BINTA

BOOTSFIGHT IN THE AIR

スターデウス VOL.6

初プレイ船、125日目~。

能動的に何かやろうとしないと何もない日々が結構続く。正直つまらなく感じる時もなくはない。その点では非常にリアリティーがあると言える。良いか悪いかは別として。

しかし、我々は、この船の主たる私は、忘れていた。
あの初動3日目にしてやってきた初心者殺しの悲劇を。このゲームのそのようなイベント発生の偏りを。ひどい起伏のムラを。
バランス調整の行き届いていない早期アクセス。

やってくるのだ、その時は。再び。



125日目

この時点で一応の完成形。
なのだが、これで満足していては進まない。
研究の進行スピードは電力不足で遅く、だらだら過ごしていると10日置きとか15日置きとかでコールドスリーパーが覚醒してきて食い扶持が増えていく。
わかっていてもだらだらしてしまう性分。くそむし。



127日目

言ってるそばから覚醒、二十代女性。ポートマン。



ものすごい踊っとる。
いつからここはディスコになったのか。



132日目

幾つ目か忘れたが新たな惑星に到着。
探索採掘開始。



137日目

宇宙下痢再び。疫病セカンドシーズン。
ソーラーパネル増設工事で忙しかったので放置した。
それなりの感染者を出したのち、しばらくして去った。
誰も死にもせん。気にしなければどうということはないイベント。



142日目

覚醒、38歳女性。
どうやらバイセクシャル沖田総司はBカップ



そんな氷河期世代ギャグをこぼしていた、あの日が懐かしい。
我々は完全に油断していた。緩んでいた。
一日分(ゲーム内時間)流しプレイしては眠くなってセーブ終了して、を数日(現実時間)繰り返した。
半ばどうでもよくなっていた。



153日目

その日、再開してほどなく、その時は訪れた。
突入カプセル、三つ同時発生。
突入カプセルとは、敵性何かが襲撃してくること確定のやつである。
過去数度は、一度に一機の襲来だったので難を免れ、現メンバーなら楽勝楽勝、何度やってこようが全然勝てると。余裕。敵さんこと有用な資源様がやってきなさったと、いい気になっていた。慢心していた。

三つが向かってくる。毎度おなじみ抗いようもなく。
避ける手立てはない。
どうにかする手段が研究対象にあることは確認済みだが、まだそこまで研究していない。


三つのカプセルは全くバラバラに到着した。
過去、ゲーム開始3日目に二機同時の襲撃ということはあった。デフォルトで6機いた味方ロボのうち3体と人員3名中2名を失うという、序盤にして強烈な事件だった。(VOL.1 参照
今回、戦闘前のこの状態で「終わった。詰んだ。」そう思った。


どうしたらいいかわからないが、とりあえず、かねて寝室に設置した非常警報サイレンを鳴らして人間たちを避難させた。
人間たちの居室はブリッジ(右先端)の後ろに移転したばかりだったが、そこにカプセル一機が入っている。一番にヤバいのはここだ。主戦場はここになりそうだ。と、居室から寝室に繋がるテレポーターの電源を切った。

他の二機の対策はどうにも考えようがない。
味方ロボたちの進退、生死についてはもう構いようがない。とにかく精一杯、自由に戦ってもらうしかない。それで人間まで全滅するなら、それもまあしかたがない。これはそうなるストーリーだったんだと思おう。


非常警報サイレンを鳴らして避難させると、人間たちは一切の行動をやめて動かなくなる。寝ていた者も叩き起こされて気分を害する。それはこの一連の戦いが終わった後にわかったことだが。


戦闘開始

最初の犠牲者、キヌヨ。
たしかデフォルトで居た輸送ドローンの一機。
惜しいが、まあ一体二体ぐらいは想定内。
戦いは始まったばかりというのは想定外。


三機のカプセルからの敵が入り乱れ、戦いは長引いた。
次々挙がる死亡アラート。
全員名前を変えていたせいで、さながら「七人の侍」の最後の雨の一戦を思い出す。思わず叫ぶ「キクチヨー!キクチヨー!」 志村喬のしゃがれた絶叫を真似て。
ロクロウタの名が挙がった時、あーこいつは隠し砦のひとだった、と少し冷静になった。しかしロクロウタ、苦労して作ったセントリードローン(警備ロボ)もやられた。

最後まで戦っていたのは作業ロボットのカツシロー。奇妙な偶然。


10時間(ゲーム内時間)近い戦闘の末、事態は収束を迎えた。
カプセル三機のうち二機は殲滅したが、左下から来たノーマークの部隊には対処できなかった。他の二機分の戦闘で既に手負いのところをさんざ蹂躙された。何らか盗まれ、逃がしてしまうこととなった。
やむを得ない。なにせもう追いすがる手がこちらには残っていなかった。

結果的に人間たちは無傷で全員生還。
警報のせいでトイレに行けない、眠れない、腹減ったと気分を害す者多数。

ロボットで残ったのは、お掃除ロボットNIKITA 一体のみ。
他は全滅した。完敗である。負け戦。運命に敗北した。

NIKITA が助かったのは、どうせ戦えないだろうと邪魔になるから適当なすみっこに避けておいて、制御モードを解除するのを忘れ、自律行動が取れず止まっていたからだった。


とはいえ、人間たちは生きているのである。
このゲームのバッドエンドがどこなのかわからないが、まだ彼らの生活は続いている。
そして私 = メインコンピュータおよびコンピュータールームも、すべての出入り口をロックしたおかげで全機器が無傷で無事に残っている。床の汚れひとつついていない。

まだ終わりではないのだ。



154日目

帰らぬロボたちを悲しみつつ、戦場となった部屋の惨状に少々笑いつつ、さてどうしよう、と。
まずは破損箇所のチェック、各部屋の気温チェック。

ブリッジは全くもって無事。無傷。いつでも航行可能。

居室は出入り口が完全にやられている。
と思ったが、後でわかったことだが、積み重なる死体や残骸でドアが閉まらなくなっていただけだった。しかしドア以外にも隔壁の一部が破壊されており、熱が逃げていることには変わりない。
床の一部も損傷し、照明床の配線も欠損していた。


寝室は概ね無事だったが、コールドスリープ部屋(少し前に移転した)と農園部屋がクロスする部分の壁が破壊され、そこから外の冷気が入り込んで三部屋の保温状況がよろしくない。
それでも -5 ℃とかで平然とベッドで眠る輩が多数。平気なんやん。

以上、異常箇所はわかったが、専門のロボがいない状況で改善なんてできるのか。



なにしろ十数人いるので、それなりにスキルを持った奴がいるらしい。
指示を出しておいたら残骸を片付け、処理施設に送ったりできる人がいる。
隔壁を作り出して修復できる人がいる。
人間たちだけでも結構なんでもできるもんだ。

ひびが入って破損した床の修理だけは作業ドローンでなければ無理らしい。
これも後日わかったこと。



155日目

人間たちが日常を取り戻し始めた頃、アセンブラから補充要員の輸送ドローンが一体生まれた。
アセンブラが無事でよかった。輸送ドローンは二日(ゲーム内時間)くらいでできるらしい。

ファブリケータでは作業ロボットを製造中だがこれは五日かかる。

手早く補充したいのでロボ売りの交易船にも連絡をつけている。
(後日談:ロボティクス交易船は違った。雑貨交易船でよかった。)



「せつこ・・・」って言うと清太の声が浮かぶが、このセツコはその節子じゃなくて原節子なので。でもあの節子の命名由来があの作品の時代設定と同時代に活躍したその有名女優だった可能性もある。
それはそれとして、ここで「セツコ・・・」と悲しむ時の声は笠智衆で、正確には「ノリコ・・・」と言うべきかも。
何の話だろう。



157日目

輸送ドローンをもう一体補充。
人間たちの活躍で必要な仕事は概ね片付いてしまったのだがね。



158日目

覚醒、なんと犬。メス。なんかでけえ。
この緊急事態にえらいもん目覚めやがる。
まあまあ、なんか、ちょっと気分がほぐれた。



159日目

ファブリケーターから作業ロボットが生まれた。
スキルレベルはオール3。また育て直し、新規蒔き直し。



160日目

交易取引によって作業ドローンを入手。
これで最低限必要な機体は揃った。
あれから一週間、破損したままだった床もこれで直せた。



人間たちだけで新しい惑星には到着している。
あと記録していなかったが、だいぶ前にテラフォーミング研究が済んで、先日テラフォーミングマシンの調査によって居住可能な星というのも見つけてある。

だがあの惨事の影響もあって、次の段階に進むには色々と準備や再検討が必要な状況となっている。そんなこんな含めて、また大変おもしろくなってきた。