキ構築ローグライクカードバトルもの。
日本語対応。だが現状、メニュー周りと大まかな部分のみが日本語で、カード内容の説明やバフ/デバフ効果等、バトル中の肝心な部分は全部翻訳できていない。実質ほとんど日本語無し。
ゲーム内容はざっくり StS フォロワーの類で、カードを切って攻撃を仕掛け敵の HP を削っていって倒し、選択式マップ進行で戦闘や休息、カード購入、エリート対戦などを踏み進め、最奥のボスを目指す。
ただし戦闘にはひとくせあって、戦闘フィールドには上下・高さの概念があって、Noita の物理演算よろしく上方の流体が下方に流れてくるようになっており、地形効果のようなものが作用するようになっている。
一見厄介に見えてこれが結構面白い。例えば可燃性の物質があってそれが敵近くに積もった場合、「Fire」の攻撃カードで発火させてカード自体の攻撃+延焼の追加ダメージを与えることができる。同じく「Lightning」の雷攻撃も雷撃+付近の可燃物を引火させて追加ダメージを与える。「Tsunami」の全体攻撃は主人公の側から画面を横断していくが、積もった遮蔽物があるとそこで途切れて全体まで届かない。など。地形シナジーに特化したような「Oil」ってカードがあったりもする。
一方で、敵側の攻撃にも地形効果を狡猾に利用するものがあり、主人公の攻撃ポイントの前に壁を作り出したり、身の回りにバリアを張ったりする。それらは可燃性だったり脆いので容易く消すことが可能だが、そのためにカードの一手を使うと直接攻撃の手数を減らすことになる。が、やむなく仕掛けたバリア破りの火が延焼によって敵に致命傷を与えたりもするので、意外と予測不可能なことも少なくない。上段の敵の被弾~死亡によって生じた地形効果が下段にいる別の敵に影響することもある。
そうしたシナジーや攻撃のコンボを決めると戦闘後に得られる報酬が変わるらしく、効率的な戦いをしていくほどゲームをより有利に進めていけるようになっているようだ。
日本語訳不足とビジュアルのぬるさに反して意外とよくできている。一目で辟易することの多い StS フォロワー系の中では久々に良いものが出てきた。


Run Pizza Run

日本語対応だがデモ版では無し。だが言語なんてどうでもいい。
ピザデリバリーシミュレーター。と書いてある。どこの世界のだよ。ミサイルが如く車が超速で吹っ飛び、あちこちで爆発を繰り返している世界でシミュレーターもクソもない。
三人称視点ではあるが、視界の広さも役に立たない。全く予期せぬ真横や真後ろから車が剛速球で突っ込んでくる。主人公が歩いていようが走っていようが構いやしない。壁沿いの歩道であろうとも殺意を持ったように降り掛かってくる。細い路地などの安全地帯ぽい所もあるにはあるが、配達先はそんな甘えを許さない。
ピザを何枚配達できるか、の以前に、何秒無事でいられるのか。狂っている。クレイジータクシーを悠々と凌駕する激烈バカゲー。全世界が絶賛。してほしい。



Alchemy Deck

日本語あり。ポーション作成販売カードゲーム。
Cultist SimulatorStacklands のような、ゲームのすべてがテーブル上のカードで表現されるタイプ。カードを複数重ねて様々に変化させたり売り買いして進めていく。それをベースに Potion Craft のような下町ポーション屋の対面商売のゲーム性を乗っけたような内容。という合わせ技の発想は理解できるが、ミックス度合いはいまいちな感じ。Stacklands の時間進行&日毎のコスト管理要素を真似た部分が、ポーションの生成方法を探りつつ民の依頼に応えて商売するっていう部分とそぐわないと感じた。
あと絵柄とアニメーション、音声の使い方や日本語表記も、スマホゲーでよく見る広告メインの無料ゲーっぽい感じで胡散臭く、好ましく感じられなかった。

このフォントの小ささとか、デモ版にしてもさすがにひどい。


Swappy World

日本語対応だがデモ版では無し。カード選択進行型サバイバルクラフト。
画面上横一線に並んでいるアイテムカードをスワイプ的に横スライドで選んで採取して素材集め。画面下のツールアイコンからクラフト画面を開いて、集めた素材を消費して道具や武器や施設をクラフト。
スワイプで出てくるカードはランダムで、動物も混ざっている。恐らく狩猟道具を作れば狩って食糧にしたりできるのだろう。1スワイプごとに時間が経過し、昼夜があって夜はモンスターカードが出てきて戦闘になるがスワイプで逃走可能。採集ほか活動にはエネルギーを消費し、尽きると倒れる。空腹値もあり、キノコや木の実で時折腹を満たす必要がある。
見栄えとシステムこそ特殊なものの、内容的にはオープンワールドサバイバル系と似たようなもの。オープンワールドのオープン部分と自由な移動概念を無くして制限をかけたところがゲーム性の肝になった感じ。個人的にはローグライクサバイバル Wild Darkness をもっと簡略化したような感じに思えた。日本語がないのでいまいち進めづらかった。


Auto Forge

日本語無し。2D ロックマン風プラットフォームアクション、と見せかけて、その体裁に Terraria 的採掘探索要素を足したのをベースに、実は主軸は Factorio ライクな自動化生産工場建築という、Steam ユーザーの好みを研究し尽くしたような売れ線要素ごつ盛りゲーム。
だが盛ればいいってもんじゃない。先に挙げた何かと同様に、これまた食い合わせが良いとは言えない。正直ロックマン風アクションは要らない。好きな人はあれとファクトリオが合体なんて夢のようと歓喜するのだろうが。
とは言え既に結構遊べる。英語はわからないながらもチュートリアルで提示される単語と同名の資源を集めたり施設をクラフトしていけば、あらまあいつしかファクトリオ。溶鉱炉などの燃料に可燃物が必要なのは同じだが、一部施設はグリップレバーを回す自家発電機能を備えていたりする。
スタート地点は地中で、地表にはモンスターがいて、主人公はバトルモードになるとブレードを振り回して戦う。モンスターを倒すと何かの素材らしきものが手に入り、恐らくそれも後々使うんだろう。
基本的な流れは、研究の指示があり、研究を進めるために指定素材を集めるか指定アイテムをクラフトする。無い素材を求めて未知の領域へ手足を伸ばし、戦い、地中拠点に戻ってまた研究~クラフト。研究が進むとクラフトを自動化する施設が揃ってきて工場化していく、という感じだろう。
好きな人は相当ハマるんだろう。非常に or 圧倒的に好評か、宣伝規模にもよるがそれなりにヒットしそう。



TENSEI

日本語あり。水墨画のようなビジュアルのモノクロ 3D オープンワールド空間を舞台に、味のある生物に姿を変えながら天頂を目指していくアクションゲーム。
トレーラーで宙空のリングを抜けていくシーンがあって、東洋風 NiGHTS かと思ってやってみたが、確かにアクション進行によって得点はするけれども、定められたルートは無いようで、とにかく落下しないように上を目指していくという、実のところこれ要するに Only Up だ、と気づいた。上品な Only Up 。
Only Up をアレンジした結果 NiGHTS 的になったのか、NiGHTS の独自アレンジを考え続けたら Only Up が流行った時代まで来ていたのか。実に興味深い。
しかし Only Up なのでゲーム性は薄め。ゲームの紹介説明にも癒し系みたいな文言が並んでいる。
プレイヤー、主人公?は黒い玉から始まり、ジャンプして着地する度に姿を変える。それはランダムで、時にカエル、時に魚、鳥、蝶。不滅のあなた? それはともかく、それぞれに特徴的な飛び方をするものの、飛距離はどれでも同じっぽい。あちこちにある輪っかをくぐって何かが貯まると巨龍になって、ジャンプの制限なく一定時間上昇し続けることができる。
飛距離を見誤ったりして着地する地面を失って奈落に消えるとミス。最初からやり直し。落下中に乗れる場所があればそこからやり直せる。間欠泉のような噴火口のような赤いところに落ちてもミス。ただし急降下(プレス)アクションをとれば破壊して龍化エネルギーを得られる。
ゲーム性に奥深さはないが、この画風の 3D 空間の中を自由に飛び回れるっていうのがなんかすごい。




以上、3記事通算26作。
日本語の有り無しを書いたが、好みのゲームに日本語が無く、好みでもない言語なんて関係なくやれるゲームに無駄に日本語があるというパターンがほとんどだった。きっと一つも買わない。

基本的に「今まで見たこと・やったことが無さそうなゲーム」がいつも選別基準にあると思う。それは既発作品を複数掛け合わせたものでもいい。そのままパクったようなのは好まないし過去に経験済みのものは無視しがち。だが、よっぽど好みのゲームに似たゲームには惹かれがち。やってみるとだいたい落胆するんだけど。

あと、デモ、無料の体験版だからこそやりたいと思える作品というのもある。正直多くのゲームはちょっと触れば、その手触りだけで、ルールや根っこのゲーム性を把握するだけで満足してしまう。と最近、年々そういう傾向が強まりつつあると気づいた。
だからネクストフェスとは関係なしにそういう無料デモ版を中心にやっていこうと思った。りすることもある。


最近やったその他の無料デモゲーム。

Backpack Battles
以前からプレイ済み。既に説明不要の有名未発売ゲーム。近づく正式リリースを前にバナー絵が一新されたり、内容も結構大幅なアップデートがかかっている模様。

Furcifer's Fungeon
Backpack Battles と同じメーカーが開発中のローグライクハクスラ風味なベルトスクロールアクション。内容はなんともだが、あのショップの謎ネコキャラはこちらが元ネタらしい。

Lucky Mayor
「幸運の大家様」に似たタイプのローグライト金稼ぎゲーム。市長になって多種多様な市民をデッキに雇い入れシナジー生産物を売り捌く。

Pesticide Not Required: Prologue
カエルが主人公のバンサバライク。農業、釣り、採掘、育成要素があり、同コンセプトの Froguelike よりも出来が良い感じ。




おわり。